原題:負けんのか!抑圧に…
先日、上げたコラムに意外な程、苦情が殺到した。その苦情内容とは、「秋山を擁護し過ぎ!」と。別に擁護したつもりは無いが…。ノーコンテストという裁定に不服が無いと述べた僕の意見が、皆さん、お気に召さなかったようだ。
言葉足らずで申し訳なかったが、僕個人の中では、既にあの日、リングで観たままが答えであり、後から外野が”物言い”をつけて、それらしい理由を紙切れ一枚で発表しようが、朽ちた者が記者会見を開こうが、あの日、あの場に最後に立っていた者こそが”勝者”であり、その事実は覆らない。これが結論であるからあえて、異は唱えなかった次第であります。
そもそも、僕も格闘技好きな”ド素人”でしかなく、競技上の機微やルール認識まで掘り下げて追求はできない。”決闘”としての側面と”競技”としての側面が存在する"格闘技"において、勝敗を客観的に裁定するなら実際に競技者に聞かないと本当のところは分からない。
そこでこの週末、名前は伏せるが現役の総合格闘家2名に会い、競技者としての見解と意見を聞いてきた。先ず、2名が口を揃えて「本来の実力は、秋山選手が上だったと思います」と答えた。ただ、あの特異な空気に満ちた会場であり、当然、”平常心”を削がれ、あの日のリングでは両者、普段どおりとは言い難い状態でした。”別のチカラ”が、上手く作用した者と反作用した者に明暗がクッキリ出ました」とも付け足した。その前置きがあって、話題は”問題の4点ポジション”へと。
「問題の蹴りは、完全に流れの中での攻撃であり、かつ、あの体制を4点ポジションと呼んだ事も認識も僕らには今まで無い」と断言。更に、「あの名勝負がノーコンテストでは、あまりに三崎選手が可哀相だ」と。
続けて「そもそも、三崎選手の放った1発目のフックで、秋山選手は相当効いていたと見受けられた。それは、その後のアクションで明確に分かる。追い討ちを警戒したというより、自尊心の強い秋山選手の性格が災いし、初めてパンチを貰ってダウンした事に焦り、"やばい、格好悪い"と即、”体裁を取り繕う”為に、まだ、ダメージが抜け切らず、思うように体が動かぬ間に、起き上がろうとした事が”重大なミス”であり、結果的にフィニッシュの蹴りを喰らうハメになったんでしょう。あんなパンチをもらったら、直ぐには体が動きません。柔道家だから、落ち着いてグランドへ移行するなり、相手を引き込み密着して呼吸を整えるとか、普段の秋山選手なら出来たでしょう。それが、試合のアヤという怖さです。実力以上を発揮できる部分と、練習した事が全く出せない部分があり、それが試合後、自分の修正や反省の糧となり、次に向け練習するのです」と言った。
ご尤(もっと)も!!納得した。
「当事者として自分が犯した”試合中のミス”は、自分で分かっている筈。なのに、後で”蹴りは反則だ!"と抗議するのは、同じ競技に関わる選手の立場から言うと、非常に格好悪いとの印象を持ったが、秋山選手本人が率先してというより、周囲に絆された抗議と解釈している。結果さえもひっくり返すチカラを持っている秋山陣営と今後、多くの団体や選手は、試合をしたがらないでしょうね」とも言っていた2人。
彼らはバイトしながら、試合の宛が無くても、一生懸命、毎日、練習している。そんな、直向な若者と権力を振りかざすズルい大人と、それに屈した情けない大人どちらが正しき者なのか?僕はまだ、正常に判断できる。だから、それでいい。
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闘議(とうぎ)ノーコンテスト裁定の末に ~071231_やれんのか!~ |
u-spirit 2008.02.05 |
原題:やりすぎんだよ!
誰が悪い訳でもない。
今日、都心に降り積もった雪の様に、みんなの心に刻まれた”あの日”を白く塗りつぶしてしまおう。
導き出された解答はノーコンテスト。あの日の熱狂は、無かった事にしよう。強烈なインパクトと共にあの場に居た観客の記憶には残っているが、記録には残こさない。そんな、”やれんのか!”が下した裁定を受け、撃沈したあの日以来、公に姿を見せなかった秋山成勲が記者会見を開いた。正直、内容を聞いて驚いた。
「もう一度、同条件で三崎和雄と闘いたい」と言ってのけた。あの、孤立無援な完全アウェーのリングに、もう一度、立ちたいと言わせる程、彼を掻き立てるモノは何だ?でも、残念ながら”あの状況”は二度と再現できない。何故なら、”あの時”居合わせたファンの中で、勝敗や裁定以上に三崎が言った”秋山の魂”に心打たれた者が、再戦の際には秋山に必ず声援を送るから、完全なアウェーとは絶対にならない。あの日の秋山はファンの胸に深く刻みこまれた。それは間違いない。
正直に言うと再戦には反対だ。今回下った裁定に不満は無いが、個人的に”即再戦”や”即リベンジ”そのものが余り好きではないから。一定期間を開けた後、数年後に対峙するなら賛同もするが、”勝って欲しかった選手”が勝利するまで、何度も同一相手とカードを組んであげる傾向は、生身の人間が削り合わねばならない競技として、好ましくない気がする。
プレイヤーが勝つまで、電源オン・オフを繰り返しリトライするコンピューターゲームかの様に、いとも簡単に”やり直し”を誘発し、何度も同じ相手同士を奪い合わせる発想は、あまりに安直だし危険だ。書面上、ノーコンテストとして消えてしまった今回の対戦においても、その思いは同じ。
”魔王”というより”羅王”となりつつある秋山成勲を今、闘わせるなら、ショーグン、シウバ、ヘンダーソンが最も相応しいが、いくら大連立でも、UFC所属選手となった彼らをブッキングするのは不可能。
ならば、実現可能な残された選択肢、それは、吉田秀彦しかない。と個人的に思う。谷川氏の言うとおりならば、優先的な契りのあった三崎和雄を事情を知らなかったとは言え、結果としてスッ飛ばしてブッキングした”戦極”サイドにも若干の非がある訳で、働きかければ、秋山×吉田は簡単に実現すると思うのだが。やはり、”戦極”は大連立には参加せず、自分たちの大きな木の下から出ず、ドンキホーテを気取り、我が道を行くか…。
誰が悪い訳でもない。
今日、都心に降り積もった雪の様に、みんなの心に刻まれた”あの日”を白く塗りつぶしてしまおう。
導き出された解答はノーコンテスト。あの日の熱狂は、無かった事にしよう。強烈なインパクトと共にあの場に居た観客の記憶には残っているが、記録には残こさない。そんな、”やれんのか!”が下した裁定を受け、撃沈したあの日以来、公に姿を見せなかった秋山成勲が記者会見を開いた。正直、内容を聞いて驚いた。
