<大会総括>
15時にオープニングが始まり、イベント終了が21時。オープニング前にリザーブファイトもあったので、6時間を軽く超える長時間興行でしたが、不思議と時間は早く過ぎていったように思えました。判定がほとんどなかったことが原因でしょうね。
退屈と思える試合は、K-1甲子園の試合と武蔵×アッカ戦ぐらいでしょうか。武蔵の試合クオリティーが高校生と同レベルとは思いませんが、実際に退屈だったのだから仕方がない。
さて、大阪ドームの盛り上がりはPRIDEのそれとは比べものにならないのですが、なんとか来年も大阪での興行を続けてもらいたいものです。ただ、帰宅後に時間差観戦した「やれんのか」の熱狂ぶりを見ると、関西在住者として寂しい気持ちになったのと同時に、来年以降の関西での大晦日興行に危機感を抱かざるを得ません。関西の格闘技熱をどげんかせんといかん!!と思う年の瀬でした。
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Hero's Eye大晦日興行に抱く危機感 ~071231_Dynamite!!~ |
Hero 2008.01.08 |
12月31日の大晦日。大阪ドームへ行ってまいりました。15時のオープニング開始直前に入場。観客は6割ほどの入りといった感じでしょうか。。。スタンドの上段席は開放しておりませんでした。それでも、年に1回の大晦日興行です。盛り上がりはと言えば、、、まぁ、おとなしいこと、関西ファン。ということで、不穏なテンションのまま観戦開始。レポートです。
※なお、第1、第2試合のK-1甲子園1回戦は割愛します。1分ほど見てから、マクド食ってましたから。
※なお、第1、第2試合のK-1甲子園1回戦は割愛します。1分ほど見てから、マクド食ってましたから。
<第3試合>
●宮田和幸 × ヨアキム・ハンセン○
1Rは、互角の戦い。2R中盤のグランド攻防。上のポジションの宮田がヨアキムの足を取りにいったところをスイープされ、そのままチョークスリーパー。ヨアキムの冷静さが目立った試合。スキルの違いか。
<第4試合>
●西島洋介 × メルヴィン・マヌーフ○
スタンドの攻防では、マヌーフのパンチは西島にあたらず。さすがのディフェンス能力を見せたが、タックルは全く切れず。サイドポジションから簡単にマウントへを取られ、ガード出来ずにKO負け。限界かな、洋介山。
<第5試合>
●ミノワマン × ズール○
1R:終始逃げ回りながら、30秒に1回のペースでローを入れていくミノワマン。ラスト1分でつかまりグランドへ。バックを取られながら立ち上がったところで、背負い投げ一閃!!柔道なら一本でミノワマンの勝ちなんだけどね。
2R:2分過ぎにグランドへ。ズールにバックから打撃を入れられるミノワマンだが、ゴングに助けられる。
3R:スタミナ切れの両者。ここで体重差が如実に。グランド→パウンド→タオル。足を取れなかったミノワマン。スキルのない相手なら、この体重差でも勝負になったのかもしれないが、ズールはそれほど甘くなかったといったところか。
<第6試合>
○田村潔司 × 所英男●
田村が所をすべて受け止めた試合。田村の左ミドルは強烈。スタンド観戦の私にもバシバシ伝わってくる。グランドの攻防では田村が1枚上手か。最後はアームバーで一本。所は自分の良さが出し切れないまま終わった。試合直後にプレゼンテーターの前田日明が、田村に向かってトロフィーを投げつけたのがインパクト強すぎ。この日ここまででは一番の印象度。
<第7試合>
●HIROYA × 雄大○
試合内容はまぁ、いいでしょ。大晦日に行われる試合としては、両者とも役不足。仕方のない事だが、一観客としてはこのレベルの試合を延長まで見せられても。。。といったところ。将来有望な選手である事は確かなのだろうが、別に舞台を設けてあげればいいことではないのだろうか。大晦日にやる試合ではない。
<第8試合>
○武蔵 × ベルナール・アッカ●
退屈な試合。観客が沸くのはアッカのがむしゃらなラッシュ時のみ。それまで有効打のない武蔵だったが、3R中盤に唯一の見せ場であった左ストレート一発でKO。武蔵は一発で決めたところで面目を保ったかに見えるが、アッカの頑張りの印象のほうが高い。
<第9試合>
○ニコラス・ペタス × キム・ヨンジョン●
ペタスは綾戸智恵の生歌で入場。私の前列に座っていた女の子が、「ウエトアヤや!!」と絶叫。いや、間違ってますよ。おばちゃんやし、出て来たの。なんとなくこの試合、それで満足。
1R:巨神兵のようなキム・ヨンジュンにセオリー通りにローをイン・アウト共に入れていくペタス。終了間際にダウンを奪う。
2R:ひたすらローをもらったキムは戦意喪失状態でパンチをもらう。爽快なKO劇。ここまでのMVPはペタスか。
<第10試合>
○魔裟斗 × チェ・ヨンス●
ある意味、一番注目していた試合。チェ・ヨンスと言えば、畑山と激闘を繰り広げたボクシングの元世界チャンピオンである。むちゃくちゃ強かった記憶しかないのだ。
1R:パンチだけかと思っていたヨンスが、キックを見せる。しかも、トリッキーなものも混ぜ合わせて。。。まさに付け焼き刃。かなりがっかりしたのは、言うまでもない。冷静な魔裟斗は追いつめてから、左ハイ一発でダウンを奪う。
2R:キックは見せなくなったヨンス。魔裟斗は、様々な攻撃バリエーションを見せてヨンスを圧倒。
3R:ヨンスは、バックハンドブロー。。。さらにがっかりさせてくれる。蓄積されたローのダメージが如実に表れてくる。魔裟斗のラッシュに、ヨンス陣営からタオル。懸命な判断だろう。実力差をまざまざと見せつけた魔裟斗の完勝。
<第11試合>
○ボブ・サップ × ボビー・オロゴン●
オフコースの「さよなら」で登場のボビー。笑える登場に期待も膨らむが。
1R:序盤はお互いに慎重な立ち上がり。ボビーを捕まえようとするサップ。何度か逃げるがいかんせん体重差が。簡単につぶされてマウント→V1アームロック→パウンド→KO。まぁ、しゃあない。
<第12試合>
○山本“KID”徳郁 × ハニ・ヤヒーラ●
ヤヒーラは計量オーバー(なんと1.2キロも!!)のため、減点1からスタート。
1R:終始スタンドの攻防。終了間際にヤヒーラがグランドへ持ち込むが、ほどなくして終了。スタンドでもほぼ互角の打ち合いを見せる両者。
2R:KIDの打撃が的確にヤヒーラにヒットしていく。3分を過ぎたところで、連打でヤヒーラをダウンさせる。グランド状態のヤヒーラに蹴りを入れたところで、レフェリーストップ。ダウンを奪ったパンチの連打で勝負ありにも見えたが、その後のサッカーボールキックのようなダメ押しは、反則行為にも見えた。。。
<第13試合>
○桜庭和志 × 船木誠勝●
まず、船木の入場。あのマスクは笑ってしまったのだが。。。TVではどのように映っていたのだろうか。ただ、先ほど綾戸智恵をウエトアヤと叫んでいた女の子が、「船木ぃ〜!!おかえりぃ〜!!」と叫んでいた。なんか、悪い気はしない。続いて桜庭の入場!!の、前にと、会場のオーロラビジョンに、桜庭の姿と、帰ってきたウルトラマンのテーマ。なんとなくPRIDEっぽい演出の煽りVだが、クオリティーは・・・。早く試合を見せてくれと思ったのは、私だけではないはずだ。二人がリングの上で対峙しているをこの目で見る事ができるとは、感慨深くもあるのだが。
船木はスイッチしながら、桜庭はサウスポースタイルで牽制しあうが、片足タックルから桜庭がグランドを奪う。ここからのグランド攻防では両者ともうまさを見せる。立ち上がった桜庭はジャンピングでのパスガードを狙えば、観客は鋭く反応し沸き上がる。なかなかいい空気だ。
しばらくの猪木アリ状態であったが、ここで桜庭があっけなくサイドポジションを奪う。本当にあっけなく。そこから簡単に腕を取り、瞬く間にアームロックの体勢に。拍子抜けするほどの結末だったが、これは船木の試合勘が鈍っていたのが原因だろうか。昨年の悪夢が嘘のような、桜庭の完勝で幕を閉じたのであった。
