discoveRYO channel舞台裏に見たPRIDEGP |
RyoTheRock 2004.09.03 |
第4回は、先日ついにFINALを迎え、数々の名勝負が生まれたPRIDEGP2004においての選手達の舞台裏の表情についてのdiscoveRYOです。
フジ系列のFINAL直前番組の中で、敗北を喫した選手が控え室で荒れ狂う姿や、思わず本音を漏らす姿など、実に興味深い選手達の様々な表情を納めたVTRが流されていました。その中で印象に残ったものをいくつかご紹介させて頂きます。
◆ミルコ・クロコップvsケビン・ランデルマン◆
今大会、最大の番狂わせ。ミルコがランデルマンにKO負け。その試合直後の選手達の表情です。
今大会、最大の番狂わせ。ミルコがランデルマンにKO負け。その試合直後の選手達の表情です。
《ノゲイラ陣営》もの凄いテンションでノゲイラに詰め寄り、報告するセコンド達。
セコンド「今ミルコがKOされたぞ!左フック一発だ!」
ノゲイラ「本当に!?」
セコンド「マジで!マジで!全く信じられねぇぜ!」
セコンド「今ミルコがKOされたぞ!左フック一発だ!」
ノゲイラ「本当に!?」
セコンド「マジで!マジで!全く信じられねぇぜ!」
《ヒョードル陣営》通路を歩きながら、いつもの冷静な表情で試合結果を聞くヒョードル。
ヒョードル「ミルコが勝ったのか?」
セコンド 「負けたんだよ!」
ヒョードル「ミルコが本当に負けたのか?ウソをつくなよ!」
セコンド 「本当だ!」
ヒョードル「ランデルマンが勝ったのか。参ったな。ミルコとやりたかった。」
ヒョードル「ミルコが勝ったのか?」
セコンド 「負けたんだよ!」
ヒョードル「ミルコが本当に負けたのか?ウソをつくなよ!」
セコンド 「本当だ!」
ヒョードル「ランデルマンが勝ったのか。参ったな。ミルコとやりたかった。」
どうですか?このやりとり。僕らとなんら変わらない反応じゃないですか!この試合、僕は会場で見ていたのですが、その瞬間、会場は歓声と落胆の声が入り交じった異様な空気に包まれていました。僕はというと、声も出ず、お口あんぐり状態です。そこで、このやりとりの中に気になる発言が1つあります。ヒョードルの「参ったな。ミルコとやりたかった。」という発言。この日、ミルコvsランデルマンは第6試合、ヒョードルvsコールマンは第8試合。即ち、ヒョードルは前GP覇者、コールマン戦を数分後に控えているにも関わらず、この余裕はどこからくるのでしょうか。勝利への絶対的な自信がこの発言からうかがえます。
◆セルゲイ・ハリトーノフvsセーム・シュルト◆
完璧なマウントポジションのハリトーノフが、残酷なまでにシュルトの顔面を淡々とパウンドする場面。その様子を控え室モニターで見つめる選手達の表情です。
完璧なマウントポジションのハリトーノフが、残酷なまでにシュルトの顔面を淡々とパウンドする場面。その様子を控え室モニターで見つめる選手達の表情です。
《ノゲイラ陣営》呆然と立ち、じっとを見つめるノゲイラ。モニターを見て話すセコンド達。
セコンド「相手はボコボコだね。スゲェよ、こいつ。」
セコンド「相手はボコボコだね。スゲェよ、こいつ。」
《ヒーリング陣営》ストレッチしている状態のまま、真剣な眼差しで話すヒーリング。
ヒーリング「怖いよ。このロシア人、怖ぇ。」
ヒーリング「怖いよ。このロシア人、怖ぇ。」
《ランデルマン陣営》まるでオバタリアンの如く、試合を見ながらつぶやくランデルマン。
ランデルマン「ありゃまぁ。やめてくれ。ひどいよ。すごい血が出てる。こいつの戦い方は人を殺しそうだな。」
ランデルマン「ありゃまぁ。やめてくれ。ひどいよ。すごい血が出てる。こいつの戦い方は人を殺しそうだな。」
《試合直後のシュルト》顔半分を内出血で真っ赤に腫らしながら、セコンドと話すシュルト。
シュルト「オレは…怖かった。手も足も出なかったよ。病院へ行こう。」
シュルト「オレは…怖かった。手も足も出なかったよ。病院へ行こう。」
確かにこの試合は僕も見ていて怖かったです。何で怖いかって、ハリトーノフの軍人たるが故の冷酷さのようなものが垣間見えたからだと思います。本人も「最も重要なのはどんな状況でも生き残ること」と断言していました。が、しかし!しかしですよ、現役格闘家で普段から血のにじむような練習を積んでいる選手達まで、恐怖を感じているんです。実際対戦したシュルトに至っては、負けた悔しさよりも恐怖が先行してしまっているのです。このVTRからハリトーノフに技術面とは違う意味での底知れぬ強さを見た気がしました。
