この大会で最も注目すべき選手の一人として上げられるのが、秋山成勲だろう。UFC参戦後の戦績は初戦こそ僅差の判定で勝利したものの、その後3連敗中である。
敗れた相手はクリス・レーベン、マイケル・ビスピン、ビクトー・ベウフォートと名だたるファイターではあるが、どの試合もほぼ完敗といえる内容であった。そして今回本来のウェルターに階級を下げて挑む対戦相手はジェイク・シールズ。シーザー・グレイシー柔術アカデミーに属し、あのGSPとのタイトルマッチではチャンピオンを流血させあと一歩まで追い込んだ強豪である。また、秋山のキャリアにおいて初となるグレイシー一派との対戦は、UFCからの最後通告とも取れる。
秋山にとって最大のピンチと言えるこの一戦だが、面白いデータもある。秋山の日本国内での対戦成績は13戦10勝1敗2無効試合。今でも語り草となっている桜庭戦・三崎戦の2つの無効試合を除くと勝率は9割を超えるのだ。
約3年半振りとなる日本での試合、ホームでの声援を受けてかつての『魔王』復活なるか見ものである。
Hero's Eye内股の夢 -080429_全日本柔道選手権大会- |
Hero 2008.05.06 |
4月29日、同日開催となったDREAM.2@さいたまS.A.観戦前に全日本柔道選手権大会の現地取材を敢行し、自身のブログにてリアルタイム速報をアップしていたHero(ヒーロー)さん。DREAM.2の観戦を遅らせてでも、目に焼き付けたかったその大会のコラムを掲載いたします。
marc_nas
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そのとき彼は、動けなかった。いや、動かなかったのだろう。
4月29日、日本武道館。全日本柔道選手権大会。
柔道男子100kg超級五輪代表というたった一つの切符を賭けた戦いが繰り広げられた。
異様な雰囲気に包まれている中で開会式が始まる。推薦出場である前回優勝の鈴木、準優勝の石井、そして、棟田、高井が入場。それぞれが大きな拍手と声援を受けての入場する。ケガを克服した石井が結果を出すのか、国際大会で実績のある棟田が念願の五輪を決めるのか、わずかな望みを残す高井が希望をつなげるのか。それとも・・・。
そして次の選手名が告げられたとき、誰よりも大きな声援が武道館いっぱいに沸きあがった。
井上康生。
武道館に集まった人間は全員理解している。彼が優勝を逃せば、それはすなわち引退につながることを。
井上の初戦は二回戦から。相手はもちろん、伝家の宝刀である『内股』を警戒してくる。ただこれまでは、どんなに「来る、来る」と分かっていても、世界中の猛者達が彼の『内股』にひれ伏してきたのだが・・・。
試合を決めたのは『内股』ではなく、出足払いだった。有効を奪っての優勢勝ち。何度も『内股』は仕掛けた。しかし・・・。明らかに実力の劣る初戦の相手にも、『内股』は決まらなかった。
三回戦。
やはり、彼は『内股』を繰り出す。しかし、決められない。以前であれば、面白いように相手の体を空中で回転させていた必殺技。今はもう、相手の体を浮かすこともままならない。それでも彼は『内股』を仕掛け続けた。
一本!!
決まり手は『内股』!? いや、隅落としだった。内股の体勢から大内狩り気味に懐へ入り、相手の背中を畳へ落とす技だ。こうして準々決勝進出を決めた。
井上以外の強豪も、順当にベスト8へコマを進めてきていた。
そして、準々決勝。午前11時から始まった大会だが、時計はすでに16時を指していた。
井上の準々決勝の対戦相手は、彼と同じく五輪出場へ一縷の望みを残す高井洋平。30kg以上の体重差がある相手である。試合が始まると、両者とも一進一退の攻防を見せる。井上は自分が信じた技『内股』にすべてを賭けていた。五輪出場へは勝つしかない高井も、積極的に前へ出続けた。
両者譲らず、試合終了まで残り10秒。
旗判定になれば井上が若干有利かと思われたが、彼はそれでも技を仕掛けた。井上がこれまで信じ続けた技、『内股』を。残り10秒を乗り切るのではなく、多くの栄光や挫折を共に味わい続けた『内股』で、高井を仕留めることを彼は選択したのだった。
大歓声?いや、悲鳴が武道館を包む。
畳の上では、自分よりも30キロ以上重い高井に押さえ込まれている井上がいた・・・。試合終了の6分が過ぎても、押さえ込みの時間は無情にも過ぎていく。
彼は、動けなかった。いや、動かなかったのだろう。
最後まで信じ続けた『内股』が返された。
高井の肩越しに見える天井の日の丸を見つめながら、すべてが終わっていくことを感じていたのだろう。押さえ込みから25秒経過を告げるブザーが鳴り響いた。
井上康生、合わせ技一本負け。
深く長い礼から頭を上げた時、彼の顔は笑っているように見えた。武道館の三階席からもわかるほど、なんともすがすがしい笑顔だった。こうして最後の挑戦を終えた彼は、畳を降りた。
振り返ってみれば、彼ほど愛された柔道家がいただろうか。彼の持つ人柄の良さ、礼儀正しい身の振舞い、言葉遣い、ひたむきさ。ただ強いだけの男ではなかった。