●宮田和幸 × ヨアキム・ハンセン○
1Rは、互角の戦い。2R中盤のグランド攻防。上のポジションの宮田がヨアキムの足を取りにいったところをスイープされ、そのままチョークスリーパー。ヨアキムの冷静さが目立った試合。スキルの違いか。
<第4試合>
●西島洋介 × メルヴィン・マヌーフ○
スタンドの攻防では、マヌーフのパンチは西島にあたらず。さすがのディフェンス能力を見せたが、タックルは全く切れず。サイドポジションから簡単にマウントへを取られ、ガード出来ずにKO負け。限界かな、洋介山。
<第5試合>
●ミノワマン × ズール○
1R:終始逃げ回りながら、30秒に1回のペースでローを入れていくミノワマン。ラスト1分でつかまりグランドへ。バックを取られながら立ち上がったところで、背負い投げ一閃!!柔道なら一本でミノワマンの勝ちなんだけどね。
2R:2分過ぎにグランドへ。ズールにバックから打撃を入れられるミノワマンだが、ゴングに助けられる。
3R:スタミナ切れの両者。ここで体重差が如実に。グランド→パウンド→タオル。足を取れなかったミノワマン。スキルのない相手なら、この体重差でも勝負になったのかもしれないが、ズールはそれほど甘くなかったといったところか。
<第6試合>
○田村潔司 × 所英男●
田村が所をすべて受け止めた試合。田村の左ミドルは強烈。スタンド観戦の私にもバシバシ伝わってくる。グランドの攻防では田村が1枚上手か。最後はアームバーで一本。所は自分の良さが出し切れないまま終わった。試合直後にプレゼンテーターの前田日明が、田村に向かってトロフィーを投げつけたのがインパクト強すぎ。この日ここまででは一番の印象度。
<第7試合>
●HIROYA × 雄大○
試合内容はまぁ、いいでしょ。大晦日に行われる試合としては、両者とも役不足。仕方のない事だが、一観客としてはこのレベルの試合を延長まで見せられても。。。といったところ。将来有望な選手である事は確かなのだろうが、別に舞台を設けてあげればいいことではないのだろうか。大晦日にやる試合ではない。
<第8試合>
○武蔵 × ベルナール・アッカ●
退屈な試合。観客が沸くのはアッカのがむしゃらなラッシュ時のみ。それまで有効打のない武蔵だったが、3R中盤に唯一の見せ場であった左ストレート一発でKO。武蔵は一発で決めたところで面目を保ったかに見えるが、アッカの頑張りの印象のほうが高い。
<第9試合>
○ニコラス・ペタス × キム・ヨンジョン●
ペタスは綾戸智恵の生歌で入場。私の前列に座っていた女の子が、「ウエトアヤや!!」と絶叫。いや、間違ってますよ。おばちゃんやし、出て来たの。なんとなくこの試合、それで満足。
1R:巨神兵のようなキム・ヨンジュンにセオリー通りにローをイン・アウト共に入れていくペタス。終了間際にダウンを奪う。
2R:ひたすらローをもらったキムは戦意喪失状態でパンチをもらう。爽快なKO劇。ここまでのMVPはペタスか。
<第10試合>
○魔裟斗 × チェ・ヨンス●
ある意味、一番注目していた試合。チェ・ヨンスと言えば、畑山と激闘を繰り広げたボクシングの元世界チャンピオンである。むちゃくちゃ強かった記憶しかないのだ。
1R:パンチだけかと思っていたヨンスが、キックを見せる。しかも、トリッキーなものも混ぜ合わせて。。。まさに付け焼き刃。かなりがっかりしたのは、言うまでもない。冷静な魔裟斗は追いつめてから、左ハイ一発でダウンを奪う。
2R:キックは見せなくなったヨンス。魔裟斗は、様々な攻撃バリエーションを見せてヨンスを圧倒。
3R:ヨンスは、バックハンドブロー。。。さらにがっかりさせてくれる。蓄積されたローのダメージが如実に表れてくる。魔裟斗のラッシュに、ヨンス陣営からタオル。懸命な判断だろう。実力差をまざまざと見せつけた魔裟斗の完勝。
<第11試合>
○ボブ・サップ × ボビー・オロゴン●
オフコースの「さよなら」で登場のボビー。笑える登場に期待も膨らむが。
1R:序盤はお互いに慎重な立ち上がり。ボビーを捕まえようとするサップ。何度か逃げるがいかんせん体重差が。簡単につぶされてマウント→V1アームロック→パウンド→KO。まぁ、しゃあない。
<第12試合>
○山本“KID”徳郁 × ハニ・ヤヒーラ●
ヤヒーラは計量オーバー(なんと1.2キロも!!)のため、減点1からスタート。
1R:終始スタンドの攻防。終了間際にヤヒーラがグランドへ持ち込むが、ほどなくして終了。スタンドでもほぼ互角の打ち合いを見せる両者。
2R:KIDの打撃が的確にヤヒーラにヒットしていく。3分を過ぎたところで、連打でヤヒーラをダウンさせる。グランド状態のヤヒーラに蹴りを入れたところで、レフェリーストップ。ダウンを奪ったパンチの連打で勝負ありにも見えたが、その後のサッカーボールキックのようなダメ押しは、反則行為にも見えた。。。
<第13試合>
○桜庭和志 × 船木誠勝●
まず、船木の入場。あのマスクは笑ってしまったのだが。。。TVではどのように映っていたのだろうか。ただ、先ほど綾戸智恵をウエトアヤと叫んでいた女の子が、「船木ぃ〜!!おかえりぃ〜!!」と叫んでいた。なんか、悪い気はしない。続いて桜庭の入場!!の、前にと、会場のオーロラビジョンに、桜庭の姿と、帰ってきたウルトラマンのテーマ。なんとなくPRIDEっぽい演出の煽りVだが、クオリティーは・・・。早く試合を見せてくれと思ったのは、私だけではないはずだ。二人がリングの上で対峙しているをこの目で見る事ができるとは、感慨深くもあるのだが。
船木はスイッチしながら、桜庭はサウスポースタイルで牽制しあうが、片足タックルから桜庭がグランドを奪う。ここからのグランド攻防では両者ともうまさを見せる。立ち上がった桜庭はジャンピングでのパスガードを狙えば、観客は鋭く反応し沸き上がる。なかなかいい空気だ。
しばらくの猪木アリ状態であったが、ここで桜庭があっけなくサイドポジションを奪う。本当にあっけなく。そこから簡単に腕を取り、瞬く間にアームロックの体勢に。拍子抜けするほどの結末だったが、これは船木の試合勘が鈍っていたのが原因だろうか。昨年の悪夢が嘘のような、桜庭の完勝で幕を閉じたのであった。
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闘議(とうぎ)葬送の式典 ~071231_やれんのか!~ |
u-spirit 2008.01.03 |
迷った挙句、田村のいない方”やれんのか!”へ向かう。真新しい首都高 外環状を経由して新都心IC。以前は、ほぼ2ヶ月間隔で通った埼玉スーパーアリーナ。便利になった分だけ、「今更…」と恨めしい気分にさえなる。そんな、久しぶりな光景に浸り、駐車場へ入庫する。先に開催されていたハッスル関係者と駐車場で遭遇し挨拶。その方の妹さんがバイトしている露店で”やれんのか!汁”を馳走になる。看板には「喰えんのか!」と書いてあり、食の安全が厳しく言及された年に、なんと横柄な売り文句だろう…と笑。場内はハッスル繋がりでアリーナ仕様。従来より小規模だが平等にどの席種からも観戦し易く、リングを包み込む配列で個人的には、こちらの方が好み。座席に着くと周囲には多くの知人、友人が来場していた。ハッスルとのWヘッダー組も多く、連れの女性が疲れて寝ている姿が目立つ。現地リポを頼まれた3人へのメールを作成していると目の前をM−1グローバル代表のモンテ・コックス氏が通り過ぎる。少なからず2008年の大連立のキーマンは、この巨漢のオッサン。開幕時間が近づくにつれ、待たされたファンのボルテージは上がりまくり。
