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ver.8.0 何処へ行く武士道 ~040719_武士道4~

marc_nas
2004.07.24
 今大会を一言で表すと「疲れた」、そんな大会だった。挑戦試合を含め計11試合、4時間半にも及ぶ長時間興行という理由だけではない。ましてや大阪ー名古屋間の移動の疲れなどでもない。スプリット判定の試合が4試合、時間切れドローが1試合。その判定試合の内容に起因するのである。今回はあえて判定試合にスポットを当てて今大会を振り返ってみたいと思う。
 まず、三島☆ド根性ノ助×マーカス・アウレリロ戦について。この試合は見応え十分の軽量級ならではのスピーディかつハイレベルなグラウンドの攻防が繰り広げられた。三角締めやアームバーなどの下から極める関節技を多用し、ZST GPを制したアウレリロだったが、パウンドルールありのPRIDEでどういった戦い方をするのか?対する三島は柔道仕込みの投げで常に上のポジションをキープできる能力を持っている。案の定、アウレリロが下から何度も関節を仕掛けるが、上から三島が的確なパンチや踏みつけキックで関節を凌ぐという展開となった。これは、これからPRIDEに参戦してほしいZSTファイターの所・小谷両選手にとって、かなり参考になったのではないか。
 続いて、アマール・スロエフ×ディーン・リスター戦について。本来の武士道シリーズのコンセプトは「軽量級の選手と日本人選手の発掘」であるはず。なぜこのマッチメイクが武士道でなされたのか疑問だった。両選手共に実績も実力もある好選手である。高田統括本部長は大会前に「メンバーがそろっているのに選手が光らない」と懸念していたが、皮肉にもこの試合はそれが顕著に現れ、全く噛み合わなかった。また高田本部長は「攻めない選手には三くだり半を突きつける」とまで宣告していたにも関わらず、両選手とも有効打が与えられず、決定機もない試合となってしまった。以前、私のコラムで「ver.3.0 PRIDEのマストシステムの脆弱性」については書いたが、中盤でボールを回すだけのシュートのない試合に判定は不要だと思う。マッチメイク・試合内容・判定の必要性、すべてにおいて不服だらけある。
 最後に、小路晃×パウロ・フィリオ、中村和裕×アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ戦について。この二試合は言及したいことが同内容である。寝技(柔道・柔術)をバックボーンに持つ選手が互いに自分の土俵ではなく相手の不得意な分野であるスタンドでの勝負を挑み続けた。私自身がグラウンドの攻防を好むせいもあるが、非常につまらなく感じた。K-1の試合と比べるとやはり技術的には劣るであろう。そしてまた、殺るか殺られるかといった激しい試合でもなかった。そんな試合を2試合も勝負つかぬままフルラウンドというのは見るに堪えられなかった。互いに寝技で極める技術を持ちながら寝技勝負を挑まなかったのは、「相手に極められる可能性もある」、「負けたくない」という心の現れか。我々は、少なくとも私は、負けない試合より勝ちにいく試合が見たいのだ。
 高田統括本部長は今大会を「武士道シリーズの存続を左右する重要な大会になる」「メンバーがそろっているのに選手が光らない」「判定試合が多いので、攻めない選手には三くだり半を突きつける」といっていた。しかし思いとは裏腹にこういった試合が多かったのは事実である。また、五味・マッハ・三島・アウレリロという軽量級の選手達が好試合をしたというのも紛れもない事実である。この事実を真摯に受け止め、もともとのコンセプトである「軽量級の選手・日本人選手の発掘・日本対世界」を思い出して欲しい。そしてまたPRIDEナンバーシリーズとの明確な差別化を切に願う。
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