栄光も挫折も両方を味わった。家族の不幸も重なった。それでも挑み続ける姿に勇気をもらった人々も多いはずだ。私もその一人である。
今後は指導者を目指すとのことだ。イギリスへのコーチ留学も視野に入れているらしい。それならば彼が育てる選手に、夢を見ずにはいられない。伝家の宝刀、『内股』の夢を。
4月29日、日本武道館。全日本柔道選手権大会。
柔道男子100kg超級五輪代表というたった一つの切符を賭けた戦いが繰り広げられた。
異様な雰囲気に包まれている中で開会式が始まる。推薦出場である前回優勝の鈴木、準優勝の石井、そして、棟田、高井が入場。それぞれが大きな拍手と声援を受けての入場する。ケガを克服した石井が結果を出すのか、国際大会で実績のある棟田が念願の五輪を決めるのか、わずかな望みを残す高井が希望をつなげるのか。それとも・・・。
そして次の選手名が告げられたとき、誰よりも大きな声援が武道館いっぱいに沸きあがった。
井上康生。
武道館に集まった人間は全員理解している。彼が優勝を逃せば、それはすなわち引退につながることを。
井上の初戦は二回戦から。相手はもちろん、伝家の宝刀である『内股』を警戒してくる。ただこれまでは、どんなに「来る、来る」と分かっていても、世界中の猛者達が彼の『内股』にひれ伏してきたのだが・・・。
試合を決めたのは『内股』ではなく、出足払いだった。有効を奪っての優勢勝ち。何度も『内股』は仕掛けた。しかし・・・。明らかに実力の劣る初戦の相手にも、『内股』は決まらなかった。
三回戦。
やはり、彼は『内股』を繰り出す。しかし、決められない。以前であれば、面白いように相手の体を空中で回転させていた必殺技。今はもう、相手の体を浮かすこともままならない。それでも彼は『内股』を仕掛け続けた。
一本!!
決まり手は『内股』!? いや、隅落としだった。内股の体勢から大内狩り気味に懐へ入り、相手の背中を畳へ落とす技だ。こうして準々決勝進出を決めた。
井上以外の強豪も、順当にベスト8へコマを進めてきていた。
そして、準々決勝。午前11時から始まった大会だが、時計はすでに16時を指していた。
井上の準々決勝の対戦相手は、彼と同じく五輪出場へ一縷の望みを残す高井洋平。30kg以上の体重差がある相手である。試合が始まると、両者とも一進一退の攻防を見せる。井上は自分が信じた技『内股』にすべてを賭けていた。五輪出場へは勝つしかない高井も、積極的に前へ出続けた。
両者譲らず、試合終了まで残り10秒。
旗判定になれば井上が若干有利かと思われたが、彼はそれでも技を仕掛けた。井上がこれまで信じ続けた技、『内股』を。残り10秒を乗り切るのではなく、多くの栄光や挫折を共に味わい続けた『内股』で、高井を仕留めることを彼は選択したのだった。
大歓声?いや、悲鳴が武道館を包む。
畳の上では、自分よりも30キロ以上重い高井に押さえ込まれている井上がいた・・・。試合終了の6分が過ぎても、押さえ込みの時間は無情にも過ぎていく。
彼は、動けなかった。いや、動かなかったのだろう。
最後まで信じ続けた『内股』が返された。
高井の肩越しに見える天井の日の丸を見つめながら、すべてが終わっていくことを感じていたのだろう。押さえ込みから25秒経過を告げるブザーが鳴り響いた。
井上康生、合わせ技一本負け。
深く長い礼から頭を上げた時、彼の顔は笑っているように見えた。武道館の三階席からもわかるほど、なんともすがすがしい笑顔だった。こうして最後の挑戦を終えた彼は、畳を降りた。
振り返ってみれば、彼ほど愛された柔道家がいただろうか。彼の持つ人柄の良さ、礼儀正しい身の振舞い、言葉遣い、ひたむきさ。ただ強いだけの男ではなかった。
栄光も挫折も両方を味わった。家族の不幸も重なった。それでも挑み続ける姿に勇気をもらった人々も多いはずだ。私もその一人である。
今後は指導者を目指すとのことだ。イギリスへのコーチ留学も視野に入れているらしい。それならば彼が育てる選手に、夢を見ずにはいられない。伝家の宝刀、『内股』の夢を。
Hero's Eye大晦日興行に抱く危機感 ~071231_Dynamite!!~ |
Hero 2008.01.08 |
12月31日の大晦日。大阪ドームへ行ってまいりました。15時のオープニング開始直前に入場。観客は6割ほどの入りといった感じでしょうか。。。スタンドの上段席は開放しておりませんでした。それでも、年に1回の大晦日興行です。盛り上がりはと言えば、、、まぁ、おとなしいこと、関西ファン。ということで、不穏なテンションのまま観戦開始。レポートです。
※なお、第1、第2試合のK-1甲子園1回戦は割愛します。1分ほど見てから、マクド食ってましたから。
※なお、第1、第2試合のK-1甲子園1回戦は割愛します。1分ほど見てから、マクド食ってましたから。
<第3試合>
●宮田和幸 × ヨアキム・ハンセン○
