■メインイベント ライト級タイトルマッチ
[王者]フランク・エドガー
[挑戦者]ベンソン・ヘンダーソン
勝者予想(エドガー/判定)
コメント:削りあいを制してチャンピオン。
■ライトヘビー級
ランペイジ・ジャクソン
ライアン・ベイダー
勝者予想(ランペイジ/KO)
コメント:KOがみたいです。
■ヘビー級
マーク・ハント
シーク・コンゴ
勝者予想(マーク/判定)
コメント:そんな気がします。
■ウェルター級
秋山 成勲
ジェイク・シールズ
勝者予想(ジェイク/一本)
コメント:チョークかギロチンかと。
■ライト級
五味 隆典
光岡 映二
勝者予想(空欄)
コメント:空欄
■ミドル級
岡見 勇信
ティム・ボーシュ
勝者予想(岡見/KO)
コメント:削って当ててパウンドアウト。
■バンタム級
山本 徳郁
ヴァウアン・リー
勝者予想(KID/KO)
コメント:KOがみたいです。
ー 清水 清隆 (shimizu kiyotaka) ー
Wikipedia | 清水清隆
1984年生。栃木県出身。SKアブソリュート所属。
第2代フライ級キング・オブ・パンクラシスト。
2011年 全日本サンボ選手権大会 優勝。
2011年世界サンボ選手権大会 第五位。
オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/1984314/
Facebookアカウント:http://www.facebook.com/kiyotaka.shimizu
Twitterアカウント:@kiyotakashimizu
2012年3月10日 開場17:30 開始18:00
「プロフェッショナル修斗公式戦~東日本大震災復興支援チャリティ~」
@後楽園ホール
□バンタム級 5分3R
清水 清隆(SKアブソリュート/第2代スーパーフライ級キング・オブ・パンクラシスト)
越智 晴雄(パラエストラ愛媛/世界バンタム級6位)
格信犯toto 清水清隆編2012.02.26 UFC144 日本大会 |
清水清隆 2012.02.08 |
来たる2月26日、十数年振りに日本で開催されるUFC 144。それに伴い我々編集部も何か出来ないかと悩み、久しぶりにフリーペーパー「格信犯プレス第8号」を発刊することとなりました。その紙面を飾るメイン企画として、親交のある格闘家や関係者の皆さん数人に勝敗予想アンケートを送り、書きこんでいただきました。その第ニ弾として現フライ級キング・オブ・パンクラシスト:清水清隆選手の予想になります。それでは、どうぞ。
格信犯toto 富平辰文編2012.02.26 UFC144 日本大会 |
103 2012.02.07 |
来たる2月26日、十数年振りに日本で開催されるUFC 144。それに伴い我々編集部も何か出来ないかと悩み、久しぶりにフリーペーパー「格信犯プレス第8号」を発刊することとなりました。その紙面を飾るメイン企画として、親交のある格闘家や関係者の皆さん数人に勝敗予想アンケートを送り、書きこんでいただきました。まず、第一弾として元K-1ファイターであり、先日編集部入りいただいた富平辰文さんの予想になります。それでは、どうぞ。
■メインイベント ライト級タイトルマッチ
[王者]フランク・エドガー
[挑戦者]ベンソン・ヘンダーソン
勝者予想(フランク/KO)
コメント:あんまり知らないが眼が怖くて強そう。王者だし。
■ライトヘビー級
ランペイジ・ジャクソン
ライアン・ベイダー
勝者予想(ランペイジ/KO)
コメント:確か凶暴な人でしょ? 凶暴性で○。
■ヘビー級
マーク・ハント
シーク・コンゴ
勝者予想(ハント/KO)
コメント:久々のハント。お茶目で可愛いから○。二人ともなんか名前が似てるな。
■ウェルター級
秋山 成勲
ジェイク・シールズ
勝者予想(秋山/KO)
コメント:昔ふざけてスパーした時にあっさり投げられた事がある。打撃センスがあるんであえてKOに期待。
■ライト級
五味 隆典
光岡 映二
勝者予想(五味/KO)