そして、「それは一夜限りの…」至宝の佐藤&立木Vにて開幕。恒例の高田太鼓演舞で会場はアゲアゲになり、褌なし本部長の出て来いやぁ〜では無く、「かかって来いやぁ!」で出場選手紹介。秋山には恐ろしい程のブーイング。対照的に青木とヒョードルには、一時のサクやシウバを彷彿させる大歓声が上がる。その歓声に跳関十段は、感極まり顔を覆い隠し涙。やっぱり、この熱はHERO'Sの会場には無い。
そして、「それは一夜限りの…」至宝の佐藤&立木Vにて開幕。恒例の高田太鼓演舞で会場はアゲアゲになり、褌なし本部長の出て来いやぁ〜では無く、「かかって来いやぁ!」で出場選手紹介。秋山には恐ろしい程のブーイング。対照的に青木とヒョードルには、一時のサクやシウバを彷彿させる大歓声が上がる。その歓声に跳関十段は、感極まり顔を覆い隠し涙。やっぱり、この熱はHERO'Sの会場には無い。
<第1試合>
●ローマン・ゼンツォフ×マイク・ルソー○
戦前、オープニングとしてはパンチに欠けるカードと思えたが、初見だったルソーのスキルが高く、巨漢に似合わず器用であり流れるようなフィニッシュで感心させられる。
<第2試合>
○川尻達也×ルイス・アゼレード●
川尻の見事なビルドアップされた肉体に期待が膨らむもフィニッシュを焦って強引になり過ぎ、明らかな空回り。噛み合った様な、噛み合わなかった様な、キレの無い勿体無い微妙な試合となる。川尻にとって長すぎた空白が裏目に出たか?彼の実力はこんなものでは無い。
<第3試合>
○瀧本誠×ムリーロ・ブスタマンチ●
ブス先生のネチッコイ攻めに1Rは防戦一方の瀧本、2Rに起死回生の右ストレートから左フックをヒット!ブス先生の腰が砕けるも、タッキーが仕留め切れず判定にダウン分だけ有利な瀧本が勝利。
『総合格闘技を舐めてました』発言から丸3年、彼の格闘技人生は結果とカードに恵まれず暗中模索の日々だった。それでも挑み続け、ブスタマンチを敗るほどの地力を持つ”白き天才”の「戦極」での活躍に期待。
<第4試合>
○石田光洋×ギルバート・メレンデス●
この階級で台頭と言えば、カルバンと青木、そして、メレンデス。次いで川尻、その後ろに石田だと思っていた。しかし、空白の時間に程よい静養とスキルアップをした石田は、メレンデスの多彩な攻めを尽く潰す”巧み”ぶり。マットに叩きつけられれば、即座にやり返す心意気。メレンデスを後、一歩の所まで追い込んで時間切れ。だけど、いい試合だった。総合格闘技とは選手も技術も進化している事を象徴する試合。
<第5試合>
○三崎和雄×秋山成勲●
問題のクリームが盛り込まれた過激映像で”ヒール”秋山を煽る。ブーイング飛交う場内に出てきた秋山は表情ひとつ変えず。しかし、秋山の座礼でさえ、場内を逆撫でする演出のひとつに見えてしまう空気が漂う。一方の三崎和雄は、己の奥底から湧き出るもの、押し寄せるものを必死に抑えるかの様に、飛び跳ねながら入場する。
運命のゴング、隣席の知人の彼女が「これは?K-1?」と錯覚を起こしてしまう程、スタンドオンリーな展開に。序盤に秋山の見事なワン・ツーがヒットし三崎は意識を刈り取られフラッシュダウン、秋山は続けてパウンドで追撃するも、三崎が無意識?に防御姿勢を取り、耐え凌いで再びスタンド戦へ。終盤、ジリジリと三崎が地味な揺さ振りをかけ始める。スイッチング、フェイント、そして、虚をつくボディーブローが決まる。続け様に一手前と同モーションの左フックを今度は顎へヒットさせる。堪らず尻餅をついた秋山はこの日、初めて表情が変化し、慌てて立ち上がろうとした次の瞬間、三崎の蹴り上げた足の甲が秋山の顔面にメリ込み勝負アリ!!最後の光景は”バキ”の板垣恵介氏の描写そのもので圧巻。
三崎和雄の大逆転で決した後、リングの上も外も一気に臨界点へと達し、”埼玉メトロダウン”大爆発。雄叫びを上げ、奇声を発し、見ず知らずの者同士が抱擁し合ったり、ハイタッチしたり、異様な熱気に包まれる。己の勝利に舞い上がった三崎は、朦朧とする秋山を呼び寄せ肩に手を置いて”あの件”を叱責すると同時に、魂が伝わったと激励する。でも、最後の座礼に見えない土下座は必要ない。
『4点ポジションからのサッカーボールキックは反則では?』との声があるが、あれは”倒れ際の追い討ち”ではなく、”起き上がり際の攻撃”だと見えた。帰宅後、VTRを繰り返し見てみたが、試合中の流れを考慮すればギリギリ”セーフ”の範疇だった。もし、ジャッジに不服があったのなら、秋山サイドはあの時、その場で抗議するべきだった。リング内は多くの者が決戦の余韻に浸っていて、時間も充分にあった。事実、一番近くのコーナーで立ち会っていた彼らセコンド陣も、即座に合否を”断定”できない程、微妙なアクションだった。
後になってから抗議するのもいいが、秋山本人は敵地ながら最初から最後まで威風堂々と己を貫き闘い抜いた。そんな、勇姿を目の当たりにした観客からは、秋山の退場時に惜しみない拍手と歓声が送られた。秋山は、ただ無残に散った訳ではない。格闘家として生きるという”魂”を怒号の飛び交う中、言い訳せず一人、刻んだのだ。その誉れ高き行動に、後付けで外野がモノを言っては濁すだけ。
会場にいた全員が余韻に浸り、興奮したまま口々に感想を述べながら休憩タイムへ突入。その最中にメインの皇帝ヒョードルの試合が地上波の関係上、繰り上がりとアナウンス。「我々に地上波が帰ってきました」って…確かにそうだけど、現実は、ただの他力介入。タバコ、トイレ、売店の全てを諦めて、先ほどの秋山×三崎の激戦をレポート作成し、依頼されていた3名へのメール送信作業に追われる。そんな僕を見兼ねた友人のセクシーな彼女がスナック菓子と飲み物を差し入れてくれる。2007年最後の食事は”とんがりコーン”と”森永マミー”と”ボイン”。
<第6試合>
○エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェ・ホンマン●
「葬送の式典」、この言葉にグッと来た。なんという名言か!!映像を手がける佐藤Dを含めた大会開催に拘った旧DSEスタッフの心意気を表現するに最も相応しい。これはファンに対する感謝の意を込めた”葬送”なのだ。しかし、思わぬ試合順変更で最終上映予定の煽りVが一部、未完のまま流れる。制作者の心境を考えると気の毒でならない。最終・大トリ予定の映像が、こんな形で…さぞや、不本意だろう。
試合の展開は、大きい人が体格差と体重差を生かして覆いかぶさる。器用な下の人がサンボの基本で足掛けて締め上げる。確かにホンマンが善戦した風に見えるが…パウンドも何発かはヒットして皇帝の顔に傷を付けたものの、○億とも言われるギャラを払う価値が本当にあるのか?と問いたくなる試合。
<第7試合>
○桜井“マッハ”速人×長谷川秀彦●
長谷川とマッハの差が予想以上に開いていた。マッハの打撃を嫌い組み付いて転がる長谷川、何度も何度も繰り返される同じ攻防。マッハも強いが、あと一つが足りずに時間だけが過ぎ、会場はどんどん冷めていく。長い長い試合は判定でマッハ。
ここでモンテ・コックス氏が登場しM−1グローバルの日本大会?を期待していてくれと発言。
<第8試合>
○青木真也×チョン・ブギョン●
シドニー五輪の柔道シルバーメダリストであるブギョン。カルバンの代役として急遽組まれた”金魚”ならぬ”銀魚”かと思いきや、侮るなかれ、腕がらみとグラウンドでの卓越した技術、青木の腕を2回もキャッチする実力者。2R以降、青木がポイントを挽回すべく、ポジショニング優先に試合を展開する。この経験値の差が判定結果に出て青木に軍配。個人的には見応えある試合だったが、カウントダウンの時刻が迫っていて、周囲も関係者も 心では「早く、極めてくれぇ〜頼むぅ」と願っていたはず。
そして、ギリギリセーフのカウントダウン&フィナーレ、しかし、言い馴れない”やれんのか!”の掛け声はグダグダのバラバラ。万感の想いを胸に、さようなら〜PRIDE!・・・ぅん???!!!