1Rは、互角の戦い。2R中盤のグランド攻防。上のポジションの宮田がヨアキムの足を取りにいったところをスイープされ、そのままチョークスリーパー。ヨアキムの冷静さが目立った試合。スキルの違いか。
<第4試合>
●西島洋介 × メルヴィン・マヌーフ○
スタンドの攻防では、マヌーフのパンチは西島にあたらず。さすがのディフェンス能力を見せたが、タックルは全く切れず。サイドポジションから簡単にマウントへを取られ、ガード出来ずにKO負け。限界かな、洋介山。
<第5試合>
●ミノワマン × ズール○
1R:終始逃げ回りながら、30秒に1回のペースでローを入れていくミノワマン。ラスト1分でつかまりグランドへ。バックを取られながら立ち上がったところで、背負い投げ一閃!!柔道なら一本でミノワマンの勝ちなんだけどね。
2R:2分過ぎにグランドへ。ズールにバックから打撃を入れられるミノワマンだが、ゴングに助けられる。
3R:スタミナ切れの両者。ここで体重差が如実に。グランド→パウンド→タオル。足を取れなかったミノワマン。スキルのない相手なら、この体重差でも勝負になったのかもしれないが、ズールはそれほど甘くなかったといったところか。
<第6試合>
○田村潔司 × 所英男●
田村が所をすべて受け止めた試合。田村の左ミドルは強烈。スタンド観戦の私にもバシバシ伝わってくる。グランドの攻防では田村が1枚上手か。最後はアームバーで一本。所は自分の良さが出し切れないまま終わった。試合直後にプレゼンテーターの前田日明が、田村に向かってトロフィーを投げつけたのがインパクト強すぎ。この日ここまででは一番の印象度。
<第7試合>
●HIROYA × 雄大○
試合内容はまぁ、いいでしょ。大晦日に行われる試合としては、両者とも役不足。仕方のない事だが、一観客としてはこのレベルの試合を延長まで見せられても。。。といったところ。将来有望な選手である事は確かなのだろうが、別に舞台を設けてあげればいいことではないのだろうか。大晦日にやる試合ではない。
<第8試合>
○武蔵 × ベルナール・アッカ●
退屈な試合。観客が沸くのはアッカのがむしゃらなラッシュ時のみ。それまで有効打のない武蔵だったが、3R中盤に唯一の見せ場であった左ストレート一発でKO。武蔵は一発で決めたところで面目を保ったかに見えるが、アッカの頑張りの印象のほうが高い。
<第9試合>
○ニコラス・ペタス × キム・ヨンジョン●
ペタスは綾戸智恵の生歌で入場。私の前列に座っていた女の子が、「ウエトアヤや!!」と絶叫。いや、間違ってますよ。おばちゃんやし、出て来たの。なんとなくこの試合、それで満足。
1R:巨神兵のようなキム・ヨンジュンにセオリー通りにローをイン・アウト共に入れていくペタス。終了間際にダウンを奪う。
2R:ひたすらローをもらったキムは戦意喪失状態でパンチをもらう。爽快なKO劇。ここまでのMVPはペタスか。
<第10試合>
○魔裟斗 × チェ・ヨンス●
ある意味、一番注目していた試合。チェ・ヨンスと言えば、畑山と激闘を繰り広げたボクシングの元世界チャンピオンである。むちゃくちゃ強かった記憶しかないのだ。
1R:パンチだけかと思っていたヨンスが、キックを見せる。しかも、トリッキーなものも混ぜ合わせて。。。まさに付け焼き刃。かなりがっかりしたのは、言うまでもない。冷静な魔裟斗は追いつめてから、左ハイ一発でダウンを奪う。
2R:キックは見せなくなったヨンス。魔裟斗は、様々な攻撃バリエーションを見せてヨンスを圧倒。
3R:ヨンスは、バックハンドブロー。。。さらにがっかりさせてくれる。蓄積されたローのダメージが如実に表れてくる。魔裟斗のラッシュに、ヨンス陣営からタオル。懸命な判断だろう。実力差をまざまざと見せつけた魔裟斗の完勝。
<第11試合>
○ボブ・サップ × ボビー・オロゴン●
オフコースの「さよなら」で登場のボビー。笑える登場に期待も膨らむが。
1R:序盤はお互いに慎重な立ち上がり。ボビーを捕まえようとするサップ。何度か逃げるがいかんせん体重差が。簡単につぶされてマウント→V1アームロック→パウンド→KO。まぁ、しゃあない。
<第12試合>
○山本“KID”徳郁 × ハニ・ヤヒーラ●
ヤヒーラは計量オーバー(なんと1.2キロも!!)のため、減点1からスタート。
1R:終始スタンドの攻防。終了間際にヤヒーラがグランドへ持ち込むが、ほどなくして終了。スタンドでもほぼ互角の打ち合いを見せる両者。
2R:KIDの打撃が的確にヤヒーラにヒットしていく。3分を過ぎたところで、連打でヤヒーラをダウンさせる。グランド状態のヤヒーラに蹴りを入れたところで、レフェリーストップ。ダウンを奪ったパンチの連打で勝負ありにも見えたが、その後のサッカーボールキックのようなダメ押しは、反則行為にも見えた。。。
<第13試合>
○桜庭和志 × 船木誠勝●