最後に一言。世界で一番熱い夏は終わってしまいましたが、今現在、人類60億分の2の状態で肝心の最強決定戦がまだ残されています。今にして思えば、お楽しみは最後に取っておくという意味で、決勝のノーコンテストはファンの僕らにとって嬉しい誤算的事故だったのかもしれません。今年中に再試合が組まれるとのことなので、首を長くして世界で一番熱い冬の到来を待つとしましょう。
プロレスバカより愛を込めてプロレスは示せたのか? |
28ん 2004.08.27 |
新日本プロレスG1の暑い夏が終わった。今回は結果よりも内容について率直に思った事が、メンバーの豪華さに内容が伴ってなかったなという事です。興行的には成功と言われていますが、新日本びいきの私から見てもノアのドーム興行のほうがプロレスとして魅せられていたかなと・・・。まぁ、「プロレス負けるな!」と言う気持ち強すぎますんで、きびしくなっちゃうんですけどね。
まず新闘魂三銃士の活躍!これについては素直に喜びたい。明るい希望です。キャラクター性を見ても非常に魅力的。棚橋準優勝。柴田予選トップ通過。中邑は特筆する事ありませんが、3人ともが横一線で評価されていいだけの活躍をしたと思います。この3人を下したとことにより、天山の優勝はインパクトを強めたと思います。
高山の欠場!悲しいかな他の選手による、穴埋めはできていなかったかなと感じます。vs中西、vs健介との無骨な力と力のぶつかりあいが、クローズアップされたに留まってしまったような気がします。欠場してなお存在を高めれる男。高山さすがです。
中西!終わってます。「もういいー。」って感じですね。
天龍!おじさん。もう一踏ん張りをみせてください。あなたの評価がこれ以上下がる事はないのですから。猪木、馬場両方からフォールを奪った唯一の日本人レスラーじゃないですか。
天山の優勝!純粋にうれしいですねー。しかし、前回の優勝ほどではないです。やはり新闘魂三銃士の誰かに優勝させてやりたかった。もう1つ思う事があります。天山が本当に光れるリングは新日本じゃないのかもしれない。全日本、ノアあたりで戦う天山が見たいです。
いいひと健介!あんたはなんていい人なんだ。今回も出てしまったいい人が、根っからのベビーフェイス!高山との抱擁(この試合後、高山欠場が決まる。そして健介優勝への決意表明)。教え子金本との握手。そして今回1番の28んインパクト。天龍に負けた後の一言です。『優勝できなくて、高山正直すまんかった。』これが健介なのです。こんな事がありました。過去藤田戦決定後、ノートンに破れ当時保持していたIWGPのベルトを剥奪されたために選手権試合がなくなった時、藤田に向けられた言葉「正直スマン。」と同じです。最高だよ!あんたかっこいいよ。あんたあの時あんなにバッシングあびたじゃねーかよ、それでもそんな誠実な眼差しで同じ台詞が吐けるなんて・・・。本当にいい人です。心から相手に謝っているからこそでる飾りなき言葉だと言う事が今回でわかりました。
全試合とも実際には、内容的にもグレードは高かったんですけど、総合に押され気味の中ではインパクト不足だったなーと欲深く思っています。新闘魂三銃士時代の幕開けを期待せずにいられません。そこにつながるものになれば、今回のG1は大成功だったと改めたいと思います。
優勝 天山広吉
準優勝 棚橋弘至
決勝トーナメント出場者:柴田、天山、蝶野、中邑、佐々木、天龍、棚橋
準優勝 棚橋弘至
決勝トーナメント出場者:柴田、天山、蝶野、中邑、佐々木、天龍、棚橋
格信犯toto+全試合寸評2004.08.15 PRIDE GP FINAL ROUND |
Special 2004.08.22 |
2004.08.15 PRIDE GP FINAL ROUND@さいたまスーパアリーナ開催を記念して編集部で事前に勝敗予想をしました。予想結果、試合結果、試合寸評も掲載しました。今回はスタッフ以外にも総合格闘技boutholicの管理人さんにもご参加頂きました。
ルール
・3点=勝敗と極まり手(KO or 一本 or 判定)ともに当たった場合
・2点=勝敗のみが当たった場合
・勝敗が外れ極まり手のみが当たっても得点にはならない
・極まり手はKO、一本、判定の三種類から選択
・GP決勝戦の相手が共に的中した場合2点のボーナスポイント
・3点=勝敗と極まり手(KO or 一本 or 判定)ともに当たった場合
・2点=勝敗のみが当たった場合
・勝敗が外れ極まり手のみが当たっても得点にはならない
・極まり手はKO、一本、判定の三種類から選択
・GP決勝戦の相手が共に的中した場合2点のボーナスポイント
※メインの無効試合についてはノーカウントにしました。
