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K-1ファンより哀をこめて - K-1 FANSITE「KCHANNEL」出張版 - 格信犯ウェブ

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K-1 FANSITE「KCHANNEL」出張版

K-1ファンより哀をこめて

Guest
2004.07.28
Hiropon 31歳 KCHANNEL管理人
K-1を創生期より見つめ続け、その豊富な知識と確かなデザイン力、そしてなによりK-1への愛情でファンサイトの範疇を越える膨大なデータベース量と最新のニュースを発信するサイトを運営されております
 総合格闘技全盛の昨今、はっきりと水をあけられた感があるK-1を皆さんはどう見られているでしょうか。誤解を恐れずに書きますが、K-1のファンサイトを管理している私自身、最近のK-1は「面白くない」と強く感じています。何がK-1をつまらなくしてしまったのか、そしてどうすればK-1が再び格闘技としての面白さを取り戻せるのか。これまであちらこちらでよく議論されたテーマですが、この場を借りて素人なりにもう一度見直してみたいと思います。
【ボブ・サップ】
 いわずと知れた野獣サップ。
 すっかりお茶の間の人気者となったサップが名を挙げたのは2002年です。総合ルールにてあのノゲイラをあわやという所まで追い詰め、またK-1ルールではホーストを連破。さすがにこの時はいわゆる純K-1ファンも沈黙したものです。当時右肩下がりだったK-1はこのサップの勢いと親しまれるキャラクター性を利用し、安易に視聴率を稼げるサップ主役路線に走りました。しかしその肝心のサップがミルコ戦以降は失速してしまいます。
 サップにとって「総合」や「K-1」は未知の競技への挑戦です。その肉体的強靭さと相性(?)もあってホーストを連破したまではよかったものの、試合数を重ねるにつれ弱点を次々と露呈してしまいました。芸能活動の合間を縫った付け焼刃程度の練習では、一流どころが集まる舞台で通用しないのは当然の結果だったのかもしれません。サップが来てからK-1は変わったと嘆くファンの声をよく聞きますが、このような状況を招いてしまったK-1サイドにこそ問題があるのではないでしょうか。サップに罪があるとすれば、試合中に行った数々の反則行為。それまで比較的クリーンだったK-1ですが、彼の登場以降他の選手の反則も別段珍しくなくなりました。ただそういった一連の反則行為もサップ自身の真意かどうかは分かりませんが。
 そもそも今のサップは自ら望んでリングに上がっているのか疑問です。静岡大会でのサップは試合前の映像からも明らかにモチベーションが低下していました。試合中もすがる様な視線を何度もセコンドのグレコに向けていました。サップを擁護するつもりなどはありませんが、もしかすると視聴率という鎖に繋がれたサップこそが一番の被害者なのかもしれません。
【曙】
 いわずと知れた平成の大横綱。
 ファンの間でサップと同じくらい非難を受けている曙。そもそもK-1は立ち技最強を決めるというコンセプトで作られた戦いのです。第一回大会も空手、キックボクシング、ムエタイなどで頂点を極めた八人の選手によって争われました。そういった観点から見ると相撲も立派な立ち技。曙はその頂点に立った力士、しかもその知名度は抜群で出場資格は十二分にあるといえます。
 ただ問題はその扱いではないでしょうか。デビュー戦であるダイナマイトは、ある種お祭り的な大会でもあるし、紅白や他局の格闘技番組との視聴率戦争という側面もあったのでメインという扱いも納得できるのですが、最強を決定するはずのワールドシリーズで主役を務めるというのはいかがなものでしょう。K-1では実績の無い選手が、いきなり世界大会二位の武蔵とメインで戦うという異常なマッチメイク。話題性はあるが、話題性しかないカードとなってしまいました。結局この強引な曙の持ち上げ方が、K-1にとっても曙自身にとっても不幸な結果となっている気がします。
【タイソン】
 いわずとしれたボクシング世界ヘビー級王者。
 サップ、曙と来たらタイソンを外すわけにはいきません。最初にタイソンがK-1参戦かと騒がれたのはもう3年も前の事です。「K-1グラディエイター」にてバンナとベルナルドの勝者がタイソンとの対戦権を得る・・・そんな報道が一部雑誌などで掲載されていました。この時、石井和義元館長が実際ドン・キングと接触をしたらしいですが結局頓挫します。
 その後、昨年夏のラスベガス大会にタイソンが観戦しサップが挑発したことから、再びタイソン参戦が大きく報じられました。皆さんご承知の通り未だタイソンのK-1参戦は実現していませんし、ボクシング復帰という話も大々的に報道され、これに対しK-1サイドはノーコメントです。まだ断定はできませんが、やはりタイソンのK-1参戦は難しいのではないでしょうか。ボタを初め多くのボクサーがK-1のリングで辛酸を舐めている姿を見て、頭の良いタイソンが乗り込んでくるとは思えません。これはボクシングとK-1が似て非なる競技なので当然の判断と言えます。仮にもしタイソンのK-1参戦が実現したとしても、一時的な注目は浴びるものの、結果としてK-1のその場しのぎの戦略といわざるを得ません。