まず、船木の入場。あのマスクは笑ってしまったのだが。。。TVではどのように映っていたのだろうか。ただ、先ほど綾戸智恵をウエトアヤと叫んでいた女の子が、「船木ぃ〜!!おかえりぃ〜!!」と叫んでいた。なんか、悪い気はしない。続いて桜庭の入場!!の、前にと、会場のオーロラビジョンに、桜庭の姿と、帰ってきたウルトラマンのテーマ。なんとなくPRIDEっぽい演出の煽りVだが、クオリティーは・・・。早く試合を見せてくれと思ったのは、私だけではないはずだ。二人がリングの上で対峙しているをこの目で見る事ができるとは、感慨深くもあるのだが。
船木はスイッチしながら、桜庭はサウスポースタイルで牽制しあうが、片足タックルから桜庭がグランドを奪う。ここからのグランド攻防では両者ともうまさを見せる。立ち上がった桜庭はジャンピングでのパスガードを狙えば、観客は鋭く反応し沸き上がる。なかなかいい空気だ。
しばらくの猪木アリ状態であったが、ここで桜庭があっけなくサイドポジションを奪う。本当にあっけなく。そこから簡単に腕を取り、瞬く間にアームロックの体勢に。拍子抜けするほどの結末だったが、これは船木の試合勘が鈍っていたのが原因だろうか。昨年の悪夢が嘘のような、桜庭の完勝で幕を閉じたのであった。
●宮田和幸 × ヨアキム・ハンセン○
1Rは、互角の戦い。2R中盤のグランド攻防。上のポジションの宮田がヨアキムの足を取りにいったところをスイープされ、そのままチョークスリーパー。ヨアキムの冷静さが目立った試合。スキルの違いか。
<第4試合>
●西島洋介 × メルヴィン・マヌーフ○
スタンドの攻防では、マヌーフのパンチは西島にあたらず。さすがのディフェンス能力を見せたが、タックルは全く切れず。サイドポジションから簡単にマウントへを取られ、ガード出来ずにKO負け。限界かな、洋介山。
<第5試合>
●ミノワマン × ズール○
1R:終始逃げ回りながら、30秒に1回のペースでローを入れていくミノワマン。ラスト1分でつかまりグランドへ。バックを取られながら立ち上がったところで、背負い投げ一閃!!柔道なら一本でミノワマンの勝ちなんだけどね。
2R:2分過ぎにグランドへ。ズールにバックから打撃を入れられるミノワマンだが、ゴングに助けられる。
3R:スタミナ切れの両者。ここで体重差が如実に。グランド→パウンド→タオル。足を取れなかったミノワマン。スキルのない相手なら、この体重差でも勝負になったのかもしれないが、ズールはそれほど甘くなかったといったところか。
<第6試合>
○田村潔司 × 所英男●
田村が所をすべて受け止めた試合。田村の左ミドルは強烈。スタンド観戦の私にもバシバシ伝わってくる。グランドの攻防では田村が1枚上手か。最後はアームバーで一本。所は自分の良さが出し切れないまま終わった。試合直後にプレゼンテーターの前田日明が、田村に向かってトロフィーを投げつけたのがインパクト強すぎ。この日ここまででは一番の印象度。
<第7試合>
●HIROYA × 雄大○
試合内容はまぁ、いいでしょ。大晦日に行われる試合としては、両者とも役不足。仕方のない事だが、一観客としてはこのレベルの試合を延長まで見せられても。。。といったところ。将来有望な選手である事は確かなのだろうが、別に舞台を設けてあげればいいことではないのだろうか。大晦日にやる試合ではない。
<第8試合>
○武蔵 × ベルナール・アッカ●
退屈な試合。観客が沸くのはアッカのがむしゃらなラッシュ時のみ。それまで有効打のない武蔵だったが、3R中盤に唯一の見せ場であった左ストレート一発でKO。武蔵は一発で決めたところで面目を保ったかに見えるが、アッカの頑張りの印象のほうが高い。
<第9試合>
○ニコラス・ペタス × キム・ヨンジョン●
ペタスは綾戸智恵の生歌で入場。私の前列に座っていた女の子が、「ウエトアヤや!!」と絶叫。いや、間違ってますよ。おばちゃんやし、出て来たの。なんとなくこの試合、それで満足。
1R:巨神兵のようなキム・ヨンジュンにセオリー通りにローをイン・アウト共に入れていくペタス。終了間際にダウンを奪う。
2R:ひたすらローをもらったキムは戦意喪失状態でパンチをもらう。爽快なKO劇。ここまでのMVPはペタスか。
<第10試合>
○魔裟斗 × チェ・ヨンス●
ある意味、一番注目していた試合。チェ・ヨンスと言えば、畑山と激闘を繰り広げたボクシングの元世界チャンピオンである。むちゃくちゃ強かった記憶しかないのだ。
1R:パンチだけかと思っていたヨンスが、キックを見せる。しかも、トリッキーなものも混ぜ合わせて。。。まさに付け焼き刃。かなりがっかりしたのは、言うまでもない。冷静な魔裟斗は追いつめてから、左ハイ一発でダウンを奪う。
2R:キックは見せなくなったヨンス。魔裟斗は、様々な攻撃バリエーションを見せてヨンスを圧倒。
3R:ヨンスは、バックハンドブロー。。。さらにがっかりさせてくれる。蓄積されたローのダメージが如実に表れてくる。魔裟斗のラッシュに、ヨンス陣営からタオル。懸命な判断だろう。実力差をまざまざと見せつけた魔裟斗の完勝。
<第11試合>
○ボブ・サップ × ボビー・オロゴン●
オフコースの「さよなら」で登場のボビー。笑える登場に期待も膨らむが。