<第1試合>
●ムリーロ・ブスタマンチ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○中村和裕(日本/吉田道場) 3R終了 判定3-0
●ムリーロ・ブスタマンチ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
○中村和裕(日本/吉田道場) 3R終了 判定3-0
やはり中村は柔道出身。四つに組んでからのテイクダウン能力は世界でも屈指ではないでしょうか。その最大の武器からパウンドというスタイルを貫くことができれば、ミドル級TOPの座も見えてくるんじゃないでしょうかね。(Hero)
<第2試合>
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
●セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/ロシアン・トップチーム) 2R終了 判定3-0
○アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
●セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/ロシアン・トップチーム) 2R終了 判定3-0
悲願のヒョードル戦まで二度と沈まいと誓ったブラジルの太陽。オリンピック候補になる程のボクシングのテクニックはハリトーノフのそれの比ではなく、テイクダウン時のポジションキープ力、下になっても手の如き足を使い、インサイドガードに入らせない。モチベーションも含めすべての点でハリトーノフを凌駕していた。 (marc_nas)
ダルメシアン・ジャケに斜め被りハンチング、そして極めつけは紅パンツという正装で登場したハリトーノフでしたが、やはりノゲイラの方が一枚上でした!3Rフルに闘うところを見たかったが結果は同じだったかな?でもまだ24歳!次に闘う時はノゲイラのパンツを紅に染めて下さい!!(MJ)
<第3試合>
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル)
●小川直也(日本/フリー) 1R 0'54" 一本:腕ひしぎ逆十字固め
○エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル)
●小川直也(日本/フリー) 1R 0'54" 一本:腕ひしぎ逆十字固め
どこかでこの敗戦は予想できていたんです。ただそれを認めたくない自分がいたわけです。ヒョードル秒殺勝利。わかっていたんだ、きっと。心のどこかでこうなることは。(Hero)
<第4試合>
●ケビン・ランデルマン(米国/ハンマーハウス)
○ロン・ウォーターマン(米国/チーム・インパクト) 1R 7'44" 一本:V1アームロック
●ケビン・ランデルマン(米国/ハンマーハウス)
○ロン・ウォーターマン(米国/チーム・インパクト) 1R 7'44" 一本:V1アームロック
小川敗北の虚脱感から放心状態で観てしまったこの試合。勝敗を分けたのは実力差というより体格差だろう。そして元々セコンドに付いたり付かれたりの仲だった二人が戦うというのは互いにどういう心境なのかが気になってしまった。(marc_nas)
<第5試合>
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
●エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル) 1R 2'09" TKO:左ハイキック→グラウンドパンチ
○ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
●エメリヤーエンコ・アレキサンダー(ロシア/レッドデビル) 1R 2'09" TKO:左ハイキック→グラウンドパンチ
ミルコファンの人すいません。まさか勝つと思ってませんでした。狙い澄ましたハイキック、TV観戦の我々でも来ると分かってるのによけれないものなんですね。その前のパンチのラッシュでアレキサンダーは少し意識がトんでたのかな。まぁアンチ・ミルコの僕も認めざるを得ない勝ち方でした。(marc_nas)
アレキサンダーも巨体を生かした突進を見せていたが、なんだか動きが鈍くみえるんねんなぁ・・・。ヒョードルの動きと比べたら、その差は歴然!最後は来るか・・・来るか・・・来るか・・・・キタ━━━━━━!のタイミングで魔性のハイキックが炸裂しました。(MJ)