【総合】
 そもそもK-1が総合と本格的に絡んだのは、右肩下がりになったK-1の現状への起爆剤として2001年に対猪木軍路線をブチ上げたのが最初です。その大会でミルコが藤田の額を割りTKO勝利し、以後K-1軍(という言い方も不自然ですが)の対総合要員の筆頭に挙げられました。その後猪木祭りで全面対抗戦を行い、PRIDEのリングにも次々とK-1選手が出場します。あくまで結果論ですが、こういったK-1の総合への絡みが、現在の総合ブームが急速に加熱した一因になっているのではないかと思います。確かにそれ以前から桜庭のグレイシー狩りやシウバ、ノゲイラの登場でファンの支持を得ていましたが、K-1と絡んだことにより一般のファン層をも獲得できたのは間違いない事実です。結局その後K-1とPRIDEは交流が途絶えてしまい、結果として名前を利用されたK-1にすれば憤懣やるかたない思いもあるでしょうが、ファンの視点からすればより多くのハイレベルな格闘技を目にする事ができたのですから結果オーライです。その後ミルコやレコ、ハントなどの流出を許してしまうのもK-1サイドの致命的なミスでした。
 今年になってROMANEXを立ち上げ総合にも手を伸ばしましたが、「最強?笑わせるな。このリングからは英雄が生まれる!」と、いきなりK-1自身をも否定するようなキャッチコピーを打ち出しました。 確かにヒョードルやノゲイラなど今をときめく総合選手が出場しない大会で「最強」を謳うのは難しい話かもしれませんが、それにしても・・・。大会もメインの試合が、せっかくの須藤やBJペンなどの活躍を台無しにする内容でした。今後も継続していくようですが、ヘビー級のトップ選手を他団体に握られている今、K-1は立ち技路線に戻った方が良いのではないでしょうか。
 いくつかのキーワードをもとに改めて現状を検証していきましたが、ではK-1がかつての面白さ、熱さを取り戻すには何が必要なのでしょうか。
 先日谷川氏も「純K-1への原点回帰」を発表しています。確かにサップ、曙は名前を出せば注目を浴びますし、視聴率も取れるでしょうが、実績を残せないままではいずれ一般の関心も薄れてしまいます。サップに関しては今後も本人に出場する意思があるのか、無いのであれば無理強いさせず、本人が希望する道へ進んでもらいたいと思います。曙はまずJAPANシリーズなどから出場し場数を踏む事が大事ではないでしょうか。こういった選手たちの価値を落としたくない、知名度の高い選手を広告塔にし大会を注目させ視聴率を稼ぎたいという主催者側の意図も分かるのですが・・・。ファンが本当に見たいのは有名タレントの顔見せ試合ではなく、実力選手の真剣勝負なのですから。
 また不明瞭な審査基準の撤廃も徹底して行ってほしいです。(こんな当たり前のことを書きたくも無いのですが。。。)
 前回のMAX決勝戦で誤審を行ったとして二名の審判員と角田氏に対して減俸処分が下されたのは記憶に新しい事例ですが、これまでも審判の不明瞭な審査基準及びジャッジに疑問の声が上がっていました。今年の静岡大会でも、周囲の「サップを勝たせよう」とする意図が見え見えの、「藤田戦でボロボロになったサップの劇的な復活劇」を演出したと言われても仕方の無い、信じられないレフェリングは目を覆いたくなる程ひどいものでした。当たり前の話ですがレフェリー及びジャッジは公平でなければいけません。格闘技における作為的なドラマなどファンは望んではいません。真剣勝負の中で生まれたドラマこそにファンは惹きつけられるのではないでしょうか。
 なんだかんだと声を大にして訴えてきましたが、(まだまだ言い足りないこともたくさんあるのですが)これもK-1を応援し続ける一ファンの声と思って読んでいただければ幸いです。MAX決勝大会前、魔裟斗はある雑誌で次のようにコメントしています。「自分のモチベーションがもつような状況が今のK-1にはない」現役王者にこれほど毒を吐かれるほど今のK-1は選手にとって魅力のないリングなのかもしれません。
かつてグレコが倒されても倒されても立ち上がり続けたような、
かつてベルナルドが敗れて悔し涙を流したような、
かつてフィリォが鼻血が出しながら悔しさの余り絶叫したような、
かつてアーツがスネが裂けながらも戦い続けたような、
かつてホーストがアクシデントで準決勝に出場できず控え室で静かに涙したような、
かつてバンナが腕を折りながらも栄光を掴もうと戦いを止めなかったような、
かつてフグが負けても負けても王者になることを諦めなかったような
 そんな魅力ある、そして権威あるK-1に戻ってほしいです。
以上長文にお付き合いいただきありがとうございました。
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