Weekly Column

Hero's Eye

PRIDE.33 “THE SECOND COMING”大会寸評

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2007.02.28
今回も高田統括本部長のヘンテコJapanese Englishで幕を開けた、PRIDEラスベガス大会。前回大会に比べて、非常に中身の濃いものとなった。各試合の寸評は以下に。
<第1試合>
○ヨアキム・ハンセン VS ジェイソン・アイルランド●
序盤は、アイルランドがローから攻込む場面も見られたが、トータルバランスに優れるヨアキムが試合を終始支配する。粘りのディフェンスを見せたアイルランドであったが、最後はスタミナ切れでサブミッションを許してしまった。ヨアキムは強引なパウンドが久しく見られていないのが気になる。

<第2試合>
●三崎和雄 VS フランク・トリッグ○
フランクのグランドコントロールが優れており、テイクダウンを許すと三崎はなす術がなかった。ウェイト差がありすぎるような気もしたが、レベルの高いグランドテクニックやあくまでもテイクダウンにこだわったフランクの作戦勝ちか。

<第3試合>
●トラビス・ビュー VS ジェームス・リー○
交通事故的なフトントネック。もう少しトラビスの動きを見てみたかったが。

<第4試合>
●アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ VS ソクジュ○
この試合、どう見ればいいのか。第3試合と同様、まさに出会い頭の交通事故という気もしないでもないが、ホジェリオをKOで倒すというのは...。計り知れないポテンシャルを持っているのかも知れない。どうであれ、次の試合が真の評価を決めるところか。対するホジェリオは今年中のミドル級タイトル挑戦というプランを見直す必要に迫られた。

<第5試合>
○桜井“マッハ”速人 VS マック・ダンジグ●
一発一発の重みが伝わってくる戦いであったが、どうにも実力差がありすぎた。マッハは途中から余裕を感じ出したのか、カウンター狙いがミエミエに。それを決めてしまうのはさすがだが、相手が弱すぎた。

<第6試合>
○セルゲイ・ハリトーノフ VS マイク・ルソー●
ハリトーノフは5ヶ月ぶりのPRIDEリング。以前のような殺気が感じられない。試合はしたからの十字でハリトーノフの勝利となったが、直後にルソーはレフェリーにクレーム。ただ、誰の目から見てもタップしており、あれはまずい。観客からは結果に対してブーイングが出ていたが、ファンの目を成長させるためにも、あのような態度は感心しない。

<第7試合>
○マウリシオ・ショーグン VS アリスター・オーフレイム●
明らかにコンディションに問題を抱えているであろうショーグンであったが、一発のパウンドで決めてしまった。ショーグンのコンディション不良という最大のチャンスを活かせなかったアリスターと、一発の小さなチャンスをものにしたショーグンの差か。ただ、この差は小さいようで非常に大きい。

<第8試合>
●五味隆典 VS ニック・ディアス○
自分のスタイルを貫けなかった五味。アメリカというステージで自分をアピールするという気持ちに完全に正気を奪われたか。打合いでKO。それが可能な相手と踏んでいたのであろうが、リーチの長さまでは計れていなかったようだ。いつもならもらわない距離でパンチをもらってしまう。蓄積されたダメージは軌道修正へのプロセスすら奪い去った。アメリカ人にとっては最高の試合だってであろう。いちばん頭を抱えたのはDSEか。

<第9試合>
●ヴァンダレイ・シウバ VS ダン・ヘンダーソン○
とうとうヴァンダレイのミドル級絶対君主制が崩壊した。ウェルター級の選手にパンチでKOされるという、信じがたい光景がアメリカで繰り広げられたのだ。ホームでの試合ということで万全の体制で臨むことができたとは言え、ダンのアスリートとしてのポテンシャルにはまさに脱帽である。さて、DSEは今後ヴァンダレイの扱いをどうしていくのか。DSEはこのPRIDE最大の功労者に対して、最高の舞台を整えるべきだ。彼がこのまま落ちていくのは見たくない。
<追記>
榊原社長によるとヴァンダレイはなんと前日まで40度の発熱があったそうです。コンディション不良でタイトルを逃すというのも実力のうちのような気もしますが、もう一度チャンスを与えるべきなのかも知れないですね。

大会総括
今回のラスベガス大会。二人のチャンピオンがアメリカ人に敗れるという、ある意味アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための大会となった。この結果をDSEはどう捕らえていくのか。アメリカ人の心を前回大会よりもつかんだことは間違いない。しかし、PRIDEの母国は日本であり、一番貢献している日本以外の国はブラジルなのだ。アメリカのマーケットという大きな獲物をつかむ取る可能性は非常に高くなったが、それと引き換えにもっと大事なものを失うことのないようにしてもらいたい。
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