「もう一度、同条件で三崎和雄と闘いたい」と言ってのけた。あの、孤立無援な完全アウェーのリングに、もう一度、立ちたいと言わせる程、彼を掻き立てるモノは何だ?でも、残念ながら”あの状況”は二度と再現できない。何故なら、”あの時”居合わせたファンの中で、勝敗や裁定以上に三崎が言った”秋山の魂”に心打たれた者が、再戦の際には秋山に必ず声援を送るから、完全なアウェーとは絶対にならない。あの日の秋山はファンの胸に深く刻みこまれた。それは間違いない。
正直に言うと再戦には反対だ。今回下った裁定に不満は無いが、個人的に”即再戦”や”即リベンジ”そのものが余り好きではないから。一定期間を開けた後、数年後に対峙するなら賛同もするが、”勝って欲しかった選手”が勝利するまで、何度も同一相手とカードを組んであげる傾向は、生身の人間が削り合わねばならない競技として、好ましくない気がする。
プレイヤーが勝つまで、電源オン・オフを繰り返しリトライするコンピューターゲームかの様に、いとも簡単に”やり直し”を誘発し、何度も同じ相手同士を奪い合わせる発想は、あまりに安直だし危険だ。書面上、ノーコンテストとして消えてしまった今回の対戦においても、その思いは同じ。
”魔王”というより”羅王”となりつつある秋山成勲を今、闘わせるなら、ショーグン、シウバ、ヘンダーソンが最も相応しいが、いくら大連立でも、UFC所属選手となった彼らをブッキングするのは不可能。
ならば、実現可能な残された選択肢、それは、吉田秀彦しかない。と個人的に思う。谷川氏の言うとおりならば、優先的な契りのあった三崎和雄を事情を知らなかったとは言え、結果としてスッ飛ばしてブッキングした”戦極”サイドにも若干の非がある訳で、働きかければ、秋山×吉田は簡単に実現すると思うのだが。やはり、”戦極”は大連立には参加せず、自分たちの大きな木の下から出ず、ドンキホーテを気取り、我が道を行くか…。
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闘議(とうぎ)他競技から得た秋山事件の答え ~071231_やれんのか!~ |
u-spirit 2008.02.05 |
365日間、格闘技ファンの胸に突き刺ってきた痞(つか)え。
今の世の中、権力者に都合良く、何事も有耶無耶にされ、理不尽がまかり通り、みんなが利己主義に”利得”しか追求しない。多くの人は、これを”矛盾”と受け入れ、半ば諦めて生きている。僕自身も、その中の一人。
しかし、こと競技やスポーツと呼ばれる類において、特に裸身で闘う”格闘技”のリングだけは、他のチカラの及ぶ事のない聖域だと信じてきた。その聖域で戦う武人は我々の理想像であり、指針だと思ってきた。しかし一昨年末、「勝つ事が全て」と己の持ち合わせたスキルを誇示せず、故意にルールを逸脱し、姑息な手段を用いた挙句、クレームを付け、桜庭を非難してまで、言い逃れをした秋山。処分は下されたものの、釈然としないまま嫌な気持ちだけが、武人への憧れを抱いていたファンの心根に深く蔓延った。やっぱり、どの世界も…と。だが、一人の男が秋山事件という痞えにピリオドを打ってくれた。
三崎和雄よ、ありがとう。
雄叫びを上げ、声が枯れ、見ず知らずの隣の人と抱き合って、喜びを分かち合いながら、泣いた。
そして、試合後の三崎は
「お前は去年、沢山の人と子供たちを裏切った。オレは絶対に許さない。でも、今日試合をして、お前の気持ちがオレにも届いた。だから、これからはリングの上で沢山の人たちと子供たちに、誠意を見せて闘ってほしい」
と秋山の目を見ながら語った。
この一年、この事件の本質を考えていた。そして、他競技を見ている時に、あるヒントに辿り着いた。
本来、「競技者としてスポーツマンシップに則るのは当然だ」と日本人の誰もが思うのだが、冷静に世界を見渡せば、多くの国や民族が”勝利至上主義”であり、強(したた)かに勝負に挑んでくる。「正々堂々と潔く」を重んじる”武道精神”を貫いているのは、我々、日本だけだ。
例えば世界のサッカーで多用される「ずる賢さ」などが最たるもので、記憶に新しい野球の北京オリンピック・アジア最終予選でも、韓国は直前になってスターティングメンバーを7名も入れ替え、事前の紳士協定を無視して、「ルール規定内だ」と主張していた。柔道の世界選手権でも、国際ルール規定に基づき”後付けの技”を有効と見なされたり、我々から見れば卑怯と映る行為も、お国が違えば許容範囲とされるのが現実だ。このギャップが今回の騒動をここまで増幅させた要因なのかもしれない。
強(したた)かな相手にどう、対抗すれば良いのか?答えはひとつ。
揺るぎない強さを備えればいい。今回の三崎和雄や野球の星野JAPANが体現したように”強かさ”には”力強さ”で対抗するしかない。それが、唯一の方法。やはり、日本人として”強い者は正しくあれ!”とまでは言わないが、本物なら姑息に欺く事無かれ。と言いたい。そして、格闘技においては、”武道精神”を絶対に失って欲くない。
諸外国に”平和ボケのお人好し日本人”と嘲笑われて、迎合し同じ戦法で”強かに”走った時点で、古からの教え、日本人としての”誇り”や”魂”を捨てる事を意味する。”武道精神”は”大和魂”であり、世界に誇れる我々のアイデンティティそのものなのだから。正々堂々と勇敢に闘った武人には、勝敗に関係なく、心から敬意を示す。今回の試合後に秋山に対しても声援と拍手が起こった事実が、日本人の心意気を表している。
観戦していた秋山の親友の清原和博が会場のブーイングや、三崎の秋山に対する意見にムカついたと発言したらしいが、三崎の所属するGRABAKAの選手たちは、数年前ジムもなく駒沢公園で体育用のマットを敷いて練習をしていた。そんな環境下でも直向に総合格闘技の明日を夢見て、努力して今日がある。競技にかける想いの長けが彼らにはある。
それを秋山の友人だからと野球人の清原が、同じ土俵に上がりもしないで、三崎の顔を蹴り上げたいと発言するのは、おかしな話だ。それに、当人の秋山は最初から最後まで”潔く”武人として振舞っていた。あの会場にいた多くの人が、その勇姿を見届け、心打たれ、認めた。秋山に異議を唱える者はもう、居ないだろう。3万人近い観衆に罵声を浴びせられ、孤立無縁の状態で闘いに挑める”強さ”は僕にはない。
あの日の秋山は確かに強かった。これ以上、我々の中で生まれ変わった秋山を辱めないで欲しい。清原よ、余計な心配は無用だ。今の秋山なら、やれんだよ!!
