Weekly Column

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世界との差を、そして今後を ~070914_世界柔道~

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2007.10.15
■いよいよ開幕です

いや〜、まいったね。なにがまいったって、いよいよ明日から世界柔道が始まるんですよ。

北京オリンピック前年のこの大会、日本柔道界にとっては非常に重要なものになります。というのも、2003年の大阪大会で大活躍した日本勢が、勢いをそのまま翌年のアテネ五輪で爆発させたのは記憶に新しいところですからね。

今回の大会、谷や井上の復活が注目されているようですが、私は個人的に男子の軽中量級に注目しています。秋本選手や金丸選手に是非結果を出していただきたい。大きな大会ではメダルから遠ざかっている階級ですからね。

さて、初日に出場する日本人選手ですが、

男子100kg級:鈴木桂治 選手
男子100kg超級:井上康生 選手
女子78kg級:中澤さえ 選手
女子78kg超級:塚田真希 選手

初日からなんと五輪金メダリストが3名も登場します。スタートダッシュに期待しましょう。
■悔しく残念な初日

いや、まいったね。柔道のジャッジ問題は今に始まった事じゃないですが、こういう大きな大会で同じ事が繰り返されてしまうのは、本当にやりきれないですよ。

会場も主審も、誰もが『鈴木の一本勝ち』と思っていたのですがね。北京へ向けて気持ちを盛り返していくのは、容易ではないでしょう。

一方の井上、厳しくなりましたね。2回戦で破れたリネールは18歳でした。井上は29歳、北京の時点では30歳になっているわけです。100kg超級という階級で、この年齢で。北京で有終を飾るには、想像を絶するような日々を過ごす必要がありそうです。それに耐えれるのでしょうか。

女子は中澤、塚田ともに前回大会と同じく決勝で、しかも同じ相手に破れました。んー、安定していると言えばそれまでですが、さらに対策が必要とも言えるでしょう。

初日は女子は悔しく、男子は残念な結果に終わってしまいましたが、2日目の出場選手

男子81kg級:塘内将彦 選手
男子90kg級:泉浩 選手
女子63kg級:谷本歩実 選手
女子70kg超級:岡明日香 選手

泉と谷本のメダリストに期待しましょう。
■今後を考えさせられた二日目

いや〜、まいったね。二日目を終わっても、男子はメダルなしですよ。

泉は先輩二人が疑惑の判定で破れたショックを引きずっているように思えました。日本が不利を受けているという気持ちが、戦う前からあったのではないでしょうかね。 確かに、日本人からすれば今回のジャッジングには『?』マークなんですが、それを戦った本人がエクスキューズのように使うのも、ボクからすると『?』マークなんです。嘘でもいいから、審判のせいにはしてほしくないなと。いや、選手は本当にやりきれない気持ちからそういう言葉がでるんでしょうけどね。

ただ、この審判の質は、来年の北京でも変わらないと思います。国際柔道連盟内ではすでに、日本人の発言権はないわけですから。となると、このレベルの審判であっても勝つ柔道をする必要があります。ポイントを稼ぐ柔道をするのか、はたまた、一本を取る技にさらに磨きをかけるのに加えて、その決めの甘さを解消するのか。まぁ、日本柔道が選択するのは後者しかないでしょうが。

女子は二日連続でメダル獲得です。谷本は相当悔しかったみたいですが、よくがんばって銅メダルをとったと思いますよ。決勝戦に進出すれば負けても貰える銀メダルよりも、一度負けてからでも気持ちを途切らせないで、最後は勝たないと貰えない銅メダルのほうが価値があると個人的には思うので。

さて、明日はボクが個人的に注目している、秋本、金丸の両選手が出場してきます。この階級でメダルが欲しいですね、男子は。

男子66kg級:秋本啓之 選手
男子73kg級:金丸雄介 選手
女子52kg級:西田優香 選手
女子57kg級:佐藤愛子 選手

会場は日系人が多いブラジルということもあってか、日本人に対してとても温かいように感じます。その声に応えてこそ、日本柔道だよ。がんばれ、ニッポン!!
■世界との差を感じた三日目

ん〜〜〜、まいったね。

一番期待していた秋本選手。残念ながら、4回戦敗退。スタミナ切れですかね。試合中盤からは前に出れなくなってましたね。直前にケガがありましたが、その影響で体力面の強化が足りなかったのかもですな。今後の課題でしょう。まだ21歳ですからね、いい経験になったと思います。

その他の3名はみんな揃って銅メダル獲得。金丸選手は、今回の男子メダル第一号となりました。あまりそういうプレッシャーはなかったでしょうけどね。ただ、やっぱりこの階級は世界との差を感じます。厳しいだろうなぁ、北京も。

それにしても、ケースンヒ。強い、強すぎるよ、インチキでしょぉ〜。ありゃ、勝てん。盤石だわ。

で、明日はもう最終日です。

男子63kg級:江種辰明 選手
男子無差別級:棟田康幸 選手
女子48kg級:谷亮子 選手
女子無差別級:塚田真希 選手

はい、注目はYAWARAママなんでしょうけど、棟田選手に期待しましょう。男子で金メダルゼロはきついで、ホンマ。棟田よ、優勝して北京の100kg超級代表争いの主役になったれ!!
■超人を感じた最終日

いや、まいったね。地上波のテレビ中継。

棟田や塚田の試合放映が決勝戦だけってどういうこと?と、言いたいところですが、いや、それは谷さんに失礼ってもんですな。それぐらいの試合でした。何試合も延長戦となりましたが、彼女の試合には、これまでの男女の階級で感じていたヒヤヒヤ感がない。なんなんでしょうかね。試合を観ていて、『やられる!!』と思うところが皆無なんです。もう、名人、いや、達人、いやはや、超人ですわ。尊敬という言葉以外見つからないです。

また、棟田選手。おめでとうございます!!無差別級はオリンピックでは実施されない階級なので、各国の一線級は出場していないということはあるのかもしれませんが、それでも日本国内では、五輪重量級代表の最右翼となったと言っていいでしょう。これで来年の全日本選手権がさらに楽しみになりました。

さて、今回は日本にとっては厳しい大会となってしまいました。もちろん、審判団のスキルや、ルール解釈の違いなどの問題がありましたが、それが世界の舞台で実施されているJUDOなわけです。世界選手権や、オリンピックに出場する以上、そこに対応していくしかないんです。

アテネでの成功で手に入れた最高の土地。そこの住人たちは、その土地の外側へ目を向ける事に対して、少々怠慢だったのかも知れないですね。世界は、強烈なスピードで変化していっています。気がついた時には外側での発言権も失い、時代の流れに取り残されていた。。。といった感じでしょうか、今回の世界柔道は。

ただ、日本柔道は何回もこんな苦境を乗り越えてきました。次のオリンピックまでにはもう1年ありませんが、今回の結果に対する総括をまとめ、総力を挙げて対策に取り組んでいただきたいですね。谷や棟田が金メダル取ったから、よかったよかったで済ませたら絶対ダメですよ!!!

頑張れ、ニッポンJUDO!!
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