<第6試合>
○ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
●近藤有己(日本/パンクラスism) 1R 2'46" TKO:踏みつけによるレフェリーストップ
○ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
●近藤有己(日本/パンクラスism) 1R 2'46" TKO:踏みつけによるレフェリーストップ
日本人"最後の切り札"として真っ向勝負した近藤であったが、シウバはやはり強すぎた。あの踏み付けは凄まじかった。好物の和食を喰い尽くし、"最後の"デザートまでたいらげてしまったシウバ。次戦はランペイジとの再戦でタイトルマッチ。高田統括本部長の要請にランペイジは「ヤルゥゥゥウウウ〜〜!!」。俺はもちろん、その試合を「ミルゥゥゥウウウ〜〜!!」。(RTR)
和食はなんでも喰えるシウバだが、唯一喰えない梅干しに、近藤はなり得なかった。(marc_nas)
<第7試合>
ーアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
ーエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル) 1R 3'52" 無効試合:偶然のバッティング
ーアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
ーエメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル) 1R 3'52" 無効試合:偶然のバッティング
会場で観戦した人は落胆したかもしれないが、TVで観ていた我々にはノーコンテストは賢明な判断に思えた(もちろん決着は見たかったが)。ただ、あのドタバタした手際の悪さは、主催者側の思惑が見え隠れして少々興醒めしてしまった。(marc_nas)
7月19日に行われたPRIDE武士道其の四を観戦するために、名古屋へ向かった。 今回、マーカス・アウレリロ vs 三島☆ド根性ノ助の熱戦や、ミルコ・クロコップの参戦など見どころはいくつかあったのだが、なにより観客を一番に歓喜させたのは、ブラジリアン・トップチームのファビオ・メロと戦った五味隆典であろう。
3回目のPRIDE登場となった今回も、過去2戦と同様の圧倒的な強さを見せつけてくれたのである。日本 vs ブラジリアン・トップチームという構図の中で彼の勝利は感動や興奮をもたらすのとともに、日本人のナショナリズムをおおいに刺激するものであった。
すでに試合から時間も経過しているのでここでは試合内容には触れずにおくが、わたしはこの試合でもうひとつ感動させられるポイントがあった。練習をともにするチームのメンバーをリングにあげて、紹介していったのである。スパーリングパートナーやトレーナーに留まらず、応援に来ていた所属道場のちびっ子、そして最後に木口会長。PRIDEでこのような場面はあまり見かけない。自分の勝利だけをアピールするのではなく、共に戦っている仲間をいかに大切にしているかを如実に現していた光景ではないだろうか。彼にとっては、道場のちびっ子たちも共に戦っている仲間であり、それが自分の力となっていることをよく理解しているにちがいない。
こういった環境は、技術はもちろんだが、人間を成長させる。マイクで彼の言う『デコボコチーム』を紹介し続ける姿は、かつて修斗で連勝街道を突き進み、荒々しくヤンチャな印象が強かった頃とはひと味違うような気がしたのだ。人は人によって成長していくのだ。今後も五味という男からは目が離せそうにない。
さて、話は変わるが間もなくアテネ五輪が開幕する。
観戦する側からすれば、とても楽しみな時期なのではあるが本番直前のこの時期に選手はどんな気持ちなのだろうか。。。などと毎回思う。ただ、超がつくほどなんの取り柄もない一般人の私には、そんな選手の心境など知る由もないのだが。。。
観戦する側からすれば、とても楽しみな時期なのではあるが本番直前のこの時期に選手はどんな気持ちなのだろうか。。。などと毎回思う。ただ、超がつくほどなんの取り柄もない一般人の私には、そんな選手の心境など知る由もないのだが。。。
そんな中、ひとつ心配な事がある。足を負傷した谷亮子である。 2001年ミュンヘン世界選手権では、右膝を負傷しながらも前人未到の5連覇を達成したこともあるが、今回は4年に1度のオリンピックである。世間の注目度合いは世界選手権の比ではない。彼女のオリンピック2連覇はむずかしいのではないだろうか。