今の世の中、権力者に都合良く、何事も有耶無耶にされ、理不尽がまかり通り、みんなが利己主義に”利得”しか追求しない。多くの人は、これを”矛盾”と受け入れ、半ば諦めて生きている。僕自身も、その中の一人。
しかし、こと競技やスポーツと呼ばれる類において、特に裸身で闘う”格闘技”のリングだけは、他のチカラの及ぶ事のない聖域だと信じてきた。その聖域で戦う武人は我々の理想像であり、指針だと思ってきた。しかし一昨年末、「勝つ事が全て」と己の持ち合わせたスキルを誇示せず、故意にルールを逸脱し、姑息な手段を用いた挙句、クレームを付け、桜庭を非難してまで、言い逃れをした秋山。処分は下されたものの、釈然としないまま嫌な気持ちだけが、武人への憧れを抱いていたファンの心根に深く蔓延った。やっぱり、どの世界も…と。だが、一人の男が秋山事件という痞えにピリオドを打ってくれた。
三崎和雄よ、ありがとう。
雄叫びを上げ、声が枯れ、見ず知らずの隣の人と抱き合って、喜びを分かち合いながら、泣いた。
そして、試合後の三崎は
「お前は去年、沢山の人と子供たちを裏切った。オレは絶対に許さない。でも、今日試合をして、お前の気持ちがオレにも届いた。だから、これからはリングの上で沢山の人たちと子供たちに、誠意を見せて闘ってほしい」
と秋山の目を見ながら語った。
この一年、この事件の本質を考えていた。そして、他競技を見ている時に、あるヒントに辿り着いた。
本来、「競技者としてスポーツマンシップに則るのは当然だ」と日本人の誰もが思うのだが、冷静に世界を見渡せば、多くの国や民族が”勝利至上主義”であり、強(したた)かに勝負に挑んでくる。「正々堂々と潔く」を重んじる”武道精神”を貫いているのは、我々、日本だけだ。
例えば世界のサッカーで多用される「ずる賢さ」などが最たるもので、記憶に新しい野球の北京オリンピック・アジア最終予選でも、韓国は直前になってスターティングメンバーを7名も入れ替え、事前の紳士協定を無視して、「ルール規定内だ」と主張していた。柔道の世界選手権でも、国際ルール規定に基づき”後付けの技”を有効と見なされたり、我々から見れば卑怯と映る行為も、お国が違えば許容範囲とされるのが現実だ。このギャップが今回の騒動をここまで増幅させた要因なのかもしれない。
強(したた)かな相手にどう、対抗すれば良いのか?答えはひとつ。
揺るぎない強さを備えればいい。今回の三崎和雄や野球の星野JAPANが体現したように”強かさ”には”力強さ”で対抗するしかない。それが、唯一の方法。やはり、日本人として”強い者は正しくあれ!”とまでは言わないが、本物なら姑息に欺く事無かれ。と言いたい。そして、格闘技においては、”武道精神”を絶対に失って欲くない。
諸外国に”平和ボケのお人好し日本人”と嘲笑われて、迎合し同じ戦法で”強かに”走った時点で、古からの教え、日本人としての”誇り”や”魂”を捨てる事を意味する。”武道精神”は”大和魂”であり、世界に誇れる我々のアイデンティティそのものなのだから。正々堂々と勇敢に闘った武人には、勝敗に関係なく、心から敬意を示す。今回の試合後に秋山に対しても声援と拍手が起こった事実が、日本人の心意気を表している。
観戦していた秋山の親友の清原和博が会場のブーイングや、三崎の秋山に対する意見にムカついたと発言したらしいが、三崎の所属するGRABAKAの選手たちは、数年前ジムもなく駒沢公園で体育用のマットを敷いて練習をしていた。そんな環境下でも直向に総合格闘技の明日を夢見て、努力して今日がある。競技にかける想いの長けが彼らにはある。
それを秋山の友人だからと野球人の清原が、同じ土俵に上がりもしないで、三崎の顔を蹴り上げたいと発言するのは、おかしな話だ。それに、当人の秋山は最初から最後まで”潔く”武人として振舞っていた。あの会場にいた多くの人が、その勇姿を見届け、心打たれ、認めた。秋山に異議を唱える者はもう、居ないだろう。3万人近い観衆に罵声を浴びせられ、孤立無縁の状態で闘いに挑める”強さ”は僕にはない。
あの日の秋山は確かに強かった。これ以上、我々の中で生まれ変わった秋山を辱めないで欲しい。清原よ、余計な心配は無用だ。今の秋山なら、やれんだよ!!