コメント:五味選手は打撃競技でもある程度通用すると思う。パンチでKOして欲しい。
■ミドル級
岡見 勇信
ティム・ボーシュ
勝者予想(岡見/一本)
コメント:たしか昔、うちの道場に来て練習参加してくれてたはず。『すげーつえーよ』ってみんなが言ってた。期待。
■バンタム級
山本 徳郁
ヴァウアン・リー
勝者予想(KID/KO)
コメント:あのパンチはうらやましい。天性のセンスに期待。
ー 富平辰文 (tomihira tatsufumi) a.k.a 103 ー
Wikipedia | 富平辰文
1976年生。名古屋市出身。 「ミスター闘争本能」の異名を持つ元K−1ファイター。 2011年、HEAT@名古屋を最後に引退。 K-1 Japan GP 2002 第三位。 K-1 Japan GP 2005 準優勝。 96年、極真会館 全日本大会:第六位。 97年、極真会館 全日本ウェイト制大会:重量級四位。 98年、極真会館 全日本ウェイト制大会:重量級準優勝。 98年、極真会館全日本大会:第八位。 オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/tomihira/
Facebookアカウント:http://www.facebook.com/tatsufumi.tomihira
Twitterアカウント:@qbrick103
オフィシャルサイト:http://www.tomihira.net/
経営するアイウェアメーカー:http://qbrick.jp/
[王者]フランク・エドガー
[挑戦者]ベンソン・ヘンダーソン
勝者予想(フランク/KO)
コメント:あんまり知らないが眼が怖くて強そう。王者だし。
■ライトヘビー級
ランペイジ・ジャクソン
ライアン・ベイダー
勝者予想(ランペイジ/KO)
コメント:確か凶暴な人でしょ? 凶暴性で○。
■ヘビー級
マーク・ハント
シーク・コンゴ
勝者予想(ハント/KO)
コメント:久々のハント。お茶目で可愛いから○。二人ともなんか名前が似てるな。
■ウェルター級
秋山 成勲
ジェイク・シールズ
勝者予想(秋山/KO)
コメント:昔ふざけてスパーした時にあっさり投げられた事がある。打撃センスがあるんであえてKOに期待。
■ライト級
五味 隆典
光岡 映二
勝者予想(五味/KO)
コメント:五味選手は打撃競技でもある程度通用すると思う。パンチでKOして欲しい。
■ミドル級
岡見 勇信
ティム・ボーシュ
勝者予想(岡見/一本)
コメント:たしか昔、うちの道場に来て練習参加してくれてたはず。『すげーつえーよ』ってみんなが言ってた。期待。
■バンタム級
山本 徳郁
ヴァウアン・リー
勝者予想(KID/KO)
コメント:あのパンチはうらやましい。天性のセンスに期待。
ー 富平辰文 (tomihira tatsufumi) a.k.a 103 ー
Wikipedia | 富平辰文
1976年生。名古屋市出身。 「ミスター闘争本能」の異名を持つ元K−1ファイター。 2011年、HEAT@名古屋を最後に引退。 K-1 Japan GP 2002 第三位。 K-1 Japan GP 2005 準優勝。 96年、極真会館 全日本大会:第六位。 97年、極真会館 全日本ウェイト制大会:重量級四位。 98年、極真会館 全日本ウェイト制大会:重量級準優勝。 98年、極真会館全日本大会:第八位。 オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/tomihira/
Facebookアカウント:http://www.facebook.com/tatsufumi.tomihira
Twitterアカウント:@qbrick103
オフィシャルサイト:http://www.tomihira.net/
経営するアイウェアメーカー:http://qbrick.jp/
闘議(とうぎ)"The Way of SHOOTO 03" 観戦記 |
u-spirit 2010.06.10 |