垂れ幕が現れ「桜咲くころ、夢の続きを・・・」「今年も やれんのか!」
モニターには「花咲く頃に、会いましょう・・・」
でも、一番のサプライズは、リング上、立木文彦氏の挨拶。いい声ですわ。
こんな事、書いていいのか分からないが、毎回、リングサイドの某側に陣取る”影の軍団”の姿が見当たらず。脱却したのか、ご遠慮願ったのか、定かではない。その代わりに今回のVIP席には、招待者より自腹組と思しきファンが大勢詰め掛けていた事が、いい傾向だったと思う。様々な事、残念に思いますが、形態なんか気にせず”夢のステージ”をこれからも担っていって下さい。
●ローマン・ゼンツォフ×マイク・ルソー○
戦前、オープニングとしてはパンチに欠けるカードと思えたが、初見だったルソーのスキルが高く、巨漢に似合わず器用であり流れるようなフィニッシュで感心させられる。
<第2試合>
○川尻達也×ルイス・アゼレード●
川尻の見事なビルドアップされた肉体に期待が膨らむもフィニッシュを焦って強引になり過ぎ、明らかな空回り。噛み合った様な、噛み合わなかった様な、キレの無い勿体無い微妙な試合となる。川尻にとって長すぎた空白が裏目に出たか?彼の実力はこんなものでは無い。
<第3試合>
○瀧本誠×ムリーロ・ブスタマンチ●
ブス先生のネチッコイ攻めに1Rは防戦一方の瀧本、2Rに起死回生の右ストレートから左フックをヒット!ブス先生の腰が砕けるも、タッキーが仕留め切れず判定にダウン分だけ有利な瀧本が勝利。
『総合格闘技を舐めてました』発言から丸3年、彼の格闘技人生は結果とカードに恵まれず暗中模索の日々だった。それでも挑み続け、ブスタマンチを敗るほどの地力を持つ”白き天才”の「戦極」での活躍に期待。
<第4試合>
○石田光洋×ギルバート・メレンデス●
この階級で台頭と言えば、カルバンと青木、そして、メレンデス。次いで川尻、その後ろに石田だと思っていた。しかし、空白の時間に程よい静養とスキルアップをした石田は、メレンデスの多彩な攻めを尽く潰す”巧み”ぶり。マットに叩きつけられれば、即座にやり返す心意気。メレンデスを後、一歩の所まで追い込んで時間切れ。だけど、いい試合だった。総合格闘技とは選手も技術も進化している事を象徴する試合。
<第5試合>
○三崎和雄×秋山成勲●
問題のクリームが盛り込まれた過激映像で”ヒール”秋山を煽る。ブーイング飛交う場内に出てきた秋山は表情ひとつ変えず。しかし、秋山の座礼でさえ、場内を逆撫でする演出のひとつに見えてしまう空気が漂う。一方の三崎和雄は、己の奥底から湧き出るもの、押し寄せるものを必死に抑えるかの様に、飛び跳ねながら入場する。
運命のゴング、隣席の知人の彼女が「これは?K-1?」と錯覚を起こしてしまう程、スタンドオンリーな展開に。序盤に秋山の見事なワン・ツーがヒットし三崎は意識を刈り取られフラッシュダウン、秋山は続けてパウンドで追撃するも、三崎が無意識?に防御姿勢を取り、耐え凌いで再びスタンド戦へ。終盤、ジリジリと三崎が地味な揺さ振りをかけ始める。スイッチング、フェイント、そして、虚をつくボディーブローが決まる。続け様に一手前と同モーションの左フックを今度は顎へヒットさせる。堪らず尻餅をついた秋山はこの日、初めて表情が変化し、慌てて立ち上がろうとした次の瞬間、三崎の蹴り上げた足の甲が秋山の顔面にメリ込み勝負アリ!!最後の光景は”バキ”の板垣恵介氏の描写そのもので圧巻。
三崎和雄の大逆転で決した後、リングの上も外も一気に臨界点へと達し、”埼玉メトロダウン”大爆発。雄叫びを上げ、奇声を発し、見ず知らずの者同士が抱擁し合ったり、ハイタッチしたり、異様な熱気に包まれる。己の勝利に舞い上がった三崎は、朦朧とする秋山を呼び寄せ肩に手を置いて”あの件”を叱責すると同時に、魂が伝わったと激励する。でも、最後の座礼に見えない土下座は必要ない。
『4点ポジションからのサッカーボールキックは反則では?』との声があるが、あれは”倒れ際の追い討ち”ではなく、”起き上がり際の攻撃”だと見えた。帰宅後、VTRを繰り返し見てみたが、試合中の流れを考慮すればギリギリ”セーフ”の範疇だった。もし、ジャッジに不服があったのなら、秋山サイドはあの時、その場で抗議するべきだった。リング内は多くの者が決戦の余韻に浸っていて、時間も充分にあった。事実、一番近くのコーナーで立ち会っていた彼らセコンド陣も、即座に合否を”断定”できない程、微妙なアクションだった。
後になってから抗議するのもいいが、秋山本人は敵地ながら最初から最後まで威風堂々と己を貫き闘い抜いた。そんな、勇姿を目の当たりにした観客からは、秋山の退場時に惜しみない拍手と歓声が送られた。秋山は、ただ無残に散った訳ではない。格闘家として生きるという”魂”を怒号の飛び交う中、言い訳せず一人、刻んだのだ。その誉れ高き行動に、後付けで外野がモノを言っては濁すだけ。
会場にいた全員が余韻に浸り、興奮したまま口々に感想を述べながら休憩タイムへ突入。その最中にメインの皇帝ヒョードルの試合が地上波の関係上、繰り上がりとアナウンス。「我々に地上波が帰ってきました」って…確かにそうだけど、現実は、ただの他力介入。タバコ、トイレ、売店の全てを諦めて、先ほどの秋山×三崎の激戦をレポート作成し、依頼されていた3名へのメール送信作業に追われる。そんな僕を見兼ねた友人のセクシーな彼女がスナック菓子と飲み物を差し入れてくれる。2007年最後の食事は”とんがりコーン”と”森永マミー”と”ボイン”。
<第6試合>
○エメリヤーエンコ・ヒョードル×チェ・ホンマン●
「葬送の式典」、この言葉にグッと来た。なんという名言か!!映像を手がける佐藤Dを含めた大会開催に拘った旧DSEスタッフの心意気を表現するに最も相応しい。これはファンに対する感謝の意を込めた”葬送”なのだ。しかし、思わぬ試合順変更で最終上映予定の煽りVが一部、未完のまま流れる。制作者の心境を考えると気の毒でならない。最終・大トリ予定の映像が、こんな形で…さぞや、不本意だろう。
試合の展開は、大きい人が体格差と体重差を生かして覆いかぶさる。器用な下の人がサンボの基本で足掛けて締め上げる。確かにホンマンが善戦した風に見えるが…パウンドも何発かはヒットして皇帝の顔に傷を付けたものの、○億とも言われるギャラを払う価値が本当にあるのか?と問いたくなる試合。
<第7試合>
○桜井“マッハ”速人×長谷川秀彦●
長谷川とマッハの差が予想以上に開いていた。マッハの打撃を嫌い組み付いて転がる長谷川、何度も何度も繰り返される同じ攻防。マッハも強いが、あと一つが足りずに時間だけが過ぎ、会場はどんどん冷めていく。長い長い試合は判定でマッハ。
ここでモンテ・コックス氏が登場しM−1グローバルの日本大会?を期待していてくれと発言。
<第8試合>
○青木真也×チョン・ブギョン●
シドニー五輪の柔道シルバーメダリストであるブギョン。カルバンの代役として急遽組まれた”金魚”ならぬ”銀魚”かと思いきや、侮るなかれ、腕がらみとグラウンドでの卓越した技術、青木の腕を2回もキャッチする実力者。2R以降、青木がポイントを挽回すべく、ポジショニング優先に試合を展開する。この経験値の差が判定結果に出て青木に軍配。個人的には見応えある試合だったが、カウントダウンの時刻が迫っていて、周囲も関係者も 心では「早く、極めてくれぇ〜頼むぅ」と願っていたはず。
そして、ギリギリセーフのカウントダウン&フィナーレ、しかし、言い馴れない”やれんのか!”の掛け声はグダグダのバラバラ。万感の想いを胸に、さようなら〜PRIDE!・・・ぅん???!!!