1R:序盤はお互いに慎重な立ち上がり。ボビーを捕まえようとするサップ。何度か逃げるがいかんせん体重差が。簡単につぶされてマウント→V1アームロック→パウンド→KO。まぁ、しゃあない。
<第12試合>
○山本“KID”徳郁 × ハニ・ヤヒーラ●
ヤヒーラは計量オーバー(なんと1.2キロも!!)のため、減点1からスタート。
1R:終始スタンドの攻防。終了間際にヤヒーラがグランドへ持ち込むが、ほどなくして終了。スタンドでもほぼ互角の打ち合いを見せる両者。
2R:KIDの打撃が的確にヤヒーラにヒットしていく。3分を過ぎたところで、連打でヤヒーラをダウンさせる。グランド状態のヤヒーラに蹴りを入れたところで、レフェリーストップ。ダウンを奪ったパンチの連打で勝負ありにも見えたが、その後のサッカーボールキックのようなダメ押しは、反則行為にも見えた。。。
<第13試合>
○桜庭和志 × 船木誠勝●
まず、船木の入場。あのマスクは笑ってしまったのだが。。。TVではどのように映っていたのだろうか。ただ、先ほど綾戸智恵をウエトアヤと叫んでいた女の子が、「船木ぃ〜!!おかえりぃ〜!!」と叫んでいた。なんか、悪い気はしない。続いて桜庭の入場!!の、前にと、会場のオーロラビジョンに、桜庭の姿と、帰ってきたウルトラマンのテーマ。なんとなくPRIDEっぽい演出の煽りVだが、クオリティーは・・・。早く試合を見せてくれと思ったのは、私だけではないはずだ。二人がリングの上で対峙しているをこの目で見る事ができるとは、感慨深くもあるのだが。
船木はスイッチしながら、桜庭はサウスポースタイルで牽制しあうが、片足タックルから桜庭がグランドを奪う。ここからのグランド攻防では両者ともうまさを見せる。立ち上がった桜庭はジャンピングでのパスガードを狙えば、観客は鋭く反応し沸き上がる。なかなかいい空気だ。
しばらくの猪木アリ状態であったが、ここで桜庭があっけなくサイドポジションを奪う。本当にあっけなく。そこから簡単に腕を取り、瞬く間にアームロックの体勢に。拍子抜けするほどの結末だったが、これは船木の試合勘が鈍っていたのが原因だろうか。昨年の悪夢が嘘のような、桜庭の完勝で幕を閉じたのであった。
<大会総括>
15時にオープニングが始まり、イベント終了が21時。オープニング前にリザーブファイトもあったので、6時間を軽く超える長時間興行でしたが、不思議と時間は早く過ぎていったように思えました。判定がほとんどなかったことが原因でしょうね。
退屈と思える試合は、K-1甲子園の試合と武蔵×アッカ戦ぐらいでしょうか。武蔵の試合クオリティーが高校生と同レベルとは思いませんが、実際に退屈だったのだから仕方がない。 さて、大阪ドームの盛り上がりはPRIDEのそれとは比べものにならないのですが、なんとか来年も大阪での興行を続けてもらいたいものです。ただ、帰宅後に時間差観戦した「やれんのか」の熱狂ぶりを見ると、関西在住者として寂しい気持ちになったのと同時に、来年以降の関西での大晦日興行に危機感を抱かざるを得ません。関西の格闘技熱をどげんかせんといかん!!と思う年の瀬でした。
15時にオープニングが始まり、イベント終了が21時。オープニング前にリザーブファイトもあったので、6時間を軽く超える長時間興行でしたが、不思議と時間は早く過ぎていったように思えました。判定がほとんどなかったことが原因でしょうね。
退屈と思える試合は、K-1甲子園の試合と武蔵×アッカ戦ぐらいでしょうか。武蔵の試合クオリティーが高校生と同レベルとは思いませんが、実際に退屈だったのだから仕方がない。 さて、大阪ドームの盛り上がりはPRIDEのそれとは比べものにならないのですが、なんとか来年も大阪での興行を続けてもらいたいものです。ただ、帰宅後に時間差観戦した「やれんのか」の熱狂ぶりを見ると、関西在住者として寂しい気持ちになったのと同時に、来年以降の関西での大晦日興行に危機感を抱かざるを得ません。関西の格闘技熱をどげんかせんといかん!!と思う年の瀬でした。
Hero's Eye世界との差を、そして今後を ~070914_世界柔道~ |
Hero 2007.10.15 |
■いよいよ開幕です
いや〜、まいったね。なにがまいったって、いよいよ明日から世界柔道が始まるんですよ。
北京オリンピック前年のこの大会、日本柔道界にとっては非常に重要なものになります。というのも、2003年の大阪大会で大活躍した日本勢が、勢いをそのまま翌年のアテネ五輪で爆発させたのは記憶に新しいところですからね。
今回の大会、谷や井上の復活が注目されているようですが、私は個人的に男子の軽中量級に注目しています。秋本選手や金丸選手に是非結果を出していただきたい。大きな大会ではメダルから遠ざかっている階級ですからね。
さて、初日に出場する日本人選手ですが、
男子100kg級:鈴木桂治 選手
男子100kg超級:井上康生 選手
女子78kg級:中澤さえ 選手
女子78kg超級:塚田真希 選手
初日からなんと五輪金メダリストが3名も登場します。スタートダッシュに期待しましょう。