The Way of SHOOTO 03 ~Like a Tiger,Like a Dragon~
5月30日(日)JCBホール
前日のDREAM.14 に続いて和田選手とHULKの父と3人で。今回、和田拓也選手にチケットを頂く。
アリーナ5列目のリング中央というベストポジション本当に有難うございます。
大会OP煽りは死亡遊戯のテーマ
GAME OF DEATH
そして出場全選手入場。
相変わらずルミナへの歓声は大きい。
5月30日(日)JCBホール
前日のDREAM.14 に続いて和田選手とHULKの父と3人で。今回、和田拓也選手にチケットを頂く。
アリーナ5列目のリング中央というベストポジション本当に有難うございます。
大会OP煽りは死亡遊戯のテーマ
GAME OF DEATH
そして出場全選手入場。
相変わらずルミナへの歓声は大きい。
<第1試合>
○石渡伸太郎×三木航●
1Rから濃いなぁ。総合な格闘技。その濃厚さに安堵さえ。
石渡も三木も試合ブランクがある筈なのにユルさが無くソリッドな展開。両者の応援団も凄い。結局、2-1で石渡。
昨日のDREAMとは違い、オープニングからフルスロットル。
○石渡伸太郎×三木航●
1Rから濃いなぁ。総合な格闘技。その濃厚さに安堵さえ。
石渡も三木も試合ブランクがある筈なのにユルさが無くソリッドな展開。両者の応援団も凄い。結局、2-1で石渡。
昨日のDREAMとは違い、オープニングからフルスロットル。
<第2試合>
○朴光哲×児山佳宏●
1Rは児山がテイクダウンを2回成功させ有利に試合をコントロールするも2Rは朴が打撃で優勢に。
結局、野武士、朴光哲が2-1の判定勝ち。
○朴光哲×児山佳宏●
1Rは児山がテイクダウンを2回成功させ有利に試合をコントロールするも2Rは朴が打撃で優勢に。
結局、野武士、朴光哲が2-1の判定勝ち。
<第3試合>
○エドゥアウド・ダンタス×扇久保博正●
ダンタスはドンタコス。反則のオンパレード。ずる賢いというか上手いというか、故意でないとアピールするも後頭部へのパンチ、3点ポジでの膝蹴り。結局、扇久保からチョークで1本勝ちするが、なんか、後味悪い。
○エドゥアウド・ダンタス×扇久保博正●
ダンタスはドンタコス。反則のオンパレード。ずる賢いというか上手いというか、故意でないとアピールするも後頭部へのパンチ、3点ポジでの膝蹴り。結局、扇久保からチョークで1本勝ちするが、なんか、後味悪い。
<第4試合>
○上田将勝×田村彰敏●
いや、エエ試合や。上田という男のいぶし銀な試合っぷりに感心さえ。何せ相手は田村ですから。
関係ないが以前から上田選手が我が格信犯のHero氏に似てると思っていた。その件、横にいたHULKの父に伝えると笑いながら同意。
いや、絶対に話し方とか動きとか全体的にメチャクチャ激似。
○上田将勝×田村彰敏●
いや、エエ試合や。上田という男のいぶし銀な試合っぷりに感心さえ。何せ相手は田村ですから。
関係ないが以前から上田選手が我が格信犯のHero氏に似てると思っていた。その件、横にいたHULKの父に伝えると笑いながら同意。
いや、絶対に話し方とか動きとか全体的にメチャクチャ激似。
<第5試合>
○佐藤ルミナ×松根良太●
プロシューターとなって最軽量に削ぎ落とされた肉体のせいからか佐藤ルミナは年齢経過を感じさせる。
試合は打撃合戦となり2R、ルミナ自身が狙っていたというカウンターの膝蹴りが見事に松根にヒット。
爆発する場内。
インタビューでは内容によっては引退の覚悟だったと。
あと何試合、こうやって月狼 佐藤ルミナの勇姿を生観戦できるのだろうか?
○佐藤ルミナ×松根良太●
プロシューターとなって最軽量に削ぎ落とされた肉体のせいからか佐藤ルミナは年齢経過を感じさせる。
試合は打撃合戦となり2R、ルミナ自身が狙っていたというカウンターの膝蹴りが見事に松根にヒット。
爆発する場内。
インタビューでは内容によっては引退の覚悟だったと。
あと何試合、こうやって月狼 佐藤ルミナの勇姿を生観戦できるのだろうか?