垂れ幕が現れ「桜咲くころ、夢の続きを・・・」「今年も やれんのか!」
モニターには「花咲く頃に、会いましょう・・・」
でも、一番のサプライズは、リング上、立木文彦氏の挨拶。いい声ですわ。
こんな事、書いていいのか分からないが、毎回、リングサイドの某側に陣取る”影の軍団”の姿が見当たらず。脱却したのか、ご遠慮願ったのか、定かではない。その代わりに今回のVIP席には、招待者より自腹組と思しきファンが大勢詰め掛けていた事が、いい傾向だったと思う。様々な事、残念に思いますが、形態なんか気にせず”夢のステージ”をこれからも担っていって下さい。
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Hero's Eye世界との差を、そして今後を ~070914_世界柔道~ |
Hero 2007.10.15 |
■いよいよ開幕です
いや〜、まいったね。なにがまいったって、いよいよ明日から世界柔道が始まるんですよ。
北京オリンピック前年のこの大会、日本柔道界にとっては非常に重要なものになります。というのも、2003年の大阪大会で大活躍した日本勢が、勢いをそのまま翌年のアテネ五輪で爆発させたのは記憶に新しいところですからね。
今回の大会、谷や井上の復活が注目されているようですが、私は個人的に男子の軽中量級に注目しています。秋本選手や金丸選手に是非結果を出していただきたい。大きな大会ではメダルから遠ざかっている階級ですからね。
さて、初日に出場する日本人選手ですが、
男子100kg級:鈴木桂治 選手
男子100kg超級:井上康生 選手
女子78kg級:中澤さえ 選手
女子78kg超級:塚田真希 選手
初日からなんと五輪金メダリストが3名も登場します。スタートダッシュに期待しましょう。
いや〜、まいったね。なにがまいったって、いよいよ明日から世界柔道が始まるんですよ。
北京オリンピック前年のこの大会、日本柔道界にとっては非常に重要なものになります。というのも、2003年の大阪大会で大活躍した日本勢が、勢いをそのまま翌年のアテネ五輪で爆発させたのは記憶に新しいところですからね。
今回の大会、谷や井上の復活が注目されているようですが、私は個人的に男子の軽中量級に注目しています。秋本選手や金丸選手に是非結果を出していただきたい。大きな大会ではメダルから遠ざかっている階級ですからね。
さて、初日に出場する日本人選手ですが、
男子100kg級:鈴木桂治 選手
男子100kg超級:井上康生 選手
女子78kg級:中澤さえ 選手
女子78kg超級:塚田真希 選手
初日からなんと五輪金メダリストが3名も登場します。スタートダッシュに期待しましょう。
■悔しく残念な初日
いや、まいったね。柔道のジャッジ問題は今に始まった事じゃないですが、こういう大きな大会で同じ事が繰り返されてしまうのは、本当にやりきれないですよ。
会場も主審も、誰もが『鈴木の一本勝ち』と思っていたのですがね。北京へ向けて気持ちを盛り返していくのは、容易ではないでしょう。
一方の井上、厳しくなりましたね。2回戦で破れたリネールは18歳でした。井上は29歳、北京の時点では30歳になっているわけです。100kg超級という階級で、この年齢で。北京で有終を飾るには、想像を絶するような日々を過ごす必要がありそうです。それに耐えれるのでしょうか。
女子は中澤、塚田ともに前回大会と同じく決勝で、しかも同じ相手に破れました。んー、安定していると言えばそれまでですが、さらに対策が必要とも言えるでしょう。
初日は女子は悔しく、男子は残念な結果に終わってしまいましたが、2日目の出場選手
男子81kg級:塘内将彦 選手
男子90kg級:泉浩 選手
女子63kg級:谷本歩実 選手
女子70kg超級:岡明日香 選手
泉と谷本のメダリストに期待しましょう。
いや、まいったね。柔道のジャッジ問題は今に始まった事じゃないですが、こういう大きな大会で同じ事が繰り返されてしまうのは、本当にやりきれないですよ。
会場も主審も、誰もが『鈴木の一本勝ち』と思っていたのですがね。北京へ向けて気持ちを盛り返していくのは、容易ではないでしょう。
一方の井上、厳しくなりましたね。2回戦で破れたリネールは18歳でした。井上は29歳、北京の時点では30歳になっているわけです。100kg超級という階級で、この年齢で。北京で有終を飾るには、想像を絶するような日々を過ごす必要がありそうです。それに耐えれるのでしょうか。
女子は中澤、塚田ともに前回大会と同じく決勝で、しかも同じ相手に破れました。んー、安定していると言えばそれまでですが、さらに対策が必要とも言えるでしょう。
初日は女子は悔しく、男子は残念な結果に終わってしまいましたが、2日目の出場選手
男子81kg級:塘内将彦 選手
男子90kg級:泉浩 選手
女子63kg級:谷本歩実 選手
女子70kg超級:岡明日香 選手
泉と谷本のメダリストに期待しましょう。
■今後を考えさせられた二日目
いや〜、まいったね。二日目を終わっても、男子はメダルなしですよ。
泉は先輩二人が疑惑の判定で破れたショックを引きずっているように思えました。日本が不利を受けているという気持ちが、戦う前からあったのではないでしょうかね。 確かに、日本人からすれば今回のジャッジングには『?』マークなんですが、それを戦った本人がエクスキューズのように使うのも、ボクからすると『?』マークなんです。嘘でもいいから、審判のせいにはしてほしくないなと。いや、選手は本当にやりきれない気持ちからそういう言葉がでるんでしょうけどね。
ただ、この審判の質は、来年の北京でも変わらないと思います。国際柔道連盟内ではすでに、日本人の発言権はないわけですから。となると、このレベルの審判であっても勝つ柔道をする必要があります。ポイントを稼ぐ柔道をするのか、はたまた、一本を取る技にさらに磨きをかけるのに加えて、その決めの甘さを解消するのか。まぁ、日本柔道が選択するのは後者しかないでしょうが。
女子は二日連続でメダル獲得です。谷本は相当悔しかったみたいですが、よくがんばって銅メダルをとったと思いますよ。決勝戦に進出すれば負けても貰える銀メダルよりも、一度負けてからでも気持ちを途切らせないで、最後は勝たないと貰えない銅メダルのほうが価値があると個人的には思うので。
さて、明日はボクが個人的に注目している、秋本、金丸の両選手が出場してきます。この階級でメダルが欲しいですね、男子は。
男子66kg級:秋本啓之 選手
男子73kg級:金丸雄介 選手
女子52kg級:西田優香 選手
女子57kg級:佐藤愛子 選手
会場は日系人が多いブラジルということもあってか、日本人に対してとても温かいように感じます。その声に応えてこそ、日本柔道だよ。がんばれ、ニッポン!!