いや〜、まいったね。なにがまいったって、いよいよ明日から世界柔道が始まるんですよ。
北京オリンピック前年のこの大会、日本柔道界にとっては非常に重要なものになります。というのも、2003年の大阪大会で大活躍した日本勢が、勢いをそのまま翌年のアテネ五輪で爆発させたのは記憶に新しいところですからね。
今回の大会、谷や井上の復活が注目されているようですが、私は個人的に男子の軽中量級に注目しています。秋本選手や金丸選手に是非結果を出していただきたい。大きな大会ではメダルから遠ざかっている階級ですからね。
さて、初日に出場する日本人選手ですが、
男子100kg級:鈴木桂治 選手
男子100kg超級:井上康生 選手
女子78kg級:中澤さえ 選手
女子78kg超級:塚田真希 選手
初日からなんと五輪金メダリストが3名も登場します。スタートダッシュに期待しましょう。
■悔しく残念な初日
いや、まいったね。柔道のジャッジ問題は今に始まった事じゃないですが、こういう大きな大会で同じ事が繰り返されてしまうのは、本当にやりきれないですよ。
会場も主審も、誰もが『鈴木の一本勝ち』と思っていたのですがね。北京へ向けて気持ちを盛り返していくのは、容易ではないでしょう。
一方の井上、厳しくなりましたね。2回戦で破れたリネールは18歳でした。井上は29歳、北京の時点では30歳になっているわけです。100kg超級という階級で、この年齢で。北京で有終を飾るには、想像を絶するような日々を過ごす必要がありそうです。それに耐えれるのでしょうか。
女子は中澤、塚田ともに前回大会と同じく決勝で、しかも同じ相手に破れました。んー、安定していると言えばそれまでですが、さらに対策が必要とも言えるでしょう。
初日は女子は悔しく、男子は残念な結果に終わってしまいましたが、2日目の出場選手
男子81kg級:塘内将彦 選手
男子90kg級:泉浩 選手
女子63kg級:谷本歩実 選手
女子70kg超級:岡明日香 選手
泉と谷本のメダリストに期待しましょう。
いや、まいったね。柔道のジャッジ問題は今に始まった事じゃないですが、こういう大きな大会で同じ事が繰り返されてしまうのは、本当にやりきれないですよ。
会場も主審も、誰もが『鈴木の一本勝ち』と思っていたのですがね。北京へ向けて気持ちを盛り返していくのは、容易ではないでしょう。
一方の井上、厳しくなりましたね。2回戦で破れたリネールは18歳でした。井上は29歳、北京の時点では30歳になっているわけです。100kg超級という階級で、この年齢で。北京で有終を飾るには、想像を絶するような日々を過ごす必要がありそうです。それに耐えれるのでしょうか。
女子は中澤、塚田ともに前回大会と同じく決勝で、しかも同じ相手に破れました。んー、安定していると言えばそれまでですが、さらに対策が必要とも言えるでしょう。
初日は女子は悔しく、男子は残念な結果に終わってしまいましたが、2日目の出場選手
男子81kg級:塘内将彦 選手
男子90kg級:泉浩 選手
女子63kg級:谷本歩実 選手
女子70kg超級:岡明日香 選手
泉と谷本のメダリストに期待しましょう。
■今後を考えさせられた二日目
いや〜、まいったね。二日目を終わっても、男子はメダルなしですよ。
泉は先輩二人が疑惑の判定で破れたショックを引きずっているように思えました。日本が不利を受けているという気持ちが、戦う前からあったのではないでしょうかね。 確かに、日本人からすれば今回のジャッジングには『?』マークなんですが、それを戦った本人がエクスキューズのように使うのも、ボクからすると『?』マークなんです。嘘でもいいから、審判のせいにはしてほしくないなと。いや、選手は本当にやりきれない気持ちからそういう言葉がでるんでしょうけどね。
ただ、この審判の質は、来年の北京でも変わらないと思います。国際柔道連盟内ではすでに、日本人の発言権はないわけですから。となると、このレベルの審判であっても勝つ柔道をする必要があります。ポイントを稼ぐ柔道をするのか、はたまた、一本を取る技にさらに磨きをかけるのに加えて、その決めの甘さを解消するのか。まぁ、日本柔道が選択するのは後者しかないでしょうが。
女子は二日連続でメダル獲得です。谷本は相当悔しかったみたいですが、よくがんばって銅メダルをとったと思いますよ。決勝戦に進出すれば負けても貰える銀メダルよりも、一度負けてからでも気持ちを途切らせないで、最後は勝たないと貰えない銅メダルのほうが価値があると個人的には思うので。
さて、明日はボクが個人的に注目している、秋本、金丸の両選手が出場してきます。この階級でメダルが欲しいですね、男子は。
男子66kg級:秋本啓之 選手
男子73kg級:金丸雄介 選手
女子52kg級:西田優香 選手
女子57kg級:佐藤愛子 選手
会場は日系人が多いブラジルということもあってか、日本人に対してとても温かいように感じます。その声に応えてこそ、日本柔道だよ。がんばれ、ニッポン!!