<第6試合>バンタム級世界王者決定戦
○漆谷康宏×神酒龍一●
BJの返上したベルトを賭けて世界ランク1位と2位の対決終始、試合巧者の漆谷がコントロール。判定は文句なしのフルマーク3-0 苦節19年、悲願のベルトを巻き漆谷は男泣き。
疲れて眠る大塚くん
○漆谷康宏×神酒龍一●
BJの返上したベルトを賭けて世界ランク1位と2位の対決終始、試合巧者の漆谷がコントロール。判定は文句なしのフルマーク3-0 苦節19年、悲願のベルトを巻き漆谷は男泣き。
疲れて眠る大塚くん
<第7試合>ウェルター級チャンピオンシップ
○ヴィラミー・シケリム×遠藤雄介●
遠藤は全く歯が立たない。何をやっても裏目となり挙句、急所への攻撃を受けてしまいペースまで失う。
遠藤のリベンジは届かないままシケリムは勝利後、UFCとの契約を発表し、その場でベルトを返上。
その姿まるで宇野薫。
○ヴィラミー・シケリム×遠藤雄介●
遠藤は全く歯が立たない。何をやっても裏目となり挙句、急所への攻撃を受けてしまいペースまで失う。
遠藤のリベンジは届かないままシケリムは勝利後、UFCとの契約を発表し、その場でベルトを返上。
その姿まるで宇野薫。
<第8試合>ライト級チャンピオンシップ 5分3R
●リオン武×日沖発○
煽りVTRでルミナが語った通り、間違いなくこの階級の世界一決定戦。リングサイドには前日に試合を終えた。
DREAMの高谷、大塚、大沢、宮田、や小見川の顔も見える。
”修斗の子”日沖発、王者であるリオン武、望まれた2人がリングで出会い日の丸を見つめ、凌ぎ合いを待つ。
1Rから積極的にリオンが出るが日沖はリーチ差を生かし左ジャブが走る。
2Rも日沖が的確にパンチを当て王者リオンは右が見えていないのか数初被弾し鼻血。しかし、それでも日沖のタックルだけは見切って対処。
3Rは、互いに拳で語り合っているかの様で。リオンが右を入れればグラつきながら日沖も右を返し、再びリオンが右を入れる。
そして、両者の拳に宿った魂が会場を”修斗”という色に染めていく。歓声ではない応援でもない。まさしく観客が共鳴して試合が終わる。
僕の胸にも熱いものが去来する。結果は日沖発が2-1の判定勝ち。
割れんばかりの拍手に包まれて敗者となったリオンが引き上げて行く姿と日沖のベルト姿、どちらも勇者。
●リオン武×日沖発○
煽りVTRでルミナが語った通り、間違いなくこの階級の世界一決定戦。リングサイドには前日に試合を終えた。
DREAMの高谷、大塚、大沢、宮田、や小見川の顔も見える。
”修斗の子”日沖発、王者であるリオン武、望まれた2人がリングで出会い日の丸を見つめ、凌ぎ合いを待つ。
1Rから積極的にリオンが出るが日沖はリーチ差を生かし左ジャブが走る。
2Rも日沖が的確にパンチを当て王者リオンは右が見えていないのか数初被弾し鼻血。しかし、それでも日沖のタックルだけは見切って対処。
3Rは、互いに拳で語り合っているかの様で。リオンが右を入れればグラつきながら日沖も右を返し、再びリオンが右を入れる。
そして、両者の拳に宿った魂が会場を”修斗”という色に染めていく。歓声ではない応援でもない。まさしく観客が共鳴して試合が終わる。
僕の胸にも熱いものが去来する。結果は日沖発が2-1の判定勝ち。
割れんばかりの拍手に包まれて敗者となったリオンが引き上げて行く姿と日沖のベルト姿、どちらも勇者。
5月末、DREAMと修斗を連日ライブで観戦した会場で感じた。
大会規模で言えばDREAMのそれは修斗を遥かに凌駕しており、会場も十倍以上広く、舞台装置も映像も地上波向けに洗練されたモノであった。PRIDEの頃より万人に格闘技が透するようにそういった斬新かつ刺激的な演出でイベント色の濃いメジャー大会として君臨してきた。
しかし、今回の会場でこれまでとは違う観客の異変に気づいた。人気選手の入場時の手拍子も疎らで、試合中にも然程ボルテージも上がらず、試合後の拍手も御座なりで話し声が聞こえてくる始末。要は会場の反応が鈍く一体感が全く感じられない。
その要因は人間の”慣れ”ではないだろうか。
ひとつはデコレーションされた上物を通して観戦するクセがつき、いつしか試合を見ずに選手だけを見る観客ばかりになっていた。そして、もうひとつがカリスマ性のあるタレント不足。大規模会場と地上波放送で一躍有名選手となり、発言こそファンを意識しカリスマぶってみるが、結果が残せず有言不実行を繰り返し飽きられた感が。そもそも、DREAMはコアなファン以上に若年層、女性層といった新規ファンが多く来場する大会だった。興味を持ってもらうには成功したが、期待の選手たちが結果を残せず、ここ最近はファン離れが始まり苦戦し続けている。そんな会場で待望論も鳴り止んだ青木vs川尻を今更、発表しても盛り上がる筈も無い。