いや〜、まいったね。二日目を終わっても、男子はメダルなしですよ。
泉は先輩二人が疑惑の判定で破れたショックを引きずっているように思えました。日本が不利を受けているという気持ちが、戦う前からあったのではないでしょうかね。 確かに、日本人からすれば今回のジャッジングには『?』マークなんですが、それを戦った本人がエクスキューズのように使うのも、ボクからすると『?』マークなんです。嘘でもいいから、審判のせいにはしてほしくないなと。いや、選手は本当にやりきれない気持ちからそういう言葉がでるんでしょうけどね。
ただ、この審判の質は、来年の北京でも変わらないと思います。国際柔道連盟内ではすでに、日本人の発言権はないわけですから。となると、このレベルの審判であっても勝つ柔道をする必要があります。ポイントを稼ぐ柔道をするのか、はたまた、一本を取る技にさらに磨きをかけるのに加えて、その決めの甘さを解消するのか。まぁ、日本柔道が選択するのは後者しかないでしょうが。
女子は二日連続でメダル獲得です。谷本は相当悔しかったみたいですが、よくがんばって銅メダルをとったと思いますよ。決勝戦に進出すれば負けても貰える銀メダルよりも、一度負けてからでも気持ちを途切らせないで、最後は勝たないと貰えない銅メダルのほうが価値があると個人的には思うので。
さて、明日はボクが個人的に注目している、秋本、金丸の両選手が出場してきます。この階級でメダルが欲しいですね、男子は。
男子66kg級:秋本啓之 選手
男子73kg級:金丸雄介 選手
女子52kg級:西田優香 選手
女子57kg級:佐藤愛子 選手
会場は日系人が多いブラジルということもあってか、日本人に対してとても温かいように感じます。その声に応えてこそ、日本柔道だよ。がんばれ、ニッポン!!
■世界との差を感じた三日目
ん〜〜〜、まいったね。
一番期待していた秋本選手。残念ながら、4回戦敗退。スタミナ切れですかね。試合中盤からは前に出れなくなってましたね。直前にケガがありましたが、その影響で体力面の強化が足りなかったのかもですな。今後の課題でしょう。まだ21歳ですからね、いい経験になったと思います。
その他の3名はみんな揃って銅メダル獲得。金丸選手は、今回の男子メダル第一号となりました。あまりそういうプレッシャーはなかったでしょうけどね。ただ、やっぱりこの階級は世界との差を感じます。厳しいだろうなぁ、北京も。
それにしても、ケースンヒ。強い、強すぎるよ、インチキでしょぉ〜。ありゃ、勝てん。盤石だわ。
で、明日はもう最終日です。
男子63kg級:江種辰明 選手
男子無差別級:棟田康幸 選手
女子48kg級:谷亮子 選手
女子無差別級:塚田真希 選手
はい、注目はYAWARAママなんでしょうけど、棟田選手に期待しましょう。男子で金メダルゼロはきついで、ホンマ。棟田よ、優勝して北京の100kg超級代表争いの主役になったれ!!
ん〜〜〜、まいったね。
一番期待していた秋本選手。残念ながら、4回戦敗退。スタミナ切れですかね。試合中盤からは前に出れなくなってましたね。直前にケガがありましたが、その影響で体力面の強化が足りなかったのかもですな。今後の課題でしょう。まだ21歳ですからね、いい経験になったと思います。
その他の3名はみんな揃って銅メダル獲得。金丸選手は、今回の男子メダル第一号となりました。あまりそういうプレッシャーはなかったでしょうけどね。ただ、やっぱりこの階級は世界との差を感じます。厳しいだろうなぁ、北京も。
それにしても、ケースンヒ。強い、強すぎるよ、インチキでしょぉ〜。ありゃ、勝てん。盤石だわ。
で、明日はもう最終日です。
男子63kg級:江種辰明 選手
男子無差別級:棟田康幸 選手
女子48kg級:谷亮子 選手
女子無差別級:塚田真希 選手
はい、注目はYAWARAママなんでしょうけど、棟田選手に期待しましょう。男子で金メダルゼロはきついで、ホンマ。棟田よ、優勝して北京の100kg超級代表争いの主役になったれ!!
■超人を感じた最終日
いや、まいったね。地上波のテレビ中継。
棟田や塚田の試合放映が決勝戦だけってどういうこと?と、言いたいところですが、いや、それは谷さんに失礼ってもんですな。それぐらいの試合でした。何試合も延長戦となりましたが、彼女の試合には、これまでの男女の階級で感じていたヒヤヒヤ感がない。なんなんでしょうかね。試合を観ていて、『やられる!!』と思うところが皆無なんです。もう、名人、いや、達人、いやはや、超人ですわ。尊敬という言葉以外見つからないです。
また、棟田選手。おめでとうございます!!無差別級はオリンピックでは実施されない階級なので、各国の一線級は出場していないということはあるのかもしれませんが、それでも日本国内では、五輪重量級代表の最右翼となったと言っていいでしょう。これで来年の全日本選手権がさらに楽しみになりました。
さて、今回は日本にとっては厳しい大会となってしまいました。もちろん、審判団のスキルや、ルール解釈の違いなどの問題がありましたが、それが世界の舞台で実施されているJUDOなわけです。世界選手権や、オリンピックに出場する以上、そこに対応していくしかないんです。
アテネでの成功で手に入れた最高の土地。そこの住人たちは、その土地の外側へ目を向ける事に対して、少々怠慢だったのかも知れないですね。世界は、強烈なスピードで変化していっています。気がついた時には外側での発言権も失い、時代の流れに取り残されていた。。。といった感じでしょうか、今回の世界柔道は。
ただ、日本柔道は何回もこんな苦境を乗り越えてきました。次のオリンピックまでにはもう1年ありませんが、今回の結果に対する総括をまとめ、総力を挙げて対策に取り組んでいただきたいですね。谷や棟田が金メダル取ったから、よかったよかったで済ませたら絶対ダメですよ!!!
頑張れ、ニッポンJUDO!!
いや、まいったね。地上波のテレビ中継。
棟田や塚田の試合放映が決勝戦だけってどういうこと?と、言いたいところですが、いや、それは谷さんに失礼ってもんですな。それぐらいの試合でした。何試合も延長戦となりましたが、彼女の試合には、これまでの男女の階級で感じていたヒヤヒヤ感がない。なんなんでしょうかね。試合を観ていて、『やられる!!』と思うところが皆無なんです。もう、名人、いや、達人、いやはや、超人ですわ。尊敬という言葉以外見つからないです。
また、棟田選手。おめでとうございます!!無差別級はオリンピックでは実施されない階級なので、各国の一線級は出場していないということはあるのかもしれませんが、それでも日本国内では、五輪重量級代表の最右翼となったと言っていいでしょう。これで来年の全日本選手権がさらに楽しみになりました。
さて、今回は日本にとっては厳しい大会となってしまいました。もちろん、審判団のスキルや、ルール解釈の違いなどの問題がありましたが、それが世界の舞台で実施されているJUDOなわけです。世界選手権や、オリンピックに出場する以上、そこに対応していくしかないんです。
アテネでの成功で手に入れた最高の土地。そこの住人たちは、その土地の外側へ目を向ける事に対して、少々怠慢だったのかも知れないですね。世界は、強烈なスピードで変化していっています。気がついた時には外側での発言権も失い、時代の流れに取り残されていた。。。といった感じでしょうか、今回の世界柔道は。
ただ、日本柔道は何回もこんな苦境を乗り越えてきました。次のオリンピックまでにはもう1年ありませんが、今回の結果に対する総括をまとめ、総力を挙げて対策に取り組んでいただきたいですね。谷や棟田が金メダル取ったから、よかったよかったで済ませたら絶対ダメですよ!!!
頑張れ、ニッポンJUDO!!