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闘議(とうぎ)葬送の式典 ~071231_やれんのか!~ |
u-spirit 2008.01.03 |
迷った挙句、田村のいない方”やれんのか!”へ向かう。真新しい首都高 外環状を経由して新都心IC。以前は、ほぼ2ヶ月間隔で通った埼玉スーパーアリーナ。便利になった分だけ、「今更…」と恨めしい気分にさえなる。そんな、久しぶりな光景に浸り、駐車場へ入庫する。先に開催されていたハッスル関係者と駐車場で遭遇し挨拶。その方の妹さんがバイトしている露店で”やれんのか!汁”を馳走になる。看板には「喰えんのか!」と書いてあり、食の安全が厳しく言及された年に、なんと横柄な売り文句だろう…と笑。場内はハッスル繋がりでアリーナ仕様。従来より小規模だが平等にどの席種からも観戦し易く、リングを包み込む配列で個人的には、こちらの方が好み。座席に着くと周囲には多くの知人、友人が来場していた。ハッスルとのWヘッダー組も多く、連れの女性が疲れて寝ている姿が目立つ。現地リポを頼まれた3人へのメールを作成していると目の前をM−1グローバル代表のモンテ・コックス氏が通り過ぎる。少なからず2008年の大連立のキーマンは、この巨漢のオッサン。開幕時間が近づくにつれ、待たされたファンのボルテージは上がりまくり。
そして、「それは一夜限りの…」至宝の佐藤&立木Vにて開幕。恒例の高田太鼓演舞で会場はアゲアゲになり、褌なし本部長の出て来いやぁ〜では無く、「かかって来いやぁ!」で出場選手紹介。秋山には恐ろしい程のブーイング。対照的に青木とヒョードルには、一時のサクやシウバを彷彿させる大歓声が上がる。その歓声に跳関十段は、感極まり顔を覆い隠し涙。やっぱり、この熱はHERO'Sの会場には無い。
そして、「それは一夜限りの…」至宝の佐藤&立木Vにて開幕。恒例の高田太鼓演舞で会場はアゲアゲになり、褌なし本部長の出て来いやぁ〜では無く、「かかって来いやぁ!」で出場選手紹介。秋山には恐ろしい程のブーイング。対照的に青木とヒョードルには、一時のサクやシウバを彷彿させる大歓声が上がる。その歓声に跳関十段は、感極まり顔を覆い隠し涙。やっぱり、この熱はHERO'Sの会場には無い。
<第1試合>
●ローマン・ゼンツォフ×マイク・ルソー○
戦前、オープニングとしてはパンチに欠けるカードと思えたが、初見だったルソーのスキルが高く、巨漢に似合わず器用であり流れるようなフィニッシュで感心させられる。
<第2試合>
○川尻達也×ルイス・アゼレード●
川尻の見事なビルドアップされた肉体に期待が膨らむもフィニッシュを焦って強引になり過ぎ、明らかな空回り。噛み合った様な、噛み合わなかった様な、キレの無い勿体無い微妙な試合となる。川尻にとって長すぎた空白が裏目に出たか?彼の実力はこんなものでは無い。
<第3試合>
○瀧本誠×ムリーロ・ブスタマンチ●
ブス先生のネチッコイ攻めに1Rは防戦一方の瀧本、2Rに起死回生の右ストレートから左フックをヒット!ブス先生の腰が砕けるも、タッキーが仕留め切れず判定にダウン分だけ有利な瀧本が勝利。
『総合格闘技を舐めてました』発言から丸3年、彼の格闘技人生は結果とカードに恵まれず暗中模索の日々だった。それでも挑み続け、ブスタマンチを敗るほどの地力を持つ”白き天才”の「戦極」での活躍に期待。
<第4試合>
○石田光洋×ギルバート・メレンデス●
この階級で台頭と言えば、カルバンと青木、そして、メレンデス。次いで川尻、その後ろに石田だと思っていた。しかし、空白の時間に程よい静養とスキルアップをした石田は、メレンデスの多彩な攻めを尽く潰す”巧み”ぶり。マットに叩きつけられれば、即座にやり返す心意気。メレンデスを後、一歩の所まで追い込んで時間切れ。だけど、いい試合だった。総合格闘技とは選手も技術も進化している事を象徴する試合。
<第5試合>
○三崎和雄×秋山成勲●
問題のクリームが盛り込まれた過激映像で”ヒール”秋山を煽る。ブーイング飛交う場内に出てきた秋山は表情ひとつ変えず。しかし、秋山の座礼でさえ、場内を逆撫でする演出のひとつに見えてしまう空気が漂う。一方の三崎和雄は、己の奥底から湧き出るもの、押し寄せるものを必死に抑えるかの様に、飛び跳ねながら入場する。
運命のゴング、隣席の知人の彼女が「これは?K-1?」と錯覚を起こしてしまう程、スタンドオンリーな展開に。序盤に秋山の見事なワン・ツーがヒットし三崎は意識を刈り取られフラッシュダウン、秋山は続けてパウンドで追撃するも、三崎が無意識?に防御姿勢を取り、耐え凌いで再びスタンド戦へ。終盤、ジリジリと三崎が地味な揺さ振りをかけ始める。スイッチング、フェイント、そして、虚をつくボディーブローが決まる。続け様に一手前と同モーションの左フックを今度は顎へヒットさせる。堪らず尻餅をついた秋山はこの日、初めて表情が変化し、慌てて立ち上がろうとした次の瞬間、三崎の蹴り上げた足の甲が秋山の顔面にメリ込み勝負アリ!!最後の光景は”バキ”の板垣恵介氏の描写そのもので圧巻。
三崎和雄の大逆転で決した後、リングの上も外も一気に臨界点へと達し、”埼玉メトロダウン”大爆発。雄叫びを上げ、奇声を発し、見ず知らずの者同士が抱擁し合ったり、ハイタッチしたり、異様な熱気に包まれる。己の勝利に舞い上がった三崎は、朦朧とする秋山を呼び寄せ肩に手を置いて”あの件”を叱責すると同時に、魂が伝わったと激励する。でも、最後の座礼に見えない土下座は必要ない。
『4点ポジションからのサッカーボールキックは反則では?』との声があるが、あれは”倒れ際の追い討ち”ではなく、”起き上がり際の攻撃”だと見えた。帰宅後、VTRを繰り返し見てみたが、試合中の流れを考慮すればギリギリ”セーフ”の範疇だった。もし、ジャッジに不服があったのなら、秋山サイドはあの時、その場で抗議するべきだった。リング内は多くの者が決戦の余韻に浸っていて、時間も充分にあった。事実、一番近くのコーナーで立ち会っていた彼らセコンド陣も、即座に合否を”断定”できない程、微妙なアクションだった。
後になってから抗議するのもいいが、秋山本人は敵地ながら最初から最後まで威風堂々と己を貫き闘い抜いた。そんな、勇姿を目の当たりにした観客からは、秋山の退場時に惜しみない拍手と歓声が送られた。秋山は、ただ無残に散った訳ではない。格闘家として生きるという”魂”を怒号の飛び交う中、言い訳せず一人、刻んだのだ。その誉れ高き行動に、後付けで外野がモノを言っては濁すだけ。
会場にいた全員が余韻に浸り、興奮したまま口々に感想を述べながら休憩タイムへ突入。その最中にメインの皇帝ヒョードルの試合が地上波の関係上、繰り上がりとアナウンス。「我々に地上波が帰ってきました」って…確かにそうだけど、現実は、ただの他力介入。タバコ、トイレ、売店の全てを諦めて、先ほどの秋山×三崎の激戦をレポート作成し、依頼されていた3名へのメール送信作業に追われる。そんな僕を見兼ねた友人のセクシーな彼女がスナック菓子と飲み物を差し入れてくれる。2007年最後の食事は”とんがりコーン”と”森永マミー”と”ボイン”。
<第6試合>
○エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェ・ホンマン●
「葬送の式典」、この言葉にグッと来た。なんという名言か!!映像を手がける佐藤Dを含めた大会開催に拘った旧DSEスタッフの心意気を表現するに最も相応しい。これはファンに対する感謝の意を込めた”葬送”なのだ。しかし、思わぬ試合順変更で最終上映予定の煽りVが一部、未完のまま流れる。制作者の心境を考えると気の毒でならない。最終・大トリ予定の映像が、こんな形で…さぞや、不本意だろう。
試合の展開は、大きい人が体格差と体重差を生かして覆いかぶさる。器用な下の人がサンボの基本で足掛けて締め上げる。確かにホンマンが善戦した風に見えるが…パウンドも何発かはヒットして皇帝の顔に傷を付けたものの、○億とも言われるギャラを払う価値が本当にあるのか?と問いたくなる試合。
<第7試合>
○桜井“マッハ”速人×長谷川秀彦●
長谷川とマッハの差が予想以上に開いていた。マッハの打撃を嫌い組み付いて転がる長谷川、何度も何度も繰り返される同じ攻防。マッハも強いが、あと一つが足りずに時間だけが過ぎ、会場はどんどん冷めていく。長い長い試合は判定でマッハ。
ここでモンテ・コックス氏が登場しM−1グローバルの日本大会?を期待していてくれと発言。
<第8試合>
○青木真也×チョン・ブギョン●
シドニー五輪の柔道シルバーメダリストであるブギョン。カルバンの代役として急遽組まれた”金魚”ならぬ”銀魚”かと思いきや、侮るなかれ、腕がらみとグラウンドでの卓越した技術、青木の腕を2回もキャッチする実力者。2R以降、青木がポイントを挽回すべく、ポジショニング優先に試合を展開する。この経験値の差が判定結果に出て青木に軍配。個人的には見応えある試合だったが、カウントダウンの時刻が迫っていて、周囲も関係者も 心では「早く、極めてくれぇ〜頼むぅ」と願っていたはず。
そして、ギリギリセーフのカウントダウン&フィナーレ、しかし、言い馴れない”やれんのか!”の掛け声はグダグダのバラバラ。万感の想いを胸に、さようなら〜PRIDE!・・・ぅん???!!!