怪我を押して出場した試合で活躍すれば、それは大いなる感動の要素となりうるのであろうが、当の選手はそんなことはまったく願っていないはずだ。これは素人の私でも容易に想像がつく。誰もが完璧なコンディションで試合当日を迎えたいはずであるし、それをサポートするのが全柔連のはずである。
本番前にどうしても厳しい稽古が必要になってくるのは柔道に限ったことではないが、どうも柔道においてはその厳しさが高い確率で深刻な怪我につながっている気がしてならない。このような本番直前の怪我を聞かされると『またか。。。』と思ってしまうのだ。これは選手個人にも責任はあるが、選手をサポートするコーチ陣はもちろん、総括すれば全柔連の責任を問いたいところだ。怪我をした谷はきっと不安を抱えながら本番を迎える。これまでの実績が示すとおり彼女には驚異的な精神力が備わっているが、以前に比べれば体力的な衰えは否めないのも事実である。それをどこまで全柔連のスタッフはサポートできるのであろうか。。。強いチームワークで金メダル獲得を大いに期待したい。
さて、五輪開催期間中は、筆無精、、、もとい、キーボード無精のわたしも、その日感じた事を格信犯ブログでUpしていこうと思う。4年に1度のお祭りですからね。
★ちり★ VIVA!格闘技管理人 販売員
ヒース・ヒーリングを愛するちりさんの総合格闘技サイト。女性ならではの独自の視点からのファッション・タトゥーチェックや観戦日記などのコンテンツは必見です。BBSの盛況はものすごいです。(marc_nas)
ヒース・ヒーリングを愛するちりさんの総合格闘技サイト。女性ならではの独自の視点からのファッション・タトゥーチェックや観戦日記などのコンテンツは必見です。BBSの盛況はものすごいです。(marc_nas)
私の父は宝石商という職についている。私に何を求めていたのか定かではないが、小さな頃、父から聞かされる話は常に「石」の話だった。ダイヤモンドの4Cから始まり、最後は必ずエメラルドの話で終わる。クレオパトラが愛した石エメラルド。父もこの石には他にない魅力を感じていたようだ。「エメラルドの内部にはひびや気泡が含まれているため、衝撃をうけると割れてしまうことがある。」から始まり「美しい石であるが、気をぬいて身に付けていたら自分自身が飲み込まれてしまうほどの凶暴さがエメラルドにはある。」確かそんな締めくくりであった。世間一般の子供が桃太郎やおむすびころりんを喜んで聞く年頃に、私はそんな石の話を聞かされて育った。
成長に伴い、父の石話も徐々に回数が減ってきた。毎回同じ話だからである。エメラルドどころか格闘技に明け暮れ、近所の体育館にプロレスが来るとなればねだってチケットを買ってもらった。極真の見学にも連れて行ってもらった。長女である私に小さな頃から石についての蘊蓄を語り、跡を継がせようとした父の企みはまんまと音をたてて崩れた。最近ではTVで格闘技の放映があると「お前、これ観に行ったのか?」と聞く。先日「いい年をした父娘2人きり」という非常にキツイ時間があった。ほんの数時間なのだが、今さら父と話すことなど特にない。父は気まずさのあまりアタッシュケースから宝石を取り出し並べ始めた。そこで私は久しぶりに思い出したのである。エメラルドの話を。
「昔エメラルドの話をよくしてくれたよね。なんで?」
「俺が一番好きな石だからな」
「あ、そう・・」
会話終了である。なんとはなく気になったのでエメラルドについて調べてみた。なぜ父はこの石が好きなのだろうか?と。父の書斎から宝石について書かれた本を読むとそこにはこう書いてあった。
「昔エメラルドの話をよくしてくれたよね。なんで?」
「俺が一番好きな石だからな」
「あ、そう・・」
会話終了である。なんとはなく気になったのでエメラルドについて調べてみた。なぜ父はこの石が好きなのだろうか?と。父の書斎から宝石について書かれた本を読むとそこにはこう書いてあった。
「エメラルド、それは極限まで洗練された凶器」
宝石は美しいけれど、花や蝶のような罪のない美しさではない。その美しさは手強く凶暴な美しさなのだ。私にとっての格闘技と同じである。クレオパトラが多くの男性を魅了したのはエメラルドのパワーだったとか。エメラルドであれ格闘技であれ、人を魅了する力を持っているものには、そこに計り知れない何かがあるような気がしてならない。宝石にもある種の光を当てると、様々な色の光を乱反射する蛍光石があるように、格闘家達もリング上でのスポットライトを浴びた瞬間、極限まで洗練された凶器へと変貌を遂げるのではないだろうか。