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ver.23.0 失態の重責を糧に変えて ~061231_秋山×桜庭~

marc_nas
2007.01.13
 私はコラム執筆の際、昔は感情の赴くままに書き殴ったが、最近は偏った意見にならぬように客観的に、怒り・哀しみがあったとしてもなるべく冷静に、これを心掛けている。かといって、誰かの目を気にして媚びるわけではなく、自らのカラーと主たるコンセプトは歪めてはいないつもりである。
 1月5日にアップした「ver.22.0 世間に晒した失態 ~K-1 Dynamite!!@大阪~」についても客観的かつ冷静に書いたつもりだ。"当事者でない私たちが憶測で物を言ってはならぬ"と、フラットな視線ということを意識しすぎて、秋山選手に対して黒ではないかと疑いながらも、不正はないものと仮定して書いた節があった。だから、秋山:○、桜庭:△、梅木:×、会社(審判団含め):××、に近い言動をした。
 しかし、一昨日事態は急変した。FEG(K-1運営会社)が出した裁定は秋山=黒、試合はノーコンテスト、ギャランティ全額没収、関わった審判団のギャランティも50%没収だった。つまりFEGの裁定では、秋山:××、桜庭:○、梅木:○、審判団:×、なのだ。
 FEGの調査では、入場ゲート直前で秋山選手が道衣を脱ぎ、セコンド陣が全身にクリームを塗っている映像がTBSの密着クルーにあったと。また、梅木レフェリーは桜庭選手のアピールに対する処理、ストップのタイミングも、リング下の判断を仰ぎながらTKOとしたのもルール上、何も問題なしと。
 まず、秋山選手に思うこと。
 「ワセリン・タイオイルは認められないが、クリームはOKだと思っていた」と認識ミスをアピール。故意ではないとしても、乾燥肌だったとしても、なぜ試合直前にスキンクリームを塗るのか。オリンピック選手は大会直前に風邪をひいても、市販の薬は服用せずに耐える。服用するとしても慎重に調査した上で漢方などだ。もちろん、ドーピング検査を考慮してのことである。それが、プロのアスリートなのだ。
 試合後の会見でもジェントルに「多汗症です」と言い放ったのは何故か。桜庭選手に罪悪感はなかったのか。いち秋山ファンとして、正直残念に思う。
 そして、梅木レフェリーに思うこと。
 K-1からのペナルティこそなかったが、梅木レフェリーは試合後に秋山選手の体を触ってチェックしていたではないか。普段の梅木レフェリーなら、リング下の指示を仰がなくとも自己判断でストップしたのではないか。確かに梅木レフェリーのブログを炎上を含め、あの試合のレフェリングというのは情状酌量の余地こそあるが、彼にもペナルティを与えてもよかったのはないかとも思う。ただ、猛省していた姿はなんだか可哀想にも見えたが。
 最後に、審判団を含めたFEGに思うこと。
 正月休みがあったから8日以降に調査が始まった、これでは遅い、遅すぎる。これだけ世間を騒がせ、ファン達がグローブ問題についても糾弾していたのだ。正月休みを献上してでも、事態の収拾を図って欲しかった。しっかりと調査をしていない段階で、秋山選手を擁護するような発言をしてほしくなかった。
 偉そうに真っ当なことばかり書いて、申し訳ないが、最後に言いたいことを一つだけ。
 世間の目に最も触れる大晦日のメインの試合での失態。試合の映像だけしか観ていない人にも、この裁定を知った人にも、今回のことで与えた格闘技へのバッドイメージは大きい。キックボクシング・柔術・総合格闘技のオリンピック正式種目化を望む私としては、いや、いち格闘技ファンとして今回の事態はお粗末そのもので、哀しく思う。何年もかけてやっと格闘技が、このステージまで上り詰めたのだ。この重責を背負って、糧にかえて、二度とこのようなことが起こらぬように、メジャースポーツにある中立的なコミッションの設立を望む。
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