垂れ幕が現れ「桜咲くころ、夢の続きを・・・」「今年も やれんのか!」
モニターには「花咲く頃に、会いましょう・・・」
でも、一番のサプライズは、リング上、立木文彦氏の挨拶。いい声ですわ。
こんな事、書いていいのか分からないが、毎回、リングサイドの某側に陣取る”影の軍団”の姿が見当たらず。脱却したのか、ご遠慮願ったのか、定かではない。その代わりに今回のVIP席には、招待者より自腹組と思しきファンが大勢詰め掛けていた事が、いい傾向だったと思う。様々な事、残念に思いますが、形態なんか気にせず”夢のステージ”をこれからも担っていって下さい。
●ローマン・ゼンツォフ×マイク・ルソー○
戦前、オープニングとしてはパンチに欠けるカードと思えたが、初見だったルソーのスキルが高く、巨漢に似合わず器用であり流れるようなフィニッシュで感心させられる。
<第2試合>
○川尻達也×ルイス・アゼレード●
川尻の見事なビルドアップされた肉体に期待が膨らむもフィニッシュを焦って強引になり過ぎ、明らかな空回り。噛み合った様な、噛み合わなかった様な、キレの無い勿体無い微妙な試合となる。川尻にとって長すぎた空白が裏目に出たか?彼の実力はこんなものでは無い。
<第3試合>
○瀧本誠×ムリーロ・ブスタマンチ●
ブス先生のネチッコイ攻めに1Rは防戦一方の瀧本、2Rに起死回生の右ストレートから左フックをヒット!ブス先生の腰が砕けるも、タッキーが仕留め切れず判定にダウン分だけ有利な瀧本が勝利。
『総合格闘技を舐めてました』発言から丸3年、彼の格闘技人生は結果とカードに恵まれず暗中模索の日々だった。それでも挑み続け、ブスタマンチを敗るほどの地力を持つ”白き天才”の「戦極」での活躍に期待。
<第4試合>
○石田光洋×ギルバート・メレンデス●
この階級で台頭と言えば、カルバンと青木、そして、メレンデス。次いで川尻、その後ろに石田だと思っていた。しかし、空白の時間に程よい静養とスキルアップをした石田は、メレンデスの多彩な攻めを尽く潰す”巧み”ぶり。マットに叩きつけられれば、即座にやり返す心意気。メレンデスを後、一歩の所まで追い込んで時間切れ。だけど、いい試合だった。総合格闘技とは選手も技術も進化している事を象徴する試合。
<第5試合>
○三崎和雄×秋山成勲●
問題のクリームが盛り込まれた過激映像で”ヒール”秋山を煽る。ブーイング飛交う場内に出てきた秋山は表情ひとつ変えず。しかし、秋山の座礼でさえ、場内を逆撫でする演出のひとつに見えてしまう空気が漂う。一方の三崎和雄は、己の奥底から湧き出るもの、押し寄せるものを必死に抑えるかの様に、飛び跳ねながら入場する。
運命のゴング、隣席の知人の彼女が「これは?K-1?」と錯覚を起こしてしまう程、スタンドオンリーな展開に。序盤に秋山の見事なワン・ツーがヒットし三崎は意識を刈り取られフラッシュダウン、秋山は続けてパウンドで追撃するも、三崎が無意識?に防御姿勢を取り、耐え凌いで再びスタンド戦へ。終盤、ジリジリと三崎が地味な揺さ振りをかけ始める。スイッチング、フェイント、そして、虚をつくボディーブローが決まる。続け様に一手前と同モーションの左フックを今度は顎へヒットさせる。堪らず尻餅をついた秋山はこの日、初めて表情が変化し、慌てて立ち上がろうとした次の瞬間、三崎の蹴り上げた足の甲が秋山の顔面にメリ込み勝負アリ!!最後の光景は”バキ”の板垣恵介氏の描写そのもので圧巻。
三崎和雄の大逆転で決した後、リングの上も外も一気に臨界点へと達し、”埼玉メトロダウン”大爆発。雄叫びを上げ、奇声を発し、見ず知らずの者同士が抱擁し合ったり、ハイタッチしたり、異様な熱気に包まれる。己の勝利に舞い上がった三崎は、朦朧とする秋山を呼び寄せ肩に手を置いて”あの件”を叱責すると同時に、魂が伝わったと激励する。でも、最後の座礼に見えない土下座は必要ない。
『4点ポジションからのサッカーボールキックは反則では?』との声があるが、あれは”倒れ際の追い討ち”ではなく、”起き上がり際の攻撃”だと見えた。帰宅後、VTRを繰り返し見てみたが、試合中の流れを考慮すればギリギリ”セーフ”の範疇だった。もし、ジャッジに不服があったのなら、秋山サイドはあの時、その場で抗議するべきだった。リング内は多くの者が決戦の余韻に浸っていて、時間も充分にあった。事実、一番近くのコーナーで立ち会っていた彼らセコンド陣も、即座に合否を”断定”できない程、微妙なアクションだった。
後になってから抗議するのもいいが、秋山本人は敵地ながら最初から最後まで威風堂々と己を貫き闘い抜いた。そんな、勇姿を目の当たりにした観客からは、秋山の退場時に惜しみない拍手と歓声が送られた。秋山は、ただ無残に散った訳ではない。格闘家として生きるという”魂”を怒号の飛び交う中、言い訳せず一人、刻んだのだ。その誉れ高き行動に、後付けで外野がモノを言っては濁すだけ。
会場にいた全員が余韻に浸り、興奮したまま口々に感想を述べながら休憩タイムへ突入。その最中にメインの皇帝ヒョードルの試合が地上波の関係上、繰り上がりとアナウンス。「我々に地上波が帰ってきました」って…確かにそうだけど、現実は、ただの他力介入。タバコ、トイレ、売店の全てを諦めて、先ほどの秋山×三崎の激戦をレポート作成し、依頼されていた3名へのメール送信作業に追われる。そんな僕を見兼ねた友人のセクシーな彼女がスナック菓子と飲み物を差し入れてくれる。2007年最後の食事は”とんがりコーン”と”森永マミー”と”ボイン”。
<第6試合>
○エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェ・ホンマン●
「葬送の式典」、この言葉にグッと来た。なんという名言か!!映像を手がける佐藤Dを含めた大会開催に拘った旧DSEスタッフの心意気を表現するに最も相応しい。これはファンに対する感謝の意を込めた”葬送”なのだ。しかし、思わぬ試合順変更で最終上映予定の煽りVが一部、未完のまま流れる。制作者の心境を考えると気の毒でならない。最終・大トリ予定の映像が、こんな形で…さぞや、不本意だろう。