格闘技という究極のリアルな場所で人間模様というエッセンスは試合の期待感を向上させる要素として重要だが、それは中身が伴っているという前提でなければ意味を成さない。感情移入するにも無理矢理に強引な背景を刷り込んでもファンはリングに夢を見たり、選手に自分を投影したりできない。そんな背景からDREAMのファンは格闘技に対し肝心のロマンという”夢”を見出せなくなってしまった気がする。あの会場の何とも言えない空気は一体、何が好きだったのか?を考えているようにも思えた。
これは小さい出来事だけど、とても大きな歪みである。
そんなDREAMよりも遥かに小さい会場で行われた修斗では逆に物凄い会場熱というか一体感を肌で感じられた。
総合格闘技界の先駆者として綿々と継承されてきた修斗という団体の結晶がそこにあった様に思う。殆どの出場選手がアマ修斗からの生え抜きの選手で基本技術レベルが軒並み高い。当然、試合の内容も濃くなり非常に見応えがある。試合が面白いから知名度の低い選手同士であっても盛り上がる。会場にはそんな選手たちを応援というより支援する定着したファンが集う。だから声援内容でさえ温かさを感じる。
例えるならメジャーリーグAAAのボールパーク。
競技がそのものが大好きで選手に対してもリスペクトの気持ちを忘れない。
それに対してDREAMはプロ野球のシーズン終盤の消化試合の球場のごとく。
試合の勝敗について拘りがなく、出場選手と個人タイトルにしか興味がない。
なぜ、こんな落差が出るのか?それはやはり、中身と根幹である。
どんな競技でも人気が欲しいからとヒーローを手っ取り早く探してきて用意できるものではない。
試合を重ねてファンに育てられるもの。
それには時間がかかる。
UFCが全米で人気を博しているのも現実の大会とリンクして取り入れた選手育成リアリティ番組「The Ultimate Fighter(TUF)」があったからこそ。直ぐにでもと先走る気持ちを抑え、着実に有望な選手を育てればファンは必ず支持してくれる。
メジャーと呼ばれるならば、いつの日か選手もファンも具体的な”夢”が持てるボールパークならぬ『MMAパーク』な大会を目指し、日本格闘技界を再び世界一に押し上げて欲しい。
大会規模で言えばDREAMのそれは修斗を遥かに凌駕しており、会場も十倍以上広く、舞台装置も映像も地上波向けに洗練されたモノであった。PRIDEの頃より万人に格闘技が透するようにそういった斬新かつ刺激的な演出でイベント色の濃いメジャー大会として君臨してきた。
しかし、今回の会場でこれまでとは違う観客の異変に気づいた。人気選手の入場時の手拍子も疎らで、試合中にも然程ボルテージも上がらず、試合後の拍手も御座なりで話し声が聞こえてくる始末。要は会場の反応が鈍く一体感が全く感じられない。
その要因は人間の”慣れ”ではないだろうか。
ひとつはデコレーションされた上物を通して観戦するクセがつき、いつしか試合を見ずに選手だけを見る観客ばかりになっていた。そして、もうひとつがカリスマ性のあるタレント不足。大規模会場と地上波放送で一躍有名選手となり、発言こそファンを意識しカリスマぶってみるが、結果が残せず有言不実行を繰り返し飽きられた感が。そもそも、DREAMはコアなファン以上に若年層、女性層といった新規ファンが多く来場する大会だった。興味を持ってもらうには成功したが、期待の選手たちが結果を残せず、ここ最近はファン離れが始まり苦戦し続けている。そんな会場で待望論も鳴り止んだ青木vs川尻を今更、発表しても盛り上がる筈も無い。
格闘技という究極のリアルな場所で人間模様というエッセンスは試合の期待感を向上させる要素として重要だが、それは中身が伴っているという前提でなければ意味を成さない。感情移入するにも無理矢理に強引な背景を刷り込んでもファンはリングに夢を見たり、選手に自分を投影したりできない。そんな背景からDREAMのファンは格闘技に対し肝心のロマンという”夢”を見出せなくなってしまった気がする。あの会場の何とも言えない空気は一体、何が好きだったのか?を考えているようにも思えた。
これは小さい出来事だけど、とても大きな歪みである。
そんなDREAMよりも遥かに小さい会場で行われた修斗では逆に物凄い会場熱というか一体感を肌で感じられた。