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闘議(とうぎ)ミドル級T決勝戦観戦記_後編 ~070917_HERO'S~ |
u-spirit 2007.10.04 |
前編より続き
休憩明け。この日、来場していたもう1人の生けるレジェンド”ヒクソン・グレイシー”がマイクを持ってリングイン。
「リングに立つと血が騒ぐ」
「次に皆様に会う時は選手として」
「近い将来、このリングに…。」
との”ウルトラリップサービス”も会場は思った程、盛り上がらず微妙な空気が漂う。10代〜20代のKIDや宇野を目当てに来場した娘さんたちは皆、一様にポッカーン。「オッサン、誰?何を言ってんの?」状態けれど、老いても、闘わずしても、未だ”最強”の称号を維持し続けるこの”オッサン”は、過去、日本格闘技界の”至宝”と呼ばれた多くの選手を尽く退けてきた。故に本当の”グレイシー越え”は、未だ完遂されていない。日本格闘技界がグレイシーを越える日、それは、ホイスやホイラーやハイアンではく、誰も疑う余地の無い”象徴”ヒクソンを倒した日が訪れたその時。この”夢”そのものが、MMAが急激に進化した現在では、ただの”幻想”かもしれない。世界を見渡しても、これ程、グレイシー一族に執着している国は今時、ニッポンだけだ。だから、今、ヒクソンを倒しても、その選手は”地上最強”の称号を得られない。精精、”ロートルなヒクソンを倒した男”と呼ばれるだけ。でも、UWFを知る者にとって、この”仇打ち”の価値は、今でも充分に意味がある。失ったものを、あの日を取り戻すには”ヒクソン”を倒すしか術はない。
休憩明け。この日、来場していたもう1人の生けるレジェンド”ヒクソン・グレイシー”がマイクを持ってリングイン。
「リングに立つと血が騒ぐ」
「次に皆様に会う時は選手として」
「近い将来、このリングに…。」
との”ウルトラリップサービス”も会場は思った程、盛り上がらず微妙な空気が漂う。10代〜20代のKIDや宇野を目当てに来場した娘さんたちは皆、一様にポッカーン。「オッサン、誰?何を言ってんの?」状態けれど、老いても、闘わずしても、未だ”最強”の称号を維持し続けるこの”オッサン”は、過去、日本格闘技界の”至宝”と呼ばれた多くの選手を尽く退けてきた。故に本当の”グレイシー越え”は、未だ完遂されていない。日本格闘技界がグレイシーを越える日、それは、ホイスやホイラーやハイアンではく、誰も疑う余地の無い”象徴”ヒクソンを倒した日が訪れたその時。この”夢”そのものが、MMAが急激に進化した現在では、ただの”幻想”かもしれない。世界を見渡しても、これ程、グレイシー一族に執着している国は今時、ニッポンだけだ。だから、今、ヒクソンを倒しても、その選手は”地上最強”の称号を得られない。精精、”ロートルなヒクソンを倒した男”と呼ばれるだけ。でも、UWFを知る者にとって、この”仇打ち”の価値は、今でも充分に意味がある。失ったものを、あの日を取り戻すには”ヒクソン”を倒すしか術はない。
第8試合 85kg契約
桜庭和志×柴田勝頼
桜庭和志×柴田勝頼
柴田はミノワマンをも凌ぐ”猛ダッシュ”勢い余って転倒して、吠えながらリングイン。このテンションはプロレスラーらしくて好きだ。だけど、格闘家として試合に挑むスタイルとしては、好ましくないだろう。そして、桜庭の入場時に流れた煽りVTRは、コミカルで真剣勝負に挑む際、神妙になりがちな空気を笑いで和ませ、試合前から柴田を煙に巻く。(残念ながら地上波ではカット)サクはこれまでのショートスパッツではなく、珍しくキックパンツスタイル。しかも指先は人差し指以外、全指、テーピングを施している。滑り止め対策か?古傷である両膝のガッチリテーピングと合わせ、やる前から痛々しくて既に負傷者の如し。試合前、ヒクソンから両者に花束贈呈、柴田は受け取ると即座に客席へと放り投げる。流石にヒクソンもこれには怪訝な顔。
試合は、元師匠の名付けた桜庭得意の高速片足タックル”サックル”が早々に決まり、難なく柴田をテイクダウン。ところが、柴田は下からサクの側頭部にパンチを躊躇無く、何発も入れる。サクはスイープとパスを繰り返し、自在に下の柴田を押さえ込む。ココでさっきのお返しとばかりにサクはキレ気味で平手とパンチで上から柴田を殴り続ける。スタミナをロスし、ダメージ蓄積で”返す”動きの止まった柴田の右腕を取り、足を跨いでフィニッシュへと移行するサク。柴田も両足でフックして、クラッチを切られまいと懸命に凌ぐ。それでもサクは支点をズラして、クラッチを切りガッチリ極めてタップアウトを奪う。試合後、サクは柴田をポンポンと叩き、健闘を称え合った。柴田は座礼にて意思を伝える。サクも座礼で応え、互いに言葉を交わす。さっきまで殴り合っていたけれど、別に憎み合っていた訳じゃない。互いを認め合い、礼に始まり、礼に終わる。”礼節”を重んじる”武道”に通じるこの競技と選手の姿をワーキャーと騒ぐだけでなく、しっかり観ていて欲しいと願う。果たしてサクとUWFの終着先は船木戦か?ヒクソン戦か?
試合は、元師匠の名付けた桜庭得意の高速片足タックル”サックル”が早々に決まり、難なく柴田をテイクダウン。ところが、柴田は下からサクの側頭部にパンチを躊躇無く、何発も入れる。サクはスイープとパスを繰り返し、自在に下の柴田を押さえ込む。ココでさっきのお返しとばかりにサクはキレ気味で平手とパンチで上から柴田を殴り続ける。スタミナをロスし、ダメージ蓄積で”返す”動きの止まった柴田の右腕を取り、足を跨いでフィニッシュへと移行するサク。柴田も両足でフックして、クラッチを切られまいと懸命に凌ぐ。それでもサクは支点をズラして、クラッチを切りガッチリ極めてタップアウトを奪う。試合後、サクは柴田をポンポンと叩き、健闘を称え合った。柴田は座礼にて意思を伝える。サクも座礼で応え、互いに言葉を交わす。さっきまで殴り合っていたけれど、別に憎み合っていた訳じゃない。互いを認め合い、礼に始まり、礼に終わる。”礼節”を重んじる”武道”に通じるこの競技と選手の姿をワーキャーと騒ぐだけでなく、しっかり観ていて欲しいと願う。果たしてサクとUWFの終着先は船木戦か?ヒクソン戦か?