試合の展開は、大きい人が体格差と体重差を生かして覆いかぶさる。器用な下の人がサンボの基本で足掛けて締め上げる。確かにホンマンが善戦した風に見えるが…パウンドも何発かはヒットして皇帝の顔に傷を付けたものの、○億とも言われるギャラを払う価値が本当にあるのか?と問いたくなる試合。
<第7試合>
○桜井“マッハ”速人×長谷川秀彦●
長谷川とマッハの差が予想以上に開いていた。マッハの打撃を嫌い組み付いて転がる長谷川、何度も何度も繰り返される同じ攻防。マッハも強いが、あと一つが足りずに時間だけが過ぎ、会場はどんどん冷めていく。長い長い試合は判定でマッハ。
ここでモンテ・コックス氏が登場しM−1グローバルの日本大会?を期待していてくれと発言。
<第8試合>
○青木真也×チョン・ブギョン●
シドニー五輪の柔道シルバーメダリストであるブギョン。カルバンの代役として急遽組まれた”金魚”ならぬ”銀魚”かと思いきや、侮るなかれ、腕がらみとグラウンドでの卓越した技術、青木の腕を2回もキャッチする実力者。2R以降、青木がポイントを挽回すべく、ポジショニング優先に試合を展開する。この経験値の差が判定結果に出て青木に軍配。個人的には見応えある試合だったが、カウントダウンの時刻が迫っていて、周囲も関係者も 心では「早く、極めてくれぇ〜頼むぅ」と願っていたはず。
そして、ギリギリセーフのカウントダウン&フィナーレ、しかし、言い馴れない”やれんのか!”の掛け声はグダグダのバラバラ。万感の想いを胸に、さようなら〜PRIDE!・・・ぅん???!!!
垂れ幕が現れ「桜咲くころ、夢の続きを・・・」「今年も やれんのか!」
モニターには「花咲く頃に、会いましょう・・・」
でも、一番のサプライズは、リング上、立木文彦氏の挨拶。いい声ですわ。
こんな事、書いていいのか分からないが、毎回、リングサイドの某側に陣取る”影の軍団”の姿が見当たらず。脱却したのか、ご遠慮願ったのか、定かではない。その代わりに今回のVIP席には、招待者より自腹組と思しきファンが大勢詰め掛けていた事が、いい傾向だったと思う。様々な事、残念に思いますが、形態なんか気にせず”夢のステージ”をこれからも担っていって下さい。
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闘議(とうぎ)ミドル級T決勝戦観戦記_後編 ~070917_HERO'S~ |
u-spirit 2007.10.04 |
前編より続き
休憩明け。この日、来場していたもう1人の生けるレジェンド”ヒクソン・グレイシー”がマイクを持ってリングイン。
「リングに立つと血が騒ぐ」
「次に皆様に会う時は選手として」
「近い将来、このリングに…。」
との”ウルトラリップサービス”も会場は思った程、盛り上がらず微妙な空気が漂う。10代〜20代のKIDや宇野を目当てに来場した娘さんたちは皆、一様にポッカーン。「オッサン、誰?何を言ってんの?」状態けれど、老いても、闘わずしても、未だ”最強”の称号を維持し続けるこの”オッサン”は、過去、日本格闘技界の”至宝”と呼ばれた多くの選手を尽く退けてきた。故に本当の”グレイシー越え”は、未だ完遂されていない。日本格闘技界がグレイシーを越える日、それは、ホイスやホイラーやハイアンではく、誰も疑う余地の無い”象徴”ヒクソンを倒した日が訪れたその時。この”夢”そのものが、MMAが急激に進化した現在では、ただの”幻想”かもしれない。世界を見渡しても、これ程、グレイシー一族に執着している国は今時、ニッポンだけだ。だから、今、ヒクソンを倒しても、その選手は”地上最強”の称号を得られない。精精、”ロートルなヒクソンを倒した男”と呼ばれるだけ。でも、UWFを知る者にとって、この”仇打ち”の価値は、今でも充分に意味がある。失ったものを、あの日を取り戻すには”ヒクソン”を倒すしか術はない。
休憩明け。この日、来場していたもう1人の生けるレジェンド”ヒクソン・グレイシー”がマイクを持ってリングイン。
「リングに立つと血が騒ぐ」
「次に皆様に会う時は選手として」
「近い将来、このリングに…。」
との”ウルトラリップサービス”も会場は思った程、盛り上がらず微妙な空気が漂う。10代〜20代のKIDや宇野を目当てに来場した娘さんたちは皆、一様にポッカーン。「オッサン、誰?何を言ってんの?」状態けれど、老いても、闘わずしても、未だ”最強”の称号を維持し続けるこの”オッサン”は、過去、日本格闘技界の”至宝”と呼ばれた多くの選手を尽く退けてきた。故に本当の”グレイシー越え”は、未だ完遂されていない。日本格闘技界がグレイシーを越える日、それは、ホイスやホイラーやハイアンではく、誰も疑う余地の無い”象徴”ヒクソンを倒した日が訪れたその時。この”夢”そのものが、MMAが急激に進化した現在では、ただの”幻想”かもしれない。世界を見渡しても、これ程、グレイシー一族に執着している国は今時、ニッポンだけだ。だから、今、ヒクソンを倒しても、その選手は”地上最強”の称号を得られない。精精、”ロートルなヒクソンを倒した男”と呼ばれるだけ。でも、UWFを知る者にとって、この”仇打ち”の価値は、今でも充分に意味がある。失ったものを、あの日を取り戻すには”ヒクソン”を倒すしか術はない。
第8試合 85kg契約
桜庭和志×柴田勝頼
桜庭和志×柴田勝頼