いや〜、まいったね。二日目を終わっても、男子はメダルなしですよ。
泉は先輩二人が疑惑の判定で破れたショックを引きずっているように思えました。日本が不利を受けているという気持ちが、戦う前からあったのではないでしょうかね。 確かに、日本人からすれば今回のジャッジングには『?』マークなんですが、それを戦った本人がエクスキューズのように使うのも、ボクからすると『?』マークなんです。嘘でもいいから、審判のせいにはしてほしくないなと。いや、選手は本当にやりきれない気持ちからそういう言葉がでるんでしょうけどね。
ただ、この審判の質は、来年の北京でも変わらないと思います。国際柔道連盟内ではすでに、日本人の発言権はないわけですから。となると、このレベルの審判であっても勝つ柔道をする必要があります。ポイントを稼ぐ柔道をするのか、はたまた、一本を取る技にさらに磨きをかけるのに加えて、その決めの甘さを解消するのか。まぁ、日本柔道が選択するのは後者しかないでしょうが。
女子は二日連続でメダル獲得です。谷本は相当悔しかったみたいですが、よくがんばって銅メダルをとったと思いますよ。決勝戦に進出すれば負けても貰える銀メダルよりも、一度負けてからでも気持ちを途切らせないで、最後は勝たないと貰えない銅メダルのほうが価値があると個人的には思うので。
さて、明日はボクが個人的に注目している、秋本、金丸の両選手が出場してきます。この階級でメダルが欲しいですね、男子は。
男子66kg級:秋本啓之 選手
男子73kg級:金丸雄介 選手
女子52kg級:西田優香 選手
女子57kg級:佐藤愛子 選手
会場は日系人が多いブラジルということもあってか、日本人に対してとても温かいように感じます。その声に応えてこそ、日本柔道だよ。がんばれ、ニッポン!!
■世界との差を感じた三日目
ん〜〜〜、まいったね。
一番期待していた秋本選手。残念ながら、4回戦敗退。スタミナ切れですかね。試合中盤からは前に出れなくなってましたね。直前にケガがありましたが、その影響で体力面の強化が足りなかったのかもですな。今後の課題でしょう。まだ21歳ですからね、いい経験になったと思います。
その他の3名はみんな揃って銅メダル獲得。金丸選手は、今回の男子メダル第一号となりました。あまりそういうプレッシャーはなかったでしょうけどね。ただ、やっぱりこの階級は世界との差を感じます。厳しいだろうなぁ、北京も。
それにしても、ケースンヒ。強い、強すぎるよ、インチキでしょぉ〜。ありゃ、勝てん。盤石だわ。
で、明日はもう最終日です。
男子63kg級:江種辰明 選手
男子無差別級:棟田康幸 選手
女子48kg級:谷亮子 選手
女子無差別級:塚田真希 選手
はい、注目はYAWARAママなんでしょうけど、棟田選手に期待しましょう。男子で金メダルゼロはきついで、ホンマ。棟田よ、優勝して北京の100kg超級代表争いの主役になったれ!!
ん〜〜〜、まいったね。
一番期待していた秋本選手。残念ながら、4回戦敗退。スタミナ切れですかね。試合中盤からは前に出れなくなってましたね。直前にケガがありましたが、その影響で体力面の強化が足りなかったのかもですな。今後の課題でしょう。まだ21歳ですからね、いい経験になったと思います。
その他の3名はみんな揃って銅メダル獲得。金丸選手は、今回の男子メダル第一号となりました。あまりそういうプレッシャーはなかったでしょうけどね。ただ、やっぱりこの階級は世界との差を感じます。厳しいだろうなぁ、北京も。
それにしても、ケースンヒ。強い、強すぎるよ、インチキでしょぉ〜。ありゃ、勝てん。盤石だわ。
で、明日はもう最終日です。
男子63kg級:江種辰明 選手
男子無差別級:棟田康幸 選手
女子48kg級:谷亮子 選手
女子無差別級:塚田真希 選手
はい、注目はYAWARAママなんでしょうけど、棟田選手に期待しましょう。男子で金メダルゼロはきついで、ホンマ。棟田よ、優勝して北京の100kg超級代表争いの主役になったれ!!
■超人を感じた最終日
いや、まいったね。地上波のテレビ中継。
棟田や塚田の試合放映が決勝戦だけってどういうこと?と、言いたいところですが、いや、それは谷さんに失礼ってもんですな。それぐらいの試合でした。何試合も延長戦となりましたが、彼女の試合には、これまでの男女の階級で感じていたヒヤヒヤ感がない。なんなんでしょうかね。試合を観ていて、『やられる!!』と思うところが皆無なんです。もう、名人、いや、達人、いやはや、超人ですわ。尊敬という言葉以外見つからないです。
また、棟田選手。おめでとうございます!!無差別級はオリンピックでは実施されない階級なので、各国の一線級は出場していないということはあるのかもしれませんが、それでも日本国内では、五輪重量級代表の最右翼となったと言っていいでしょう。これで来年の全日本選手権がさらに楽しみになりました。
さて、今回は日本にとっては厳しい大会となってしまいました。もちろん、審判団のスキルや、ルール解釈の違いなどの問題がありましたが、それが世界の舞台で実施されているJUDOなわけです。世界選手権や、オリンピックに出場する以上、そこに対応していくしかないんです。
アテネでの成功で手に入れた最高の土地。そこの住人たちは、その土地の外側へ目を向ける事に対して、少々怠慢だったのかも知れないですね。世界は、強烈なスピードで変化していっています。気がついた時には外側での発言権も失い、時代の流れに取り残されていた。。。といった感じでしょうか、今回の世界柔道は。
ただ、日本柔道は何回もこんな苦境を乗り越えてきました。次のオリンピックまでにはもう1年ありませんが、今回の結果に対する総括をまとめ、総力を挙げて対策に取り組んでいただきたいですね。谷や棟田が金メダル取ったから、よかったよかったで済ませたら絶対ダメですよ!!!
頑張れ、ニッポンJUDO!!