総合格闘技界の先駆者として綿々と継承されてきた修斗という団体の結晶がそこにあった様に思う。殆どの出場選手がアマ修斗からの生え抜きの選手で基本技術レベルが軒並み高い。当然、試合の内容も濃くなり非常に見応えがある。試合が面白いから知名度の低い選手同士であっても盛り上がる。会場にはそんな選手たちを応援というより支援する定着したファンが集う。だから声援内容でさえ温かさを感じる。
例えるならメジャーリーグAAAのボールパーク。
競技がそのものが大好きで選手に対してもリスペクトの気持ちを忘れない。
それに対してDREAMはプロ野球のシーズン終盤の消化試合の球場のごとく。
試合の勝敗について拘りがなく、出場選手と個人タイトルにしか興味がない。
なぜ、こんな落差が出るのか?それはやはり、中身と根幹である。
どんな競技でも人気が欲しいからとヒーローを手っ取り早く探してきて用意できるものではない。
試合を重ねてファンに育てられるもの。
それには時間がかかる。
UFCが全米で人気を博しているのも現実の大会とリンクして取り入れた選手育成リアリティ番組「The Ultimate Fighter(TUF)」があったからこそ。直ぐにでもと先走る気持ちを抑え、着実に有望な選手を育てればファンは必ず支持してくれる。
メジャーと呼ばれるならば、いつの日か選手もファンも具体的な”夢”が持てるボールパークならぬ『MMAパーク』な大会を目指し、日本格闘技界を再び世界一に押し上げて欲しい。
総合格闘技向上委員会ver.27.0 坂口征夫という生き方 |
marc_nas 2010.05.03 |
元新日本プロレス社長、世界の荒鷲 a.k.a. 坂口征二を父に持ち、俳優:坂口憲二を弟に持つ、総合格闘家:坂口征夫選手が、この日、静かに引退した。
■人間死に方は選べないが、生き方は自由だろ (銀魂)
"殺るか殺られるか"、そんな闘い方が格好いいのは誰でも知っている。けれど、王者への階段を登るには、確実に勝利を重ね、ランキングを上げなければならない。「プロとして魅せる」ということは簡単そうで難しい。
そんな中、坂口征夫はいつだって殺るか殺られるかの真正面からの殴り合いを毎回展開しようとした。
受け止めてくれなくて、展開出来ないいことだってあった。そんな時は試合後、いつもファンへの謝罪を口にした。
受け止めてくれたって、激しく散ることだってあった。けれど、そんな時の試合後は、顔を腫らしながらも気持ち良さそうだった。
ただ、この闘い方の寿命は短い。
引退を発表した記者会見で
「日常生活での物忘れも激しく、言い方は悪いのですがバカになってきているのも見え隠れしていました」
格闘家においてダメージの蓄積は死に直結する。引退後のボクサーがお茶の間でオバカだとモテはやされているが、その光景は、時に痛々しい。
そんなリスクは承知の上で、プロ格闘家になるのだろうが、やはり引退後の生活を考えると、今回は英断だし勇断だと思う。
じゃあそんな闘い方をするなよ、と思われるかも知れないが、一度リングに上がったら、選手達はそんなことは忘れるに違いないのだ。
■死ぬ覚悟はあるが、簡単に命を捨てる気はない (宮本武蔵)
彼は試合に臨むにあたり、殺し合いとう言葉をよく口にした。そこにはリターンがあるからこそ、常にリスクを背負っていた。
引退の決意を伝えた際、パンクラス側に引退試合を提案された。その相手とは生え抜きでベテランの伊藤崇文選手だったという。でもやはり、一度消えた炎を点火することは出来ず、引退セレモニーという形で、闘わずして幕を引くことした。
その理由について、
「辞めるのを前提でリングに上がって試合をするのは、殺し合いの駆け引きではありません」
最後まで試合=殺し合いというスタイルは変えることはなかった。
■明日、死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのようにして、学べ。(ガンジー)
引退セレモニーで彼が放った言葉。
「自分はこのリングで生まれ、そしてこのリングで死ねて本当に良かったと思いました」
偉大なる父と弟という光に挟まれ、やさぐれた時期もあったという。そして迷いに迷い、33歳という遅いデビューを果たし、36歳にして、短くも激しい格闘家人生を終えた。
リング上で最後に放った言葉。
「今日で自分の背中に背負った刀は鞘に納めます。ただ、錆び付かせないようにずっと研ぎ続けます。いつかパンクラスが困ったときに、その刀をもう一度抜けるように頑張っていきたいと思います」
最後まで、義を重んじる彼らしい言葉。本当に記録ではなく記憶に残る希有の格闘家。僕は坂口征夫という格闘家がいたことを一生忘れない。