柴田はミノワマンをも凌ぐ”猛ダッシュ”勢い余って転倒して、吠えながらリングイン。このテンションはプロレスラーらしくて好きだ。だけど、格闘家として試合に挑むスタイルとしては、好ましくないだろう。そして、桜庭の入場時に流れた煽りVTRは、コミカルで真剣勝負に挑む際、神妙になりがちな空気を笑いで和ませ、試合前から柴田を煙に巻く。(残念ながら地上波ではカット)サクはこれまでのショートスパッツではなく、珍しくキックパンツスタイル。しかも指先は人差し指以外、全指、テーピングを施している。滑り止め対策か?古傷である両膝のガッチリテーピングと合わせ、やる前から痛々しくて既に負傷者の如し。試合前、ヒクソンから両者に花束贈呈、柴田は受け取ると即座に客席へと放り投げる。流石にヒクソンもこれには怪訝な顔。
試合は、元師匠の名付けた桜庭得意の高速片足タックル”サックル”が早々に決まり、難なく柴田をテイクダウン。ところが、柴田は下からサクの側頭部にパンチを躊躇無く、何発も入れる。サクはスイープとパスを繰り返し、自在に下の柴田を押さえ込む。ココでさっきのお返しとばかりにサクはキレ気味で平手とパンチで上から柴田を殴り続ける。スタミナをロスし、ダメージ蓄積で”返す”動きの止まった柴田の右腕を取り、足を跨いでフィニッシュへと移行するサク。柴田も両足でフックして、クラッチを切られまいと懸命に凌ぐ。それでもサクは支点をズラして、クラッチを切りガッチリ極めてタップアウトを奪う。試合後、サクは柴田をポンポンと叩き、健闘を称え合った。柴田は座礼にて意思を伝える。サクも座礼で応え、互いに言葉を交わす。さっきまで殴り合っていたけれど、別に憎み合っていた訳じゃない。互いを認め合い、礼に始まり、礼に終わる。”礼節”を重んじる”武道”に通じるこの競技と選手の姿をワーキャーと騒ぐだけでなく、しっかり観ていて欲しいと願う。果たしてサクとUWFの終着先は船木戦か?ヒクソン戦か?
試合は、元師匠の名付けた桜庭得意の高速片足タックル”サックル”が早々に決まり、難なく柴田をテイクダウン。ところが、柴田は下からサクの側頭部にパンチを躊躇無く、何発も入れる。サクはスイープとパスを繰り返し、自在に下の柴田を押さえ込む。ココでさっきのお返しとばかりにサクはキレ気味で平手とパンチで上から柴田を殴り続ける。スタミナをロスし、ダメージ蓄積で”返す”動きの止まった柴田の右腕を取り、足を跨いでフィニッシュへと移行するサク。柴田も両足でフックして、クラッチを切られまいと懸命に凌ぐ。それでもサクは支点をズラして、クラッチを切りガッチリ極めてタップアウトを奪う。試合後、サクは柴田をポンポンと叩き、健闘を称え合った。柴田は座礼にて意思を伝える。サクも座礼で応え、互いに言葉を交わす。さっきまで殴り合っていたけれど、別に憎み合っていた訳じゃない。互いを認め合い、礼に始まり、礼に終わる。”礼節”を重んじる”武道”に通じるこの競技と選手の姿をワーキャーと騒ぐだけでなく、しっかり観ていて欲しいと願う。果たしてサクとUWFの終着先は船木戦か?ヒクソン戦か?
第9試合 63kg契約
山本“KID”徳郁×ビビアーノ・フェルナンデス
山本“KID”徳郁×ビビアーノ・フェルナンデス
この試合、ビビアーノもKIDも異次元だった。でも、それを上回る異次元を繰り広げたのは”ヌル塗る事件”で一躍有名になった梅木レフリー。今回はあまりに滑稽である。ジャッジミスや勘違いってレベルを通り越していた。状況判断力が無さ過ぎる。試合中、KIDも呆れ顔で苦笑い。もう少しで名勝負が”迷勝負”になるところ。「今回、凌げた事で、寝技でも自信がついた」試合後のKIDのコメントが全てを物語っていた。僕は今回、KIDの一本負けを予想していた。ビビアーノの強さは、一般的に認識されていないが、柔術家としては、世界でも屈指のツイスター。グレイシーバッハらしからぬw積極的なスタイルでテクニックと対応力はトップクラス。本当の天才だ。そのビビアーノの猛攻を凌いだKIDの実力は、とんでもなく凄い。会場では、試合後のマイクパフォーマンスの際、判定勝利への不満からか?「言い訳するな!」と心無い野次が飛んだが、対戦相手が”ビビアーノ”だった事を考慮すれば、文句の付る余地など皆無、正に天晴れだ!そりゃ、自信も付くよ。
第10試合 ミドル級トーナメント決勝戦
J.Z.カルバン×アンドレ・ジダ
J.Z.カルバン×アンドレ・ジダ
相変わらず入場時間の長いブラジリアン2人放送時間の迫る編集スタッフの心中を思うと「早よ、上がれ!」と言いたくなる。開始早々、CB仕込みの回転の速いジダのスイングフックをJ.Z.が何発か喰らい、グラついた王者に、新星は猛ラッシュをかける。このまま新王者が決まるのか?と思えた次の瞬間、J.Z.は電光石火のタックルを決める。ジダも粘っていたが、跳ねのけ起き上がろうとして伸びた腕をJ.Z.が見事にキャッチして引き込み、回転しながらアームバーで決する。J.Z.はスタンド主体の選手だと思われがちだが、そもそもATT(BTT)の所属。グラウンドテクも相当なもの。総合メジャージム対決はATT(BTT)に軍配が上がった。3年前とは別人だ。
【大会総括】
良くも悪くも、HERO'Sにとって分岐点となる大会だった。”冗談みたいない団体”と揶揄されてきたが、選手だけでなく、掲げていた”MMA ICON”として大会そのものも、日本の砦となって欲しい。事実、集客は前大会を遥かに凌いでいたし、ミーハーな女性客だけでなく、カードや参戦選手と共に再開されないPRIDEのファンも多く来場していた。だから、ココからが正念場である。質の良いコンテンツと注目を浴びるマッチメイク。この対極な事案を如何に両立するかで、HERO'Sに本当のHEROが生まれ来るだろう。しっかし、娘さんたちは、ワーキャーと元気にうるさい。まぁ、彼女達も今や大事なファンだ。ガマンがまん。