第9試合 63kg契約
山本“KID”徳郁×ビビアーノ・フェルナンデス
山本“KID”徳郁×ビビアーノ・フェルナンデス
この試合、ビビアーノもKIDも異次元だった。でも、それを上回る異次元を繰り広げたのは”ヌル塗る事件”で一躍有名になった梅木レフリー。今回はあまりに滑稽である。ジャッジミスや勘違いってレベルを通り越していた。状況判断力が無さ過ぎる。試合中、KIDも呆れ顔で苦笑い。もう少しで名勝負が”迷勝負”になるところ。「今回、凌げた事で、寝技でも自信がついた」試合後のKIDのコメントが全てを物語っていた。僕は今回、KIDの一本負けを予想していた。ビビアーノの強さは、一般的に認識されていないが、柔術家としては、世界でも屈指のツイスター。グレイシーバッハらしからぬw積極的なスタイルでテクニックと対応力はトップクラス。本当の天才だ。そのビビアーノの猛攻を凌いだKIDの実力は、とんでもなく凄い。会場では、試合後のマイクパフォーマンスの際、判定勝利への不満からか?「言い訳するな!」と心無い野次が飛んだが、対戦相手が”ビビアーノ”だった事を考慮すれば、文句の付る余地など皆無、正に天晴れだ!そりゃ、自信も付くよ。
第10試合 ミドル級トーナメント決勝戦
J.Z.カルバン×アンドレ・ジダ
J.Z.カルバン×アンドレ・ジダ
相変わらず入場時間の長いブラジリアン2人放送時間の迫る編集スタッフの心中を思うと「早よ、上がれ!」と言いたくなる。開始早々、CB仕込みの回転の速いジダのスイングフックをJ.Z.が何発か喰らい、グラついた王者に、新星は猛ラッシュをかける。このまま新王者が決まるのか?と思えた次の瞬間、J.Z.は電光石火のタックルを決める。ジダも粘っていたが、跳ねのけ起き上がろうとして伸びた腕をJ.Z.が見事にキャッチして引き込み、回転しながらアームバーで決する。J.Z.はスタンド主体の選手だと思われがちだが、そもそもATT(BTT)の所属。グラウンドテクも相当なもの。総合メジャージム対決はATT(BTT)に軍配が上がった。3年前とは別人だ。
【大会総括】
良くも悪くも、HERO'Sにとって分岐点となる大会だった。”冗談みたいない団体”と揶揄されてきたが、選手だけでなく、掲げていた”MMA ICON”として大会そのものも、日本の砦となって欲しい。事実、集客は前大会を遥かに凌いでいたし、ミーハーな女性客だけでなく、カードや参戦選手と共に再開されないPRIDEのファンも多く来場していた。だから、ココからが正念場である。質の良いコンテンツと注目を浴びるマッチメイク。この対極な事案を如何に両立するかで、HERO'Sに本当のHEROが生まれ来るだろう。しっかし、娘さんたちは、ワーキャーと元気にうるさい。まぁ、彼女達も今や大事なファンだ。ガマンがまん。
良くも悪くも、HERO'Sにとって分岐点となる大会だった。”冗談みたいない団体”と揶揄されてきたが、選手だけでなく、掲げていた”MMA ICON”として大会そのものも、日本の砦となって欲しい。事実、集客は前大会を遥かに凌いでいたし、ミーハーな女性客だけでなく、カードや参戦選手と共に再開されないPRIDEのファンも多く来場していた。だから、ココからが正念場である。質の良いコンテンツと注目を浴びるマッチメイク。この対極な事案を如何に両立するかで、HERO'Sに本当のHEROが生まれ来るだろう。しっかし、娘さんたちは、ワーキャーと元気にうるさい。まぁ、彼女達も今や大事なファンだ。ガマンがまん。
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闘議(とうぎ)ミドル級T決勝戦観戦記_前編 ~070917_HERO'S~ |
u-spirit 2007.09.27 |
開幕は前のオープニングファイト3試合が長引き15分遅れでスタート。会場の客入りはKID効果もあり、開始前から9割方の座席が埋まっていた。(後に12,310名と場内で発表あり)
先ずは、日明兄さんがカール・ゴッチ先生の遺影を胸に抱き、会場全員で10カウントの黙とうから。偉大なるカール・ゴッチの意志を継ぐ男達よ!との日明兄さんの掛け声で開幕。
先ずは、日明兄さんがカール・ゴッチ先生の遺影を胸に抱き、会場全員で10カウントの黙とうから。偉大なるカール・ゴッチの意志を継ぐ男達よ!との日明兄さんの掛け声で開幕。
第1試合 リザーブファイト
宮田和幸×ハービー・ハラ
宮田和幸×ハービー・ハラ
前回同様、宮田のポテンシャルが存分に出た試合だった。ハービーは入場コスチュームと入場曲の選曲が光っただけに、実力の方に疑問符が残る。宮田が2連勝できた理由をあえて探すなら、たった2週間の修行だけで、ムエタイを習得したとは言い難いが、自身の打撃向上よりも、KID戦で受けた膝蹴りの”トラウマ”を克服する事に成功し、飛び込む勇気を取り戻したのだろう。それにしても、あんなに綺麗なアームバーは久しぶりに見た。
第2試合 ミドル級トーナメント準決勝戦
宇野薫×アンドレ・ジダ
宇野薫×アンドレ・ジダ
”THREE BRAZILIANS & ONE JAPANESE”となってしまった大会の準決勝、日本最後の砦となりし、宇野薫は黄色い声援を背に、いつもの波長で淡々と入場してきた。対するジダはブラジルカラーのサクマシーンマスクを被り、セコンド陣がTシャツを客席に配布しながら、陽気にのんびり入場してきた。試合は序盤にジダの膝蹴りをモロに食らい消耗してしまった王子が判定負け。諦めずに背負った期待に答えようと、必死で最後までもがいたが、間に合わずTHE END。試合中、黄色い声援は悲鳴へと変わっていた。それ位、ジダは宇野を圧倒し前へ出ていた。
第3試合 ミドル級トーナメント準決勝戦
J.Z.カルバン×ビトー“シャオリン”ヒベイロ
J.Z.カルバン×ビトー“シャオリン”ヒベイロ
個人的に優勝候補と目していたシャオリンが計量失敗と聞き、体調不良が心配されたが案の定、シャオリンは出鼻を挫かれ、簡単に寝転がされて、J.Z.のパウンドラッシュを浴びて即、終了。入場パフォーマンス長く、試合の短いJ.Z.はある意味、プロフェッショナル。シャオリンの実力はこんなもんじゃない。調整不足が悔やまれる。
第4試合 無差別級
ミノワマン×ケビン・ケーシー
ミノワマン×ケビン・ケーシー
遂にHERO'Sのリングにミノワマン登場。煽りVTRでつかみはOK。入場は、いつものダッシュ!!!!ケビンのセコンドにヒクソンの姿を確認。試合はヒクソン仕込みの膝狙いの前蹴りで距離を測るケビン。ミノワマンも不用意には飛び込めないが押し込むケビンと耐える超人の我慢比べ。1R中は、バックを取られ窮地に陥るもミノワマンは凌ぎきる。2R開始早々、ミノワマンのフックがケビンを捉えて、ケビンは連打に絶えられず亀状態に。尚も鉄槌を振り下ろすミノワマンにレフリーがストップをかけると会場は爆発!!恒例の”SRF8回”もしっかり決まって、最高のHERO'Sデビューを飾る。
第5試合 85kg契約
ユン・ドンシク×ゼルグ“弁慶”ガレシック
ユン・ドンシク×ゼルグ“弁慶”ガレシック
前試合でブルファイター猛獣マヌーフを仕留めたユン、今度はタイプの違う打撃の”キレる”弁慶にどう挑むのか?試合は弁慶が有利と思いきや、ユンが圧倒的にコントロール。足をかけながら体重をあずけてテイクダウンを奪うと、弁慶の長所だったリーチ(長い手足)を逆に利用して、腕を取り一気に極めたユン・ドンシク。サクも認める実力はホンモノの様だ。けして”噛ませ犬”なんかではない。
第6試合 88kg契約
メルヴィン・マヌーフ×ファビオ・シウバ
メルヴィン・マヌーフ×ファビオ・シウバ
見た目もファイトスタイルもヴァンダレイに
そっくりなファビオ・シウバ、期待値高く初見参!もマヌーフとのブルファイター対決に左フックをカウンター気味に食らい崩れ落ちる。即座に意識を取り戻したものの、マヌーフに上からパウンドを4、5発打ち込まれる。見かねたレフリーが両者に割って入り試合を止めた。ファビオとセコンド陣は、早いストップに不満を示すも、相手のセコンド陣とも握手を交わす。さすがシュートボクセ、紳士である。
第7試合 無差別級
アリスター・オーフレイム×セルゲイ・ハリトーノフ
アリスター・オーフレイム×セルゲイ・ハリトーノフ
大会前、”PRIDEっぽい試合”と谷川氏が言っていたのは、このカード。確かに、”まんまPRIDE”だが、アリスターはPRIDEでの”欠点”を克服できず、バッテリー消耗が早いまま。序盤はロングフックを有効に使い、ハリを苦しめるも、2、3発返しのパンチを喰らうと、いつもの様に急激に失速し、背を向けて試合終了。ハリトーノフの勝利後、ヴォルク・ハンは一目散でリングに上がり、チームと喜びを分かち合っていた。ミーシャ、パコージン、ハン、の3人がリングで揃い踏みの姿に往年の懐かしさを感じ、感慨に浸っていたのは、この会場で何人いたのでしょう?もしかして、僕だけか?
後編へ続く
後編へ続く