いや、まいったね。地上波のテレビ中継。
棟田や塚田の試合放映が決勝戦だけってどういうこと?と、言いたいところですが、いや、それは谷さんに失礼ってもんですな。それぐらいの試合でした。何試合も延長戦となりましたが、彼女の試合には、これまでの男女の階級で感じていたヒヤヒヤ感がない。なんなんでしょうかね。試合を観ていて、『やられる!!』と思うところが皆無なんです。もう、名人、いや、達人、いやはや、超人ですわ。尊敬という言葉以外見つからないです。
また、棟田選手。おめでとうございます!!無差別級はオリンピックでは実施されない階級なので、各国の一線級は出場していないということはあるのかもしれませんが、それでも日本国内では、五輪重量級代表の最右翼となったと言っていいでしょう。これで来年の全日本選手権がさらに楽しみになりました。
さて、今回は日本にとっては厳しい大会となってしまいました。もちろん、審判団のスキルや、ルール解釈の違いなどの問題がありましたが、それが世界の舞台で実施されているJUDOなわけです。世界選手権や、オリンピックに出場する以上、そこに対応していくしかないんです。
アテネでの成功で手に入れた最高の土地。そこの住人たちは、その土地の外側へ目を向ける事に対して、少々怠慢だったのかも知れないですね。世界は、強烈なスピードで変化していっています。気がついた時には外側での発言権も失い、時代の流れに取り残されていた。。。といった感じでしょうか、今回の世界柔道は。
ただ、日本柔道は何回もこんな苦境を乗り越えてきました。次のオリンピックまでにはもう1年ありませんが、今回の結果に対する総括をまとめ、総力を挙げて対策に取り組んでいただきたいですね。谷や棟田が金メダル取ったから、よかったよかったで済ませたら絶対ダメですよ!!!
頑張れ、ニッポンJUDO!!
Hero's Eye代表選考に疑問符 ~070429_全日本柔道選手権~ |
Hero 2007.05.31 |
Heroのブログにて掲載されていた全日本柔道選手権についての寸評を、せっかくなので格信犯ウェブの方に転載いたします。
もう1ヶ月経過してしまいましたが、4月の終わりの全日本柔道選手権について。
実は、武道館まで行くつもりでいたんですが、事情があってTV観戦。
世間の注目は、井上康生選手の復活に集中していたような気がしていましたが、ボクは昨年のチャンピオンである石井慧選手がどんな戦いを見せるのかというものでした。しかも、今回は世界選手権重量クラスの最終代表選考会も兼ねていましたので、非常に興味深いものとなりました。
結果から言うと、石井選手は準決勝で井上選手を破り、2年連続で決勝に進出。この試合では石井選手の取り口には賛否両論があるようですね。組まれたら先に仕掛けないと、井上選手の内股が飛んでくるわけですから、現実的な作戦でしょうね。むしろ、万全の井上選手なら石井選手よりも先に動いていたのではないでしょうか。(この時点で、井上選手の世界選手権は消えたと思っていました、ボクは)
決勝は昨年と同じ相手であるアテネオリンピックの金メダリスト鈴木桂治選手に残念ながら判定負けとなりました。
決勝は昨年と同じ相手であるアテネオリンピックの金メダリスト鈴木桂治選手に残念ながら判定負けとなりました。
この戦いぶりいかがでしょうか。いろんな意見があるようですが、ボクは石井選手は本当によくやったと思います。今回の大会は、故障明けのためぶっつけで望んだ大会です。この全日本選手権は、どんな世界大会よりも勝ち抜くのがむずかしいのではとも言われている大会です。それでもディフェンディングチャンピオンとしての重圧に耐え、学生ながら2年連続の決勝進出は、ある意味快挙じゃないですかね。
ちなみに、彼は鈴木選手と同じ100キロ級の選手です。そのため、世界選手権の100キロ級代表は鈴木選手となりました。これは当然、納得。しかし、100キロ超級、無差別級のいずれかの代表となるのが井上選手ということも決まりました。しかもその補欠が今回のベスト8で敗退した棟田選手、高井選手。いずれも100キロ超級の選手ではありますが、どうなんでしょう、これ。同じようなことが、女子にもありましたしね。(全日本体重別選手権48キロ級で準優勝に終わった谷亮子選手が、世界選手権代表に選出)
確かに、これまでの経験や実績を考慮すればで井上選手や棟田選手を代表にするのはベターな選択かもしれません。
しかし、彼らは北京が最後のオリンピックとなるでしょう。それに対して石井選手はまだ20歳です。いまから国際経験を積ませることが、必ず将来の活躍につながると思うのですがね。鈴木選手は、2003年の全日本選手権で当時同じ100キロ級の選手であった井上選手に敗れましたが、同年の世界選手権無差別級代表となりました。そこで彼は経験を積み(大会では優勝)、オリンピック金メダリストにもなりました。その後の活躍は周知の通りです。
北京以降の日本柔道を牽引していくであろう石井選手。彼に必要なのは国際経験だと思うんです。昨年の全日本選手権で優勝した後に出場したアジア選手権では準優勝に終わってしまいました。経験が乏しいのですから、仕方なかったのでしょう。それゆえ、国内で結果を残しているにもかかわらず、世界選手権レベルでの試合ができないのはいかがなものかと。アジア大会やフランス国際では得られない経験が世界選手権にはあると思うんです。
目先の結果にだけこだわっているという訳ではないのでしょうが、北京オリンピック以降の日本柔道が心配です。