良くも悪くも、HERO'Sにとって分岐点となる大会だった。”冗談みたいない団体”と揶揄されてきたが、選手だけでなく、掲げていた”MMA ICON”として大会そのものも、日本の砦となって欲しい。事実、集客は前大会を遥かに凌いでいたし、ミーハーな女性客だけでなく、カードや参戦選手と共に再開されないPRIDEのファンも多く来場していた。だから、ココからが正念場である。質の良いコンテンツと注目を浴びるマッチメイク。この対極な事案を如何に両立するかで、HERO'Sに本当のHEROが生まれ来るだろう。しっかし、娘さんたちは、ワーキャーと元気にうるさい。まぁ、彼女達も今や大事なファンだ。ガマンがまん。
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闘議(とうぎ)ミドル級T決勝戦観戦記_前編 ~070917_HERO'S~ |
u-spirit 2007.09.27 |
開幕は前のオープニングファイト3試合が長引き15分遅れでスタート。会場の客入りはKID効果もあり、開始前から9割方の座席が埋まっていた。(後に12,310名と場内で発表あり)
先ずは、日明兄さんがカール・ゴッチ先生の遺影を胸に抱き、会場全員で10カウントの黙とうから。偉大なるカール・ゴッチの意志を継ぐ男達よ!との日明兄さんの掛け声で開幕。
先ずは、日明兄さんがカール・ゴッチ先生の遺影を胸に抱き、会場全員で10カウントの黙とうから。偉大なるカール・ゴッチの意志を継ぐ男達よ!との日明兄さんの掛け声で開幕。
第1試合 リザーブファイト
宮田和幸×ハービー・ハラ
宮田和幸×ハービー・ハラ
前回同様、宮田のポテンシャルが存分に出た試合だった。ハービーは入場コスチュームと入場曲の選曲が光っただけに、実力の方に疑問符が残る。宮田が2連勝できた理由をあえて探すなら、たった2週間の修行だけで、ムエタイを習得したとは言い難いが、自身の打撃向上よりも、KID戦で受けた膝蹴りの”トラウマ”を克服する事に成功し、飛び込む勇気を取り戻したのだろう。それにしても、あんなに綺麗なアームバーは久しぶりに見た。
第2試合 ミドル級トーナメント準決勝戦
宇野薫×アンドレ・ジダ
宇野薫×アンドレ・ジダ
”THREE BRAZILIANS & ONE JAPANESE”となってしまった大会の準決勝、日本最後の砦となりし、宇野薫は黄色い声援を背に、いつもの波長で淡々と入場してきた。対するジダはブラジルカラーのサクマシーンマスクを被り、セコンド陣がTシャツを客席に配布しながら、陽気にのんびり入場してきた。試合は序盤にジダの膝蹴りをモロに食らい消耗してしまった王子が判定負け。諦めずに背負った期待に答えようと、必死で最後までもがいたが、間に合わずTHE END。試合中、黄色い声援は悲鳴へと変わっていた。それ位、ジダは宇野を圧倒し前へ出ていた。
第3試合 ミドル級トーナメント準決勝戦
J.Z.カルバン×ビトー“シャオリン”ヒベイロ
J.Z.カルバン×ビトー“シャオリン”ヒベイロ
個人的に優勝候補と目していたシャオリンが計量失敗と聞き、体調不良が心配されたが案の定、シャオリンは出鼻を挫かれ、簡単に寝転がされて、J.Z.のパウンドラッシュを浴びて即、終了。入場パフォーマンス長く、試合の短いJ.Z.はある意味、プロフェッショナル。シャオリンの実力はこんなもんじゃない。調整不足が悔やまれる。
第4試合 無差別級
ミノワマン×ケビン・ケーシー
ミノワマン×ケビン・ケーシー
遂にHERO'Sのリングにミノワマン登場。煽りVTRでつかみはOK。入場は、いつものダッシュ!!!!ケビンのセコンドにヒクソンの姿を確認。試合はヒクソン仕込みの膝狙いの前蹴りで距離を測るケビン。ミノワマンも不用意には飛び込めないが押し込むケビンと耐える超人の我慢比べ。1R中は、バックを取られ窮地に陥るもミノワマンは凌ぎきる。2R開始早々、ミノワマンのフックがケビンを捉えて、ケビンは連打に絶えられず亀状態に。尚も鉄槌を振り下ろすミノワマンにレフリーがストップをかけると会場は爆発!!恒例の”SRF8回”もしっかり決まって、最高のHERO'Sデビューを飾る。
第5試合 85kg契約
ユン・ドンシク×ゼルグ“弁慶”ガレシック
ユン・ドンシク×ゼルグ“弁慶”ガレシック
前試合でブルファイター猛獣マヌーフを仕留めたユン、今度はタイプの違う打撃の”キレる”弁慶にどう挑むのか?試合は弁慶が有利と思いきや、ユンが圧倒的にコントロール。足をかけながら体重をあずけてテイクダウンを奪うと、弁慶の長所だったリーチ(長い手足)を逆に利用して、腕を取り一気に極めたユン・ドンシク。サクも認める実力はホンモノの様だ。けして”噛ませ犬”なんかではない。
第6試合 88kg契約
メルヴィン・マヌーフ×ファビオ・シウバ
メルヴィン・マヌーフ×ファビオ・シウバ
見た目もファイトスタイルもヴァンダレイに
そっくりなファビオ・シウバ、期待値高く初見参!もマヌーフとのブルファイター対決に左フックをカウンター気味に食らい崩れ落ちる。即座に意識を取り戻したものの、マヌーフに上からパウンドを4、5発打ち込まれる。見かねたレフリーが両者に割って入り試合を止めた。ファビオとセコンド陣は、早いストップに不満を示すも、相手のセコンド陣とも握手を交わす。さすがシュートボクセ、紳士である。
第7試合 無差別級
アリスター・オーフレイム×セルゲイ・ハリトーノフ
アリスター・オーフレイム×セルゲイ・ハリトーノフ
大会前、”PRIDEっぽい試合”と谷川氏が言っていたのは、このカード。確かに、”まんまPRIDE”だが、アリスターはPRIDEでの”欠点”を克服できず、バッテリー消耗が早いまま。序盤はロングフックを有効に使い、ハリを苦しめるも、2、3発返しのパンチを喰らうと、いつもの様に急激に失速し、背を向けて試合終了。ハリトーノフの勝利後、ヴォルク・ハンは一目散でリングに上がり、チームと喜びを分かち合っていた。ミーシャ、パコージン、ハン、の3人がリングで揃い踏みの姿に往年の懐かしさを感じ、感慨に浸っていたのは、この会場で何人いたのでしょう?もしかして、僕だけか?
後編へ続く
